第5話表紙画像





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 純菜が入部してからというもの、バトルファック部は様変わりをしていた。

 それまで競技場には、ストイックに練習に励む男たちの熱気が展開されていた。

 しかし、今となっては、純菜に搾り取られてアヘアヘ悲鳴をあげる情けない男たちがそこにはいるだけだった。


「だいぶ分かってきました。こうですよね」

「アヒイイインッ!」


 今も純菜が岸田部長を犯していた。

 リング上。今日も実践形式の練習が行われ、純菜が圧倒していた。

 彼女は今、リングの上に座り込んで、背後から部長の乳首を責めていた。

 既に部長はパフパフとディープキスのコンボで骨抜きにされており、純菜の太ももの間に挟み込まれて、されるがままの存在になっている。


「ほら、こうやって、触れるか触れないかの微妙なタッチでさわさわと愛撫して」


 言うとおりに、純菜が両手で、部長の両乳首をフェザータッチで虐める。その手つきは見ているだけで興奮するようなエロいものだった。部長の小さな乳首を純菜の長い指が蹂躙している。


「さらにこうやってつまみ上げて、小刻みに振動させると、」

「ひゃあああッ! もうやめへええッ」

「うんうん。次は指の腹でこねくりまわしてみますね」


 男の痴態を観察しながら、教本の動きを正確に再現していく純菜。

 もはや部長は泣き叫ぶだけのオブジェに変わって、純菜からの責めを甘受するしかできなくなっていた。

 乳首責め。

 単純に見えて、難しい技だった。そもそも、乳首が性感帯になっていない男もいる。岸田部長もそうだったはずだ。去年の総体の時も、相手選手から乳首を舐められた部長は平然として反撃をしていた。

 その時の勇姿と今の痴態を比べると、本当に同一人物なのかと疑いたくなるほどだった。純菜に背後から羽交い締めにされて、身動き一つとれない格好で背後からひたすら乳首だけを虐められている。

 あの部長をここまで情けない状態にしてしまう元凶は、部長の背中を潰している大きな胸にあった。純白の競技水着からこぼれる爆乳が、ぐんにゃりと部長の背中で潰れている。それだけで部長は腰砕けになっていた。部長の体は純菜に完全降伏してしまっている。

 純菜の爆乳は対戦相手の防御力を0にしてしまう。

 防御力を無効化された状態で乳首を責められては、岸田部長の痴態も当然なのかもしれない。純菜はこの短時間で部長の乳首を性感帯に変え、さらには乳首の悦びを部長に覚え込ませてしまったのだ。

 その蹂躙は前半ハーフが終わるまで続いた。ようやく前半終了を告げるブザーが鳴ったとき、部長はほっと表情をゆるませた。


「あ、もう終わりですか」


 純菜が男を解放して立ち上がる。

 腰が抜けて立ち上がることもできない部長を見下ろすと、純菜がニッコリと笑って続けた。


「部長、後半はコレで責めますからね」


 ニッコリと笑いながら、純菜が口を大きくあけてその長い舌をベロンと部長に見せつけた。

 その舌を小刻みに動かしている様子は、まるでカエルを前にして舌を出す蛇のようだった。


「部長の乳首、舐めちゃいます。たぶん、さっきまでの責めより強い刺激になると思うので、気を確かにもってくださいね」

「ひ、ひいいいッ」

「ふふっ、覚悟してくださいね、部長」


 そう言うと、自分の陣地に帰って行く純菜だった。その悠然とした足取りは自信に溢れていた。男の精液を絞りとればとるほど、純菜の自信は高められ、その魅力も溢れるようだった。


「すごすぎる」


 俺は思わずつぶやいていた。

 まだ入部してから1週間もたっていないのに、純菜はバトルファック部を完全に支配しつつあった。彼女はあくまでも真面目で丁寧な優しい女性のままだ。それなのに、リングの上では圧倒的な存在で、男子部員たちは為すすべもなく彼女に精液を搾り取られるだけなのだった。


