夏休みはこうして男子部員たちの悲鳴とあえぎ声によって、埋め尽くされていった。

 女子部員たちは容赦なく男子部員を搾り取り、責めなぶっていった。

 男子部員も最初のうちは抵抗したが、今では従順に彼女たちに搾り取られている。抵抗した男子部員たちは徹底的に心を折られたからだ。純菜、姫華、麗美。この3人が男子部員の心を犯し、従順な練習台にしてしまった。男子部員たちは一人も辞めることなく、今日も同級生や年下の少女たちから、根こそぎ精液を奪われていた。

 そんなある日のこと。

 黒宮が競技場を訪れた。


「おい、夢野純菜を出せや」


 昼休憩を挟んだ午後のことだった。

 練習に備えて、競技場にマットを敷き直していた時のこと、BL学園の制服に身を包んだ黒宮が現れた。

 その表情は狂気に彩られているように見えた。瞳はドロンと濁りすわっていて、まるで酔っぱらいのようだった。落ち着かなく、きょろきょろしているかと思えば、舌打ちをして近くのゴミ箱をけっ飛ばしている。明らかに情緒不安定だった。


「黒宮、なんの用だよいったい」

「健二か。久しぶりな負け犬。夢野純菜を出せや。とっととしろ」

「純菜になんの用だ。お前、BL学園の練習はいいのか?」


 その言葉は地雷だったらしく、目の前の黒宮の顔が赤黒く変色したかと思うと激高した。


「あいつのせいで俺の部内での立場はめちゃくちゃになっちまったんだよ。どいつもこいつも、俺のことを軽んじやがって。何がオナニー猿だ。何がチクニー愛好家だ。バカにしやがって。くそっ、くそっ」


 ゴミ箱を蹴り続ける黒宮。すぐにゴミ箱は倒れ、中身が競技場にあふれた。


「だから、あいつにはリベンジしなきゃなんねえんだよ。ぎったんぎったんに犯して、辱めて、この前の汚名をはらさせてもらうぜ。いいから、とっとと夢野純菜を出せ。そうじゃないと」


 黒宮が制服のふところに手をやった。

 取り出したのはナイフだった。銀色に輝く刀身がどこか現実離れして感じられ玩具のようにしか見えない。惚けていたのは一瞬。俺は黒宮の瞳に宿る狂気が本物だと思うと、さっと背筋が凍った。


「おまえ、何考えてんだ。警察呼ぶぞ」

「いいぜ。呼べよ。その間に何人かは道ずれだ。特に夢野純菜は念入りにヤらせてもらうぜ」


 ひひっと笑った黒宮。

 ナイフをおどけたように振り回して遊んでいる。今にも飛びかかってきそうな恐怖感で俺は動けなくなった。


「ちょっと、なんの騒ぎッスか~、センパイ」


 騒ぎを聞きつけて現れたのは姫華だった。

 彼女はどうでもよさそうにアクビをしながらこちらに来て、黒宮の姿を見ると驚きの表情を浮かべた。


「なんッスかこの人。何しにきたんッスか?」

「リベンジだよ。純菜と試合させろってさ。というか姫華、危ないから下がってろ。あいつ、もう正気じゃないみたいだ」


 俺は黒宮の前に立ちふさがって背後に姫華を隠した。

 ニヤっと笑った黒宮が大げさに口を開く。


「これはこれは、誰かと思ったら姫華じゃねえか。どうしたよおい。スクールはもういいのか? この前俺が顔出したらいなくてよお、せっかくまた泣くまで犯してやろうって思ったのに」


 自信満々の強気。

 そんな軽んじた態度にムっとした姫華が口を開く前に自信にあふれた声がした。


「いいよ。そんなに勝負したいならしてあげる」


 純菜だった。

 彼女はナイフを前にしてもニッコリと笑って、まっすぐに黒宮を見据えている。背後には麗美の姿もあって、ほかの女子部員たちも遠巻きに黒宮を見ていた。


「おおっ。夢野純菜じゃねえか。それにBL学園を辞めた負け犬も一緒だ。いいねえ。めでたいねえ。で、勝負してくれるって?」

「うん。君の気がそれですむならね。でも条件があるの」


 純菜は全く臆していなかった。刃物をもった男をなんとも思っていない。彼女は続けた。


「姫華ちゃんと麗美ちゃんと試合をして、それで勝てたら私が相手になってあげる。それならここで今から試合してあげるよ」


 いきなりの言葉。俺は驚いて口を挟んだ。


「おい純菜。なに考えるんだ」

「大丈夫だよ健ちゃん。心配ないよ」

「つったって、姫華と麗美は」

「大丈夫ッスよセンパイ。ご心配ありがとッス」


 割って入ってきた姫華。その隣には麗美もいる。


「つーか、こいつとの対戦を希望してたのはウチと麗美も同じッスから。こんなに早くリベンジの機会がやってくるなんて、思ってもみなかったッスけど」

「問題ありません。私もヤりたいです」

「お、お前ら」


 姫華と麗美が自信満々な様子だった。

 そんな二人に最初は面食らっていた黒宮だったが、すぐにニヤリと笑みを浮かべた。


「いいぜ。その条件でやってやる。姫華も麗美も、ウォーミングアップにはちょうどいいぜ」

「舐めてると痛い目にあうッスよ。もう、あの頃のウチらじゃないッスから」

「はっ。スクールで泣き叫びながら「もうやめてください」って言ってた女が何言ってるんだよ。そっちのデカ女もだ。前みたいにかわいがってやるよ。夢野純菜の前で再起不能になるまで犯してやる。ヒヒッ、楽しみだぜ」


 そう言って黒宮は俺にナイフを渡してきた。

 こうしてバトルファックの勝負がきまった。とんでもないことになったと、俺はどうしたらいいのか分かず途方に暮れてしまった。


つづく