魔王奇襲作戦が失敗に終わってからというもの。

 レッドたちは基地から一歩も出ずにガクガクと震える日々を過ごしていた。

(外に出たら吸収される)

 自分たちの大事な魔力が吸収されてしまう。

 まだティファとエイファだけならば勝てるかもしれない。

 自分たちはなんといっても歴戦の戦隊ヒーローなのだ。

 幼いサキュバスなんかに負けるわけがない・・・・・そのはずなのに、

(・・・・・あのおっぱいで吸収されたら、終わる)

 幼いサキュバスたちの巨大なおっぱい。

 あの爆乳で魔力を吸収されれば、今ある実力差もいずれは逆転されてしまう。

 おっぱいが大きいだけの幼いサキュバスたちにすら負ける未来。それが容易に想像できてしまうからこそ、レッドたちは基地から出ることなく、ひたすらに籠城しているのだった。

(外に出なければ安心だ)

 あの魔性のおっぱいを目にすることはない。

 詩織のおっぱいは見ただけで終わってしまう。

 視覚情報だけで理性を骨抜きにされて、本能剥きだしの猿に変えられてしまうのだ。そうなればあとは血祭りにされるだけ。マゾ性癖を刺激されて、あっという間に魔力を絞り尽くされてしまう。それが嫌だからこそレッドたちは基地への籠城を選んだのだが―――現実は非情だった。



 ピコンッ!



 その音にレッドの体が嫌でも反応してしまった。

 自分の携帯端末の音が一度だけ鳴って、あとは静寂だけが流れていく。

 見てはいけない。見たら手遅れになる。

 それが分かっているのにレッドの手が自然と端末に伸びてしまう。ハアハアという荒い息づかい。無意識のうちに携帯端末を操作し、それを見てしまった。

「う」

 見ただけですべてをもっていかれた。

 心臓が脈打って冷や汗が吹き出してくる。レッドの目の前。小さな画面いっぱいに映し出された詩織の爆乳。その規格外のおっぱいを前にして、レッドが簡単に発情して、その体を赤く輝かせてしまった。

「す、すごい」

 写真一枚で完敗だった。

 レッドがマゾ性癖を刺激されて魔力を製造していく。

 ピコンッ!

 ピコンッ!

 連続して写真がアップロードされる。

 それを見せつけられてレッドの下半身が膨張した。

「ティ、ティファとエイファだ」

 あの幼いサキュバス姉妹の写真。

 勝ち気に笑った姉のティファと、控えめに笑ったエイファが映っている。

 共通しているのは両腕でおっぱいをもちあげているというアングルだった。そのせいで、幼い少女には不釣り合いな爆乳が強調されてしまい、レッドのマゾ性癖が刺激されてしまった。幼いサキュバスのおっぱいだけで魔力を生み出し、その体を赤く輝かせていく。

「こ、こんな・・・・・まだ成長しきってない子供サキュバスのおっぱいで・・・・・」

 ギンギンに勃起してしまう。

 体から魔力が溢れてしまう。そのギリギリでまたピコンッと音がして送られてきたのは音声データだ。ハアハアという荒い息でそれを再生する。聞こえてきたのは、ティファとエイファの声だった。

『『射精しろ、このマゾ』』

「ひいいいいいいいいいッ」

 どっびゅうううううッ!

 びゅっびゅううううッ!

 言葉一つで射精する。

 おそらくレッドだけではない。グループチャットにはイエローとブラックの既読マークもついている。彼らもレッドと同じく、詩織とティファとエイファのおっぱいで発情して、子供サキュバスの声一つで射精してしまったのだろう。それがレッドには分かった。

「な、なんとかしないと」

 レッドがお漏らしして気持ち悪くなった下半身のままでつぶやく。

「なんとかしないと、このままじゃダメになる」

 詩織だけでなくティファとエイファにも絞り尽くされる恐怖。それを感じながらもどうにもならず、ただ送られてきた写真データや音声データを繰り返し再生する。そのたびにマゾ性癖を刺激されてまた魔力を製造してしまう。そんなことが繰り返された。

「・・・・・・お兄ちゃん」

 いつの間にか現れた比奈が声をかけてきた。

 すんすんと鼻を鳴らして眉をしかめた妹が、その大きなおっぱいを揺らしながら兄であるレッドに近づいてくる。

「・・・・・なにやってるの?」

「い、いや別に・・・・なんでもないぞ」

 精一杯威厳のある兄の演技をするしかないレッド。比奈は眉をひそめながらも静かに言った。

「・・・・・ブラックさんから頼まれてたこと、できたよ?」

「え?」

「詩織さんっていう人の魔力反応から、彼女の家を突き止めたんだ。詩織さんの弟さんの情報も調査済み・・・・・・これで本当に勝てるんだよ、ね?」



 *



 比奈の語ったことは本当だった。

 彼女はたった一人で詩織の自宅を特定してしまったのだ。

 大山豆腐店の映像がミーティングルームの巨大モニターに映し出されている。住所はおろか、親兄弟の個人情報まで網羅したレポートがレッドたちの手元にはあった。

「狙いはアイツの弟だ」

 血走った瞳で言ったのはブラックだった。

 完全に理性を失ってしまっていることが分かる。一匹狼で常に冷静沈着だった男が今では変貌していた。ティファとエイファの実験台になって以来、ブラックは最後に残されていたプライドまでなくして、手段を選ばなくなってしまっていた。