「うううッ」

「ああ…あああ……」

「もう無理……ああ……」


 周囲から漏れる呻き声。

 俺はリング下の競技場を見渡した。

 そこには、既に純菜に搾り取られて、ぐったりとしたまま気絶している男たちの姿があった。副部長も佐藤もほかの男子部員たちも、皆、純菜の練習相手となって、犯されていた。

 教本の練習をひたすら繰り返す。その間、一物にはいっさいの刺激を与えられず悶々とするだけ。試合終了の直前になってようやく射精を許され、意識をなくすまで絞りとられる。

 それが、ここ最近のバトルファック場で繰り返されてきた日常だった。

 競技場には精液の匂いが充満して、その中で男たちが呻き声をあげながら気絶している。まるで地獄絵図。それをつくっているのは純菜だ。

 彼女は今も、試合再開を告げるブザーと共に部長に襲いかかっていた。

 爆乳で部長を潰しながら押し倒す。時間が惜しいとばかりに強引に部長の顔面を谷間の中に埋め、乱暴にぐりぐり動かして強制的に息を吸わせて、あっという間に抵抗できない操り人形をつくり出してしまった。そこからは宣言どおりだ。

 純菜の長い舌が部長の胸板をはいまわって、責め続けている。ディープキスですら手も足も出ないのに、一方的に乳首を虐められればどうなるか、見ないでも分かった。


「ひゃあああンッ!」


 男の叫び声。

 純菜が淡々と男の痴態を観察しながら、効率的に男を屈服させる動きを試し続ける。純菜の口の中に囚われた小さな乳首は、小刻みに動き続ける軟体動物に責め苦しめられ、あっという間に完全降伏してしまった。

 じゅるじゅるうッ!

 舌が乳首を虐める音と男の悲鳴。

 部長に許されたのは試合終了のブザーが鳴るのを待つだけだった。しかし時計は無情にも13:00を刻んでいる。あと10分以上、この快楽地獄から逃れられないことを知った部長は絶望の表情を浮かべて、頭をバカにさせるしかなかった。

 純菜の責めが続いていく。


 *


 土曜日の休日練習が終わり、恒例となった男子部員たちの介抱もすませて、俺は制服に着替えていた。

 まだ男子更衣室では部長をはじめとしてほかの男子部員たちが呻いている。そこにむかって「お先です」と声をかけ、一人で帰宅することにした。

 外に出ると暖かい熱気が鼻孔をくすぐった。あたりはすっかり暗闇で、校舎わきの外灯が点々と光をつくっているだけになっていた。その光に照らされて、とんでもなく魅力的な女性が校門そばに立っている。


「健ちゃん、お疲れさま」

「純菜か。どうしたんだ?」


 制服姿の純菜がそこにはいた。

 ブレザーのボタンを閉められないほどの爆乳がデンと鎮座してこちらを威圧してくる。さきほどまでの妖艶な彼女と、今こうして目の前に立っている真面目そうな彼女のギャップが、さらに純菜の魅力を増して見せていた。


「うん。ちょっとお願いがあって」

「お願い?」

「そう。ねえ健ちゃん。明日、ちょっとつきあってくれない?」


 にっこりと笑う純菜。見知った幼なじみの笑顔のはずなのに、俺は顔が赤くなるのを感じた。


「明日って、部活は休みだろ? 何に付き合えって?」

「うん。実はさ。今日でバトルファックの教本は一通りマスターしたんだけど、どうしても要領が得ない部分があってね」

「ああ」

「それで、健ちゃんがもってるバトルファックの参考書とか、DVDとか見せてもらえないかと思って。だから、明日、健ちゃんの家に行ってもいいかな」


 お願いと手をあわせて笑う純菜だった。

 どうにもその笑顔が恥ずかしくて、俺はそっぽを向きながら返答するしかなかった。


「いいぜ。俺は明日はテスト勉強してるだけだから、何時でも構わないけど」

「本当? ありがとう」


 そう言って純菜はニッコリと笑うのだった。

 俺たちは隣り合って歩きながら帰宅の途についた。

 周囲の男から羨望の眼差しと嫉妬の視線が突き刺さってきたことは言うまでもない。


 *


 翌日。

 朝からテスト勉強をしていた俺は、疲れを感じて台所に行き、冷蔵庫を開け、作り置きの麦茶をコップに注ぐこともせずに直で飲んだ。

 うちの学校は進学校で、間近に迫った中間テストも厳しいものがあった。しかも、60点を下回った生徒は強制補習となり、1ヶ月間、部活も休ませられるという徹底ぶりだ。だからこそ、日曜日は全ての部活は休みとなって、生徒たちは勉強に明け暮れることになる。俺もその例にもらず、日頃の遅れを取り戻そうと朝から勉強していた。

 その時、チャイムが鳴った。

 時計を見ると午後1時だった。時間どおりだ。玄関を開けると、そこには純菜がいた。


「おう、来たかって……どうしたんだその格好」


 俺は玄関で立っている純菜の服装を見て、目を点にしてしまった。

 体のラインがぴっちぴちに現れる黄色のセーター。ふわふわ素材の布地にも増して柔らかそうな爆乳が、蠱惑的な曲線を描いて自己主張している。しかもそのセーターは長袖ではなく肩が出るタイプのもので、その肩から腕にかけての肌色がさらに色気を醸し出していた。

 さらに下半身はタイトなミニスカート。革製の布地で光沢を帯びた黒色が、どこか扇状的な雰囲気を醸し出している。そこから延びるムチムチの太ももと大きなお尻は、まさしくセクシーマシーンと言い表すしかないものだった。


「変かな、やっぱり」


 純菜が言った。

 体をじろじろと見てしまっていた俺は視線をあげた。そこにはナチュラルな化粧を施し、ショートボブの髪も艶やかに手入れをされた絶世の美女がいた。テレビでもYOUTUBEでだって見かけない女性。その可愛さに、俺は「うっ」と呻いてしまった。


「バトルファックで強くなりたいから、外見にも気を使おうと思って。まだ他の人に肌を見られるのに抵抗があるから、普段着も露出が高いものにするようにしてるの。ふふっ、これで外出ると、男の人の視線がすごくて、ほんと、恥ずかしいんだけどね」


 どこまでも真面目な純菜だった。

 あくまでも、一度決めた目標を達成するための努力。バトルファックで強くなりたい。そう決めた真面目な純菜は、ストイックに強さを求め続ける。目標を決めたらわき目もふらずに努力する真面目な彼女は健在のようだった。


「と、とりあえず立ち話もなんだから、入れよ」


 俺は純菜を自室に案内した。

 俺の部屋に入るなり、純菜は「わー」と歓声をあげて、きょろきょろと部屋の中を見渡した。


「健ちゃんの部屋、久しぶりに入ったよ。あ、このポスター、まだかざってるんだ」


 それは俺が尊敬するバトルファッカーである西園寺拓也のポスターだった。俺が小学生の頃から今も現役でチャンピオンであり続ける伝説のバトルファッカーだ。


「まあ、俺の憧れだからな。西園寺さんに少しでも近づこうって、そう思って練習してるよ」

「へー」

「というか、純菜にはちょっと謝らないといけないことがあってな」


 俺はバツが悪そうな顔をしながら、準備していたものを純菜に手渡した。


「ほら、俺が持ってるバトルファック関係の資料」

「わー。ありがとう」

「でも、ごめんな。見返したら、ほとんど全部、西園寺選手関係のDVDしかなかった。参考書関係も、男ものばかりでさ、女性の技とかそういうのがのってる本はなかったんだよ」


 さっそくパラパラと参考書を読み始めている純菜は俺の言葉を聞いているのかいないのか「そうなんだ」と抑揚もなくつぶやくだけだった。彼女はひととおり、本に目を通すと言った。