「アイツの弟を人質にとる。それでアイツに抵抗できなくさせるんだ。もう俺たちが勝つにはそれしかない」

「ひ、人質?」

「そうだ。それしかない」

「け、けどそんな・・・・俺たちは正義の味方なんだぞ?」

 世界の平和を守るための正義の味方。

 その自負があるからこそ自分たち戦隊ヒーローは強大な敵にも打ち勝ってこれたのだ。それなのに人質をとって敵に勝利しようなんて―――そんなのは悪の組織と同じだった。

「なら勝てるのか?」

 ぎろりとしたブラックの瞳がレッドに向けられる。

「人質なしで、アイツに勝てるのかよ」

「そ、それは・・・・・」

「無理だよな? アイツだけじゃないぞ。このままじゃ、あのサキュバス二匹にだって俺たちは勝てなくなる。その前になんとかしないとダメだ。そのためには手段を選んでられない」

 シーンと静まりかえった。

 ブラックが続けて、

「そうしないと、この戦隊も解散だぞ?」

「う」

「結果が出なければそうなる。ただでさえ、グリーンとブルーを再起不能にされて、戦隊協会から視察の話しがあったばかりだろうが。視察までに成果が出なければ、魔王軍の相手は別の戦隊がすることになる。そうなれば俺たちはお払い箱だ。違うか?」

 ブラックの言葉は本当だった。

 世界同時危機を担当する戦隊を束ねる世界戦隊協会から視察の打診をされたのはつい最近のことだった。成果をあげられなかった戦隊は解散させられてしまう。そして自分たちよりも上位の戦隊が任務を引き継ぐのだ。事実上の戦力外通告が間近に迫っていた。

「やりましょう。人質作戦」

 レッドが何も言えずにいるとイエローが緊迫した声をあげた。驚いたレッドにむかって、後輩キャラが意を決したように言う。

「確かにブラックさんの言うとおりです」

「い、イエロー」

「どんなに卑怯でも勝たなければならない戦いがあります。このままでは、魔王軍に人類が支配されてしまう。それだけは避けるべきです」

 こうして人質作戦の決行が決まった。

 最後まで踏ん切りがつかなかったレッドは、それでもチームのリーダーとして作戦を実行しなければならない。詩織が学校に行っているであろう昼間。人質作戦は実行に移された。



 ●●●



 世界同時危機に対処するメンバーには超法規的措置の実行が許されている。

 だからこそ詩織の弟が通っている小学校に校内放送をかけてもらうことなんて簡単だった。放送室に現れたのは5年生の少年だった。気弱そうな表情でブラックたちを見上げた少年は、ブラックから「着いてこい」と言われて早くも泣きそうになっている。

「お、お兄さんたち、なんなんですか?」

 怯えた少年が言った。

 放送室の中で、レッドたち3人に取り囲まれれば誰だってこうなるだろう。

「いいから大人しく着いてこい」

「い、嫌です。放して」

「いい加減にしろ」

 バシンッ!

 軽く。それでも確かにブラックが少年の頬を叩いた。よろめいた少年が一瞬呆然としてから瞳に涙を溜めて、そして泣き出した。

「うわああッ! 痛いよおおおッ!」

「おい、うるさいぞ」

「ひゃだああああッ! たすげでええッ!」

「いい加減に・・・・」

 またしてもブラックが手をあげる。

 それをレッドが掴んで制止させた。

「おいブラック。あまり乱暴なことはするな」

「・・・・・何言ってる。はやく基地に連れ帰らないといけないんだ。一刻も早く黙らせる必要がある」

「だ、だからって」

「大丈夫だ。死ななきゃそれでいい。こいつには人質としての役目を果たしてもらえればいいんだからな。生きたままで、とりあえず指が10本そろってればいい。ふふっ、一本一本、あいつの家に送りつけてやろう」

 もはやブラックの瞳に正気はなかった。

 そんな狂気にいろどられた視線にレッドとイエローが完全に引いている。けれど少年の動揺はそれ以上だった。

「うわああッ! やだよおおおおッ!」

 泣き出す。

 そして、

「助けてええええッ! 助けてお姉ちゃんんッ!」

「黙れ」

「お姉ちゃんんんッ! 助けてよおおおッ!」

「黙れって言ってるだろ!」

「お姉ちゃんんんんッ!」

 少年が泣き叫ぶのを止まない。

 ブラックが舌打ちしながら拳を握りしめる。

 本気だ。

 本気で殴ろうとしている。

 レッドが止めようとするのだが、間に合わない。

 ブラックの魔力が右腕に集中して、本気の拳が炸裂した。



「なにやってるのかな?」



 声が響いた。

 それと同時にブラックの拳が空振りに終わった。

 いつの間にか少年の姿も消えている。

 レッドたちが訳も分からずキョロキョロと周囲を見渡した。

「こっちですよ」

 聞き間違いようのない少女の声。

 レッドたちが放送室のドアに振り返る。

 そこには、弟を救出して、冷たい視線でブラックを睨んでいる詩織がいた。



 *



「ねえ、何をしていたのかなって、聞いてるんだけど?」

 詩織の冷たい瞳と声色に耐えられない。

 レッドたちはガクガクと震えたまま一言も発することができなくなっていた。当然、身動き一つだってとることはできない。ただ呆然と詩織の姿を見上げるだけだ。

「レッドさんがこの作戦を考えたんですか?」

「い、いや、ちが、」

「ああ、そうか。ブラックさんか」

 ちらりと詩織の視線がブラックに移る。

 それだけでブラックがガクガクと震えて後ずさりを始めていた。詩織があれだけ大事にしていた弟を人質にとろうとしていたのだ。しかもブラックは何度か弟のことを殴っている。これでタダですむわけがないのは当然のことだった。

「まあ、いいや。場所だけ少し変えときましょう」

 パチンッ!

 詩織が指を鳴らす。

 それだけで学校の中から生徒たちが全員いなくなった。詩織の弟の姿も消えていた。放送室に残ったのはレッドたち3人と詩織だけだった。

「位相を変えました。なので、この場所にはわたしたちだけが存在します」

「な、なにを言ってるんだ?」

「ああ、レッドさんたちはこんな技も使えないんでしたっけ? まあ、ザコなみなさんでは当然かもしれませんけどね」

 詩織がにっこりと笑っている。

 それが何よりも恐ろしかった。

「こんなことしなければ、みなさんの勝ちだったのに、滑稽ですね」

「な、なんだと?」

「言うのが遅くなりましたが、わたし、新しい魔王になりました。先代の魔王さんには引退してもらったんですよ」

 こともなげに言われてレッドたちの理解が追いつかない。彼女はなんでもないように、

「人類との敵対関係をやめて、共存関係を築きましょうって、何度説得しても聞いてくれなかったので、絞り尽くして魔王としての力をすべて奪ってやったんです。もうそこら辺のザコモンスターよりも弱くなってしまったんですよね、魔王さんって」

 だから、

「わたしが新しい魔王になりました。近々、みなさんとも話し合いをして共存に向けた道を協議していこうと思っていたんです。ティファちゃんやエイファちゃんの納得も得られてますよ? それでこんな戦いも終わりになる・・・・・・はずだったのに」

 詩織が冷たい視線をブラックにやる。

 睨まれただけなのに大の大人がビクビクと震えていった。

「・・・・・やっぱり、男は全員、家畜にするべきですかね」

 淡々と詩織が続けた。

「こんなに争いばかりする雄は全員去勢して、魔力を生み出す家畜にしたほうがいいかもしれません。うん、そのほうが、ほかの世界にとっても効率的でしょうね」

 ひとりごとのように語る詩織。

 何がなんだか分かっていないレッドたちにむかって、詩織が死刑宣告をした。

「まずはあなたたちを去勢しましょう」

 ぎろりと詩織の視線がブラックにやられた。

「最初はあなたですよ、ブラックさん」

 詩織の体が消えた。

 一瞬。彼女の体がブラックの間近で実体化し、その腹めがけて右フックが炸裂した。

「ぎゃあああああああッ!」

 ブラックの体が天井めがけて吹き飛び、そのまま上の階へと突き抜けていった。

「逃がしませんよ?」

 パチンッ!

 指が鳴る。

 すると詩織だけでなくレッドたちの体も上の階に飛ばされている。もはやどういう原理なのかすら分からなかった。教室には人っ子一人いない。机と椅子が整然と並べられているだけだ。そこで、詩織がブラックの首を片手で握りしめて、宙づりにしていた。

「よわっ」

 吐き捨てるようにして詩織が言う。

 その大きな手には小さな男の首がわし掴みにされてしまっている。仁王立ちとなった長身爆乳少女が、自分よりもはるかに小さな男の首を絞めながら宙づりにしていく。男の足は地面についておらずパタパタと揺れるだけだった。

「今からブラックさんのことを殺します」

「かぎゅううううッ!」

「簡単に死ねるとは思わないでくださいね」

「ぐげえええええッ!」

「おっぱいで、嬲り殺してあげます」



 *



 首絞めが終わり、ブラックの体が宙に浮かぶ。

 怯えきったブラックの頭部が、ちょうど詩織のおっぱいと同じ高さになるように調整されている。詩織が魔力によってブラックの体を浮遊させ、固定化してしまったのだ。そして、

「おっぱいビンタ、いきます」

 バッチイインンッ!

「あっっひいいいいいいッ!」

 詩織の爆乳が躍動する。

 制服ごしに大きく隆起した乳肉が、ブラックの右頬に炸裂した。

 衝撃音がレッドたちの肌を震わせるほどの威力。迫力満点のおっぱいビンタが直撃したのだ。

「あひい・・・・・ひぎい・・・・・」

 おっぱいの直撃を受け、右頬をパンパンに腫れあがらせたブラックが悶えている。

 魔力による拘束は継続。浮遊させられ、宙づりになって、身動きもとれない。哀れな獲物が長身爆乳少女の鑑賞物になっていた。

「あ~あ、おっぱい一発でグロッキーですね」

 淡々となんでもないように詩織が言う。

「制服ごしのおっぱいビンタでこれでは先が思いやられます」

「ゆるじで・・・・たじゅげで・・・・・」

「ほら、水着姿になってあげます」

 詩織が制服を脱ぐ。

 純白のビキニ姿がさらされる。

 たわわに実った爆乳。

 バカでかい乳房の迫力が、布地面積の少ないビキニによって強調されている。ビキニの布地が爆乳に食い込んでしまっている。柔らかい女の体―――そのはずなのに、詩織のおっぱいは強者としての風格をまとっていた。

「見えますか、わたしのおっぱい」

「あひいッ! ひいいッ!」

「ますます大きくなって、135センチのOカップになりました」

「ひいいいいいいいいッ!」

「このおっぱいで、今からブラックさんの息の根をとめます」

「ひゃだああああああッ!」

「覚悟、してください」

 ぐいっと詩織の体が反転する。

 ねじりが加わって、おっぱいの発射準備が完了してしまった。

「ほいっ」

 バッジイインンンッ!