「ねえ、DVDここで見ていい?」

「え、ここでか?」

「うん。音は出さないで見るから」


 ダメかなと首をかしげる純菜。その可愛さにたじたじになりながら俺は口を開いた。


「別にいいぜ。でも、おまえも勉強しなくていいのか。中間テスト、もう2週間後だぞ」

「大丈夫だよ。予習復習は欠かしてないしね。それに、今は勉強よりバトルファックがうまくなりたいの」

「さすが学年主席は言うことが違うな」


 純菜は頭がいい。

 1年のころから進学校において常に学年主席の座をキープしている。ほかの連中は学校の授業だけではなく予備校まで通って勉強してるのに、純菜はそんなこともせずに涼しい顔をして学年1位を不動のものにしていた。


「俺は気にしないからさ。ゆっくり見ていけよ」

「うん。ありがとうね、健ちゃん」


 嬉しそうに笑って、純菜がDVDを見始めた。

 俺はもうディスクがすり切れるほどに見返したDVD。年度ごとの名場面集から始まり、西園寺拓也監修の必勝バトルファック入門。男の俺が見れば参考になるのだが、はたして純菜が見て意味があるのだろうか。

 俺は心配になりながらも、自分の勉強に戻った。


 *


 数学を片づけ、英語にとりかかる。英単語の暗記を重ねて、文法の復習をしていく。

 そんなふうに勉強を続けていると、いつの間にか、自分がとんでもなくエロい気分になっているのに気づいた。

 悶々として、さきほどから勉強に集中できていない。頭もなんだかぼおっとしてくる。いい匂いがして、その匂いをもっと求めてさきほどから息を荒げていることに気づいた。

 一人でに妄想しているのは純菜が男たちを搾り取っている光景だった。彼女が競技水着に身を包み、その爆乳を揺らして、男たちを搾り取っている様子。その彼女が、今、こうして俺の部屋に私服でいるという事実が、さらにその妄想をリアリティのあるものにしていた。

 俺は唾を飲み込んで、純菜のほうに振り返った。

 部屋の隅、すぐそばのところで、純菜が食い入るようにしてDVDを鑑賞し続けていた。その眼差しは真剣そのもので、集中しきっている。DVDは最後のシーンを迎えており、それも終わって、クレジットが流れ出した。


「んんッ」


 そこで唐突に純菜が伸びをした。

 両腕を上にあげて、上体を猫のように伸ばす。それによって、肩だしセーターから突き出る双丘もまたブルンと揺れた。ピチピチに張り付いた爆乳がさらに押し出され、その大きさと形が暴力的なまでに強調される。それを見ただけで、俺の頭に電流が走って、体がビクンと震えた。


「お、終わったか」

「うん。一本目だけだけどね。参考になったよ」

「そうか? なら、ほかのDVDも、ぜんぶ持って帰っていいぜ」

「え、いいの?」

「ああ。俺は何度も見返して、ほとんど暗記してるからな。男性用で申し訳ないけど、参考になるならしてくれよ」


 ありがとうとニッコリ笑う純菜だった。

 彼女はそのまま、何かを思いついたように口を開いた。


「そうだ。DVD見てて、試合前のダンスの改善点を見つけたんだけど、ちょっと見てくれないかな」

「改善点って?」

「うん。言葉で説明するの難しいから、実際に見せるね」


 そう言うと純菜がいきなりセーターの裾に手をかけ、脱いだ。

 彼女の肌色が唐突に目の前に広がる。その艶めかしい肌の張りと、大きな胸がブルンと揺れて外気にさらされる光景を見て、俺は心臓が止まるかと思った。


「バっ、いきなり何してるんだ」

「え、ああ、大丈夫。下着じゃないよ。ほら」


 そう言って彼女は自分の体を見せつけてきた。

 俺はそらしていた視線を戻すと、そこにはバトルファック用競技水着を身につけた純菜がいた。純白の面積の狭いビキニから、もはや凶器とも言うべき爆乳が大迫力で鎮座していた。


「慣れるために、休みの日も競技水着をつけてるんだ。驚いた?」

「そりゃあ、いきなりだったからな」

「ふふっ。それじゃあ、見ててね」


 そう言うと純菜が自分の胸を下から持ち上げて見せた。

 ぐにゃりと音がしそうに変形したおっぱいの形が、俺の下半身を直撃する。ゴクリと唾を飲み込み、俺はそこから目が離せなくなった。

 純菜は次々と動きを変えた。胸の下で腕を組んで持ち上げたり、背中ごしにこちらに振り返ってその横乳を見せつけたり、上体を伸ばして胸をそりあげてみたり、様々な角度からその凶器を突きつけてくる。

 純菜が動きを変えるたびに、俺の意識はおっぱい一色となっていった。視界は次々に姿を変える爆乳にロックオンされ、頭がバカになってしまう。


「はい、隙ありだよ」


 純菜の言葉にハっとした。

 気づくと、俺は純菜の両腕で頭部を抱え込まれて、その爆乳の一歩手前に顔面を押し込まれそうになっていた。

 寸止めパフパフ。

 目の前には、サバンナの野生動物の毛皮だってここまで生命力に溢れていないだろうという爆乳があって、思わず俺は「うっ」と呻いた。









「さっきのDVDで西園寺選手の相手の動きを真似て見たんだけど、どうだった?」


 純菜が俺のことを解放して言った。

 彼女の顔を久しぶりに見た気がした。それくらい、俺の意識は純菜のおっぱい一色だったのだ。しかも、間近に迫った爆乳のフェロモンにやられたのか、俺の意識はまだぼんやりとしたままだった。パフパフすらされていない。寸止めで純菜は止めたのに、この有様だった。彼女がそのまま俺の顔面をあの谷間に埋もれさせていたらどうなったのか。俺はゴクリと唾を飲み込んだ。


「健ちゃん、大丈夫?」


 そこで純菜が俺の様子がおかしいことに気づいたようだ。

 俺はぼんやりとした頭でうまく口を開くことができなかった。さきほどから自分でも、チラチラと純菜の爆乳をチラ見することしかできていない。


「ごめんね。いきなりだったからビックリしたよね。寸止めだったから大丈夫だと思ったけど、刺激が強すぎたかな」


 心底、俺のことを心配している純菜の表情。

 彼女は俺の手をとると、優しくイスに座らせてくれた。


「大丈夫? 健ちゃん」

「あ、ああ。悪いな」


 俺はなんとか回復して純菜に声をかけた。


「しかし、すごいなお前のおっぱいは。触れてすらないのに、一瞬、意識が飛びかけたぞ」

「ふふっ、ありがとう。最近、バトルファック部の先輩たちもそうなんだよね。私の胸に触る前から、集中できてないんだ……技の練習にはちょうどいいけど」

「そ、そうなのか」

「うん。胸をあてながら触ったら、みんなすぐ射精しちゃうしね。そんなに気持ちいいのかな、これ」


 そこで純菜が無造作に自分の胸をぐにぐにともて遊び始めた。

 彼女の童顔とあいまって、その姿は近所の公園でどろんこ遊びをしている子供にしか見えなかった。しかし、純菜が遊んでいるのは子供には備わることのない大きなおっぱいで、それがどこか扇状的な雰囲気を醸し出している。


「最初は、もっとバトルファック部の先輩って強いと思ってたんだけどな」


 純菜が言った。

 その顔には普段と違い、どこか嘲笑するような笑顔が浮かんでいた。


「おっぱいだけであり得ないほど興奮するしさ」

「…………」

「私は素人なのに、技の練習したら我慢できないですぐに射精しちゃうし」

「…………」

「なんていうか、」


 幻滅。

 その言葉は優しい純菜の口から放たれることはなかった。自分の気持ちはおさえて周囲を気遣う純菜の素の部分。俺は言葉を返すこともできなかった。


「なんかごめんね、健ちゃん」


 純菜が笑って言った。

 セーターを再び着た純菜が、いつもの人を優しい気持ちにさせる笑顔で続けた。


「今のは忘れて? 明日からまた部活がんばろうね」

「お、おう」


 純菜はそのままDVDを抱えて帰っていった。

 後に残された俺は、純菜のフェロモンが残った部屋で悶々としながらも、なんとかしてやらないといけないと、そう思った。彼女の強さの役に立ちたい。そう感じた。




つづく