 かわいらしいかけ声とは裏腹のすさまじい打撃音が響く。

 一発でブラックが白目をむいてしまった。

 しかも、

「連続ビンタ、いきます」

 バッチインンンッ!

 バッチンンンンッ!

 詩織のOカップおっぱいが大迫力で炸裂していく。

 男の頭部の2倍ほどはある乳肉が二つ、男殺しの凶器となって、ブラックの両頬を殴っていく。

 おっぱいで人体が破壊されていった。

 おっぱいビンタの速さは人類離れしていて、巨大な乳房が視認できないほどの速さで炸裂していく。右に左にと、ブラックの頭部が玩具のように吹き飛んでいく。見ていて痛々しくなるほどに、ブラックの体がぼろ雑巾にさせられていった。

「ふっ、本当にザコですね」

 詩織がおっぱいビンタを繰り返しながら言う。

「抵抗一つできてないじゃないですか」

「ひっぎいッ! ひゃめでえッ」

「おっぱいで殺されていきます。恥ずかしくないんですか?」

「ぎゃああッ! ひいいいいッ」

「ふっ、ザ~コ」

 煽りながら詩織が続ける。

 Oカップおっぱいが炸裂するたびにブラックの口から白い歯が飛んでいった。

 あまりの衝撃でおっぱいビンタのたびに歯が抜けていくのだ。首がねじきれるほど吹き飛ぶ瞬間、白い歯と鮮血が舞っていく。それが教室の天井や壁に飛び散り、どんな殺人現場よりも残酷な光景が生まれていった。

「あ~あ、ひどい顔」

 ようやくおっぱいビンタが終わった。

 始まったのは鑑賞の時間だ。詩織が、自分の眼前に展示した鑑賞物を見つめてニンマリと笑っている。

「歯が全部抜けると人間の顔ってこうなるんですね。なんだかおじいちゃんみたい」

 ブラックは変わり果てた姿になっていた。

 歯がぜんぶ抜けてしまったせいで、口まわりの肉がだらんと垂れ下がってしまっている。

 頬も化け物みたいに腫れあがっていて、瞳が見えなくなってしまっていた。

 まだかろうじて意識があるのが逆に痛々しい。「あ、あ、あ、あ」と力なく悶えている。おっぱいビンタによって脳震盪を起こしているらしく、ビクビクと痙攣が続いていた。

「ふっ、ザコはザコらしく大人しくしておけばよかったのに」

「あひ・・・・ひいん・・・・」

「まだまだこれからですからね」

 詩織が嗤う。

「おっぱいでボコボコにして、殺してあげます」

 ニンマリと笑いながら、

「覚悟、してください」



 *



「次はベアハッグですよ」

 がっちいいいんッ!

 万力じみた詩織の両腕がブラックの背中にまわされた。

 完成したのは死の抱擁だった。

 真正面からの力強い抱きしめ。

 詩織の爆乳が男の薄い胸板を侵食するかのように潰してしまった。

 大きな乳肉がぐんにゃりと蠱惑的に潰れ、ブラックの体を乳肉地獄に引きずりこんでしまっている。身長差があるので、当然、ブラックの足は地面についていない。詩織の体に垂れ下がるようにして宙づりにされて、意識を朦朧とさせた男が、ブラブラと揺れていた。

「起きろ」

 ぎゅうううううううッ!

「かひゅうううッ!」

 強烈な抱きしめで、一瞬にしてブラックが目を覚ます。

 万力じみた力で絞め潰された男が、現実という名の地獄に戻されてしまった。きょろきょろと視線を動かし、自分が詩織に抱きしめられているということを自覚した男が、絶望の表情を浮かべた。

「起きましたね、ブラックさん」

「ゆる・・・・じて・・・・・」

「今からブラックさんのこと抱き潰します」

「たじゅ、げで・・・・ずびば・・・・ぜん・・・・・・でした・・・・・」

「しっかり体に力を入れておいてくださいね。そうしないと、あっという間にブラックさんの口から内蔵が飛び出てしまいますから。みなさんが想像している以上に簡単に潰れますからね。魔物のみなさんですらそうなったんですから、きちんと力をこめてないとあっという間に死にますよ?」

 まるで経験談のように語る。

 それがブラックには恐ろしくて仕方ない。パンパンに腫れ上がった瞳からボロボロと涙が流れていく。自分のしてしまったことの後悔でブラックはガクガクと震えていた。

「はい、ぎゅうううううッ!」

 抱きしめが再開する。

 ブラックの背中にまわされた詩織の両腕に力がこもる。

 大きくて柔らかい極上の女体に埋もれるようにして潰されていくブラックの体。

 規格外の爆乳を押しあてられ、圧迫されたブラックの肺がぺちゃんこにされてしまう。肺胞自体も潰され、まるで風船の中にためられていた空気が根こそぎ奪われるみたい。

「かひゅうううううッ!」

 ぷしゅうううううッという音さえ聞こえた気がした。

 ブラックの体がぺちゃんこになっていく。

 肺から空気がなくなって、しぼむ。

 あまりの苦しみからジタバタと体を暴れさせているチビ男―――自分の命をかけた必死の抵抗。成人男性が苦悶の表情を浮かべて死の抱擁から逃げようとしている。

「あはっ、虫みたい」

 しかし無駄だった。

 どんなにブラックが暴れようが、詩織の体をふらつかせることすらできない。仁王立ちしている詩織はビクともせず、ジタバタと必死に暴れている男をニンマリと鑑賞したままだった。

「苦しいですか、ブラックさん?」

「かひゅうううッ!」

「これでだいたい3割くらいです。まだ全然本気を出していません。それなのにブラックさんは死にそうになっていますね」

 その言葉が嘘ではないことは詩織の余裕そうな表情を見れば明らかだった。

 まるで放課後に友人たちと談笑でもしているような笑顔―――長身JK様が一人の男を抱き殺そうとしていた。

「ほら、これが4割です」

 ぎゅううううううッ!

 ベッギバッギイイッ!

 さらに抱き潰しの力が増す。

 するとブラックの体が潰れ始めた。

 肉や骨が砕け、背筋が凍るような「バギベギッ!」という音が教室中に響き渡った。

「あっぎゃああああッ!」

 顔をのけぞらせながらの悲鳴。

 もはや暴れることもできなくなったブラックの体が、生きることを諦めたみたいに脱力してしまった。その間も詩織の抱き潰しが続いていく。

「あはっ、潰れ始めましたね」

「ひいいいいッ! ゆるじでえええッ!」

「そんなに悲鳴をあげたら肺から空気がなくなっちゃいますよ? おっぱいで潰されてしまっているので、これからブラックさんは肺に空気をためることができないんですから、ちゃんと空気は節約しないと」

 上機嫌そうに笑いながら詩織がブラックを潰して楽しんでいく。

 ブラックの瞳から涙がこぼれていった。

「・・・・・たじゅ・・・・げで・・・・・」

 もはや悲鳴すらあげられない。

 力弱く命乞いを続けるだけ。

 バギバギと骨が砕かれる音が響く。長身爆乳少女の豊満な体に埋もれて死んでいくチビ男。たわたに実った巨大な乳房が男の体を潰していく。おっぱいに殺される。抱き殺される。明らかな実力差がなければ成立しない技で、ゆっくりと、じんわりと、チビ男が殺されていく。

「まだまだこれからですよ」

 詩織がニンマリ笑って、

「どんどんいきますね?」

 おっぱいによる嬲り殺しは始まったばかりだった。

 絶望しきって脱力したブラックの瞳からポロリと涙が垂れ落ちていく。



 *



 詩織はブラックのことを嬲り殺しにしていった。

 宣言どおり、詩織はおっぱいしか使わなかった。

 ベアハッグの次はおっぱいでの窒息技。

 ブラックの顔面を爆乳に引きずりこみ、一切の呼吸を許さない。

 死ぬ直前に息継ぎさせながらの窒息地獄。息継ぎの時にも魔性のフェロモンをたっぷりと肺にためこまされて、ブラックはそれだけで射精してしまう。時間をかけて行われた爆乳による窒息責めで、ブラックの精神が崩壊していった。

「ゆるじで・・・・・ゆるじでくだじゃい・・・・・・」

 綺麗な土下座だった。

 ブラックが少女の足元で膝まづき、額を床につけて、土下座している。

 心の底から屈服していなければできない完璧な土下座。指の先から髪の毛一本に至るまで「服従」が刻まれているようだった。成人男性が年下の少女の足元で必死に媚びを売っていた。

「ふふっ、いい格好になりましたね、ブラックさん」

 詩織が腕組みしながらチビ男を見下ろす。

「わたしのおっぱいで全身ズタボロにされて、惨めに土下座している姿、とっても滑稽ですよ?」

「うううッ! うううッ!」

「あれだけプライドの高かったブラックさんが、こんなふうに土下座するなんて、よっぽどわたしのおっぱいが怖いんですね」

 ぶるんッ。

 これみよがしに爆乳が揺らされる。

 土下座しているブラックからは見えないはずだ。

 それなのに詩織の乳房が揺れた瞬間にブラックが失禁した。土下座しているブラックの股間から黄色の液体が漏れ出していく。

「あーあ、おっぱい揺らしただけで漏らしちゃった」

 嘲笑。

 そして残酷な少女が仕上げをすることにしたらしい。

 ニンマリと詩織が嗤った。

「最後はおっぱいで食べてあげますね」



 ●●●



 おっぱいで食べる。

 その言葉の意味がレッドたちには分からなかった。

 何かの比喩なのだろうか?

 おっぱいで男を食べる―――その言葉の意味が分からず、レッドたちは困惑するしかない。

「いただきまーす」

 むぎゅううううッ!

 おっぱいがグンニャリと変形する音がした。

 詩織がブラックの頭部をおっぱいで挟んでしまったのだ。

 背後からの捕食活動。巨大な乳房が肉食獣の大きな口となって、獲物の頭部を喰らってしまった。

 自分の頭部の2倍以上はある乳肉と乳肉に挟まれたブラックは絶望するしかない。谷間から露出しているブラックの顔面は恐怖で怯え、真っ青になっている。自分の両頬に食い込んでくる詩織の爆乳の感触だけで発狂しそうになっていた。

「ゆるじで・・・・ゆるじで・・・・・」

 背後からおっぱいに捕食された男が命乞いを続ける。

 眉を八の字にして、涙をボロボロ流しながらの必死の懇願。

 おっぱいで挟まれるという天国みたいな状況にいるのに、絶望しきって、怯え震えている男の姿は、あまりにも惨めだった。

「ふふっ、潰しちゃいますね」

 ブラックの命乞いには耳を貸さずに詩織が捕食活動を続ける。

 両手をおっぱいの側面にあてがって、力をこめた。

 乳肉と乳肉が寄せあがってグンニャリと変形する。乳房と乳房が互いを潰していく。ただでさえ迫力満点の谷間がさらに強調されてしまう。自分の頭部よりもバカでかい乳房に潰されてしまっては、ブラックの頭蓋骨なんてひとたまりもなかった。

「ぎゃああああああああッ!」

 断末魔の悲鳴。

 さらにはバギベギっという骨が砕ける音。

 頭蓋骨が潰れていく。巨大なおっぱいによって人間の頭部が食べられていった。

「あはっ、おっぱいで食べられちゃいましたね」

 詩織がにっこりと笑いながら言う。

「今は20パーセントくらいです。少しづつ力をこめていきます」

 ぎゅうううううッ!

 ベギバギッベギッ!

「これで25パーセント。どんどんいきますよ~」

 みっしいいいいッ!

 バッギッベッギッ!

「ふふっ、何パーセントでブラックさんの頭部が潰れるか見物ですね。おっぱいでブラックさんの脳味噌まで徹底的に食べつくしてあげます」

 冗談に聞こえない声で詩織が言う。

 捕食活動が続く。

 おっぱいで食べられた男は悲鳴をあげることしかできない。

 白目をむき、何度も気絶しては激痛から意識を取り戻してしまう。

 おっぱい無限地獄。

 巨大な乳房が、矮小な男の頭部に食らいつき、獲物を亡き者にしていく。

 それがずっと続いた。

「もうそろそろ死にますね、こいつ」

 どれくらいの時間が経過したのだろう。

 詩織がなんでもないように言った。

「あーあ、もう壊れちゃったんですか?」

「あひん・・・ひいん・・・・」

「さっきまで悲鳴をあげてたのに、今はアヒアヒ悶えちゃってますね」

「ひいん・・・・あひん・・・」

「ふっ、年上なのに惨めなものです」

 ぎゅっぎゅっ。

 お遊びみたいに乳房を寄せあげ、獲物の顔を変形させて遊ぶ。ブラックの両頬が潰れてひょっとこみたいな顔になった。

「それにしても、」

 少女がチラリとかたわらに視線をやって、

「仲間が殺されそうになってるのに、レッドさんたちはそこで見ているだけでいいんですか?」

 その言葉にビクンと反応したのはレッドとイエローだ。

 生徒たちが誰もいなくなった教室のかたわらで、レッドたちはただ呆然とおっぱいによる捕食活動を見つめていた。

「う」

 レッドが呻き声をあげる。

 目の前で仲間が殺されていくというのに、レッドは恐怖で指一本動かすことができなかった。今も聞こえてくるバギバギという音が恐ろしくて仕方ない。それは捕食の音だった。おっぱいがブラックの頭を噛み砕いて食べているのだ。レッドの視線が詩織の爆乳に吸い込まれてしまう。巨大な乳房。生命力に満ちた強そうなおっぱい様。それを見ただけでレッドの足はガクガクと震えて、惨めに勃起してしまうのだった。

(怖い・・・・・目の前の生物が・・・・・とにかく怖い・・・・)

 レッドが身動き一つとれずに、仲間が殺されていく様子を見つめていく。

 しかもその体は赤く輝き始めていた。レッドだけでなくイエローも、目の前でブラックが殺されていく様子を見て、マゾの快感で興奮し、魔力を生み出してしまっている。

「ふふっ、本当にマゾって便利」

 詩織が男たちの末路を鑑賞して楽しそうに笑う。

「ブラックさんがわたしのおっぱいで殺されていくの、黙って見てなさい。一歩でも動いたら、同じように殺しますからね」

 詩織がニンマリと笑って死刑宣告をする。

「このまま頭をひと思いに食べて殺してしまおうと思っていましたが、気が変わりました。ふふっ、食事は楽しまないといけないですもんね」

 嗤って、

「ブラックさんの体、少しづつ食べてあげますね」



 *



 まただ。

 食べる。

 おっぱいで人間を食べて殺す。

 その言葉の意味がレッドたちには分からない。

 やはり何かの比喩なのか?

 まさか本当におっぱいで人間を食べることなんでできないだろう―――そんなふうに怯えるレッドたちを見て、詩織が「くすり」とバカにしたように笑った。

「おっぱいで人間の体を食べるなんてできないと思ってます?」

「う」

「それができるんですよねー。人間って結局エネルギーの塊なんです。エネルギーというのは魔力に変換できますからね。みなさんの体を魔力に変えて、吸収してしまえば、食べるなんて簡単なことなんですよ。ふふっ、これまでもみなさんの魔力を根こそぎ吸収してきたでしょ? それを極限まで続ければ、捕食できちゃうんです」

 なんでもないように詩織が言う。

 それを聞いたレッドたちが絶望した。

 もはや詩織が人間の枠組みを超えた存在にしか見えなかった。

 自分たちとは異なった存在。

 人間を主食とする捕食者。それはまさしく人類にとっての天敵だった。

 長身爆乳少女の迫力満点の笑顔を見て、レッドが「ひい」と悲鳴を漏らした。

「ではまずブラックさんの右手を食べましょう」

「ひ、ひい」

「わたしの弟を殴ろうとした悪い手ですからね。ぱっくりいただいちゃいます」

 詩織がブラックの頭部をおっぱいから解放した。

 おっぱいから解放されたブラックの体が再び浮遊し、詩織の目の前に展示される。両手両足をダランと垂れ下げ、虚ろな表情を浮かべながら「あ、あ、あ、あ」と声をあげるだけになった男。おっぱいでボコボコにされて、抵抗を根こそぎ奪われ、食べやすくされてしまったのだ。そんな獲物に対して詩織が、



 くぱあああああッ!



 自慢の爆乳を広げた。

 両手で乳房と乳房を左右にひらいて、艶めかしい谷間を強調させる。

 乳肉と乳肉の間にぽっかりと空間ができる。その意味は明らかだった。今からこの肉食獣の口みたいなおっぱいで、ブラックが食べられてしまうのだ。

「ああああッ! ひゃめでええッ!」

 迫力満点の乳房を見せつけられ、ブラックが意識を取り戻した。

 体をジタバタさせて逃げようとしている。

 しかし魔力で拘束され、浮遊させられているので、空中で両手両足を暴れさせることしかできていない。捕食者が迫って怯える獲物―――仁王立ちの長身少女の前で怯えるチビ男―――惨めさが強調され、詩織がニンマリと笑う。

「いただきま~す」

 ぐしゃあああッ!

 喰らった。

 そうとしか見えなかった。

 詩織が乳房の側面部に両手をあてがい、寄せあげた。

 肉食獣の口が獲物の右手に喰らいついて、挟み潰す。ブラックの右手が豊満な乳房と乳房の間に挟まれ、食べられてしまった。

「ええっと、ブラックさんの体を魔力に変換してっと」

「ひゃめでえええッ!」

「ええと、こうですね」

「あぎゃああああッ!」

 ブラックの体が黒く輝きだした。

 被虐の快感が強制的に爆発させられ、目がくらむような輝きが部屋中に拡散していく。その黒い輝きが、少しづつ詩織の爆乳に吸い込まれていった。ビクンビクンッと、ブラックの体が痙攣を始める。

「はい、捕食開始ですよ~」

「ひゃあああああああッ!」

「ブラックさんの右手、少しづつ溶けて食べられていきますね~」

「ゆるじでえええええッ!」

「ほら、おっぱいの中で自分の手が溶けていく感触が分かるでしょ? おっぱいで溶かされていくのに、痛みはなくて快感だけがすごいですよね。まあ、そういうふうに頭をバグらせてるから、当然なんですけど」

 くすりと、妖しく笑う詩織。

 その間もブラックの右手は豊満な乳肉監獄で挟まれ、少しづつ食べられていく。

 巨大な乳房と乳房―――その間に挟まれ、溶かされ、食べられていく右手。それを間近で見せつけられ、快感でのたうちまわっているブラックが、少しづつ狂っていった。

「はははッ! 俺の手・・・・手・・・・食べられて・・・・おっぱいに食べられちゃって・・・・はははッ!」

 うつろな視線で乾いた笑みを浮かべるブラック。

 彼の視線の先には詩織の爆乳がある。

 水着姿でほとんど生乳同然の巨大な乳房。

 巨大乳房と巨大乳房の間には小さな男の右手が挟まれたままだ。まるで大きな壁と壁に挟まれてしまったように、すっぽりと隠れてしまった右手。ブラックがなんとかその谷間から右手を引き抜こうとしてもどうにもならない。どんなに引っ張ってもビクともしない爆乳様。それを真正面からまじまじと見せつけられ、ブラックはついに発狂してしまった。

「あひい・・・・・食べて・・・・・食べられ・・・・・おっぱいに食べられて・・・・・」

 アヘ顔を浮かべて悶えていく。

 黒い輝きが弱くなる。

 すべて詩織の爆乳様に吸収されていく。

 そして最後、

「潰れろ♪」

 ぎゅううううううううッ!

 ベッギッバッギイイイッ!

「ぎゃああああああああッ!」

 おっぱいがブラックの右手を完全に挟み潰してしまった。

 左右からのおっぱいの寄せあげによって、詩織の爆乳の谷間がさらにグンニャリと潰れる。乳肉と乳肉が蠱惑的に変形する。ギチギチと乳肉同士が潰れあう音が淫靡に響く。その間に挟まれてしまった男の手なんてひとたまりもなかった。いつの間にかブラックの体の明滅も終わっている。すべて詩織の爆乳に吸収されてしまったのだ。

「あはっ、ぺっちゃんこになりましたね」

「あ・・・・あ、あ・・・あああ・・・」

「ほら、ちゃんと食べることができました」

 詩織が谷間をひらいてブラックを解放してやる。

 おっぱいから右手が露出―――しなかった。

 ブラックの右手首の先がぽっかりと消えていた。

 まるで最初から右手なんてついていなかったような綺麗な断面。血も何も出ていない。ただキレイさっぱりと右手だけが消えて、その断面にはツルツルの肌が露出してしまっている。肉という肉、骨という骨が、溶かされ、砕かれ、粉砕されてしまったのだ。男の右手がおっぱいに食べられてしまった。

「お、俺の右手・・・・右手・・・・どこ?・・・・俺の・・・・・右手・・・・・」

 うわごとのようにブラックがつぶやく。

 絶望の表情を浮かべて、ブラックが捕食されてしまった自分の右手を見つめている。それを鑑賞して詩織がニコニコと笑っていた。

「ね? 食べれたでしょ?」

「あ、ああ、あああ、ああ」

「人間の体を魔力変換して吸収するのなんて簡単です」

「ひい・・・かえして・・・俺の右手・・・かえして」

「ブラックさんの右手はけっこうおいしかったですよ? あなたのクソザコ精子よりもエネルギー量が多くて良質でした。やっぱり人間の体そのものを吸収したほうが効率的みたいです」

 ニコニコとした笑顔。

 レストランで食材の良し悪しを語るみたいな自然さ。長身爆乳少女が―――いや、人類の天敵が、おっぱいで捕食した食材の感想を語っていた。

「次は右腕を肩までいただきましょうか」

「ひいッ!」

「おっぱいでぜんぶ食べてあげますね」

 詩織がおっぱいの狙いをブラックの右腕に定める。

 肉食動物みたいな爆乳が獲物に食らいついた。

「はい、ぱっくん」

 ぎゅうううううッ!」

 右腕の肘から先を丸飲みしてしまった。

 迫力満点の巨大な乳房と乳房が蠱惑的に潰れて、獲物であるブラックの右腕を食べてしまっている。すぐにブラックの体が再び黒光りして輝き―――吸収されていく。右腕が溶かされ、吸収され、食べられていくのだ。

「・・・・食べないで・・・・食べないで・・・・・」

 恐怖に染まったブラックがつぶやく。

 顔を左右に振って懇願していく。

 しかし、

「ふふっ、おいしい」

 ぎゅううううううっと。

 詩織が爆乳を左右から挟みあげて、さらにブラックの腕を食べていった。

 少しづつ爆乳が侵攻を開始する。ブラックの肘から先を丸飲みした爆乳が、そのままゆっくりと二の腕を喰らいながら肩のほうへと侵略していく。カエルが獲物を丸飲みして飲み込むみたいに、少しづつ、じっくりと、ブラックの体を爆乳に引きずりこんでいった。

「ひゃめでええッ! 食べないでくださいいいッ!」

 眉を八の字にさせ、涙をボロボロ流しながらブラックが懇願する。

 しかしブラックがどんなに命乞いしても、爆乳様は元気よく捕食していく。

 少しづつブラックの二の腕が乳肉の間に消えていく。

 おっぱいで溶かされ、魔力変換されて、捕食されていった。

「ふふっ、おいしいです」

 にっこりとした笑顔で食事を堪能していく長身爆乳少女。

 すぐにブラックの肩まで「ぱっくん」と丸飲みしてしまった。即座に吸収が始まる。ブラックの右肩が魔力に変換され、黒い光がおっぱいへとドッグンドッグンと引きずりこまれていく。おっぱいに吸収されていく。ブラックが「ひいいッ」と悲鳴をあげながら暴れて、なすすべもなく捕食されていった。

「うん。右腕もごちそうさまでした」

 すべてが終わり詩織が言った。

「ほら、見てください。ブラックさんの右腕もなくなっちゃいました」

 爆乳が離れる。

 キレイさっぱりとブラックの右腕がなくなっている。

 肩の部分が赤ん坊のようなツルツルの肌をさらして露出し、その先には何もついていなかった。あっという間に詩織の爆乳が男の右腕を食べてしまったのだ。

「俺の右腕ええええええッ!」

 ブラックは泣き叫ぶしかない。

 詩織がますます笑った。

「ついでに右脚もぱっくりいただいちゃいますね」

「ひいいいッ! ひいいいッ!」

「弟を殴ろうとしていた右手の連帯責任です。ふふ、ブラックさんの右半身だけ、まずは食べてあげます」

 詩織の爆乳がブラックの右足にかぶりつく。

 悲鳴が大きくなるが、おっぱいによる丸飲みは終わらない。

 捕食の時間は始まったばかりだった。



 *



「ひ、ひでえええ」

 詩織による捕食拷問。

 それを見せつけられているレッドが声を漏らした。

 目の前で仲間が殺されていく。

 おっぱいでブラックの肉体が食べられていくのだ。

 それを前にしてもレッドの体は動かなかった。

 それどころかマゾ性癖を刺激されて興奮してしまっている。そんな情けない姿を詩織から流し目で見つめられて、バカにしたように笑われる。それだけでレッドは「あひいんッ!」と悲鳴をあげて興奮し、魔力を製造していった。

「ん、とりあえずこれくらいですかね」

 詩織が仁王立ちになりながら言った。

 両手を腰にやって堂々と立ち、捕食の結果を見下ろしている。

「あひい・・・・ひいい・・・・」

 長身爆乳少女の足下ではブラックが息も絶え絶えに倒れていた。

 宣言どおりにおっぱいで捕食されて、ブラックの右腕と右足はぜんぶ食べられてしまっていた。いも虫状態となったブラックは、少女の足下に倒れ、「あひあひ」と悶えるしかない様子だった。その顔は絶望に染まっており完全に正気を失っていた。

「ふふっ」

 詩織が当然の権利とばかりにブラックの顔面を踏み潰した。

 生足の直撃を受けたブラックは、抵抗することなく踏み潰しを顔面で受け止める。それどころか、少女の慈悲にすがろうと、命令されていないのにペロペロと足裏を舐め始めてしまった。

「うううう」

 呻き声をあげて、涙をぽろぽろ流しながらも、必死に少女の足裏を舐めていく。

 それは完全敗北した男の末路だった。少女のおっぱいにこてんぱんにボコボコにされて、心を折られてしまった男の姿がそこにはあった。

「ブラックさん」

「ひいん・・・・ひいん・・・・・」

「何か言いたいことはありますか?」

 何かを確信している詩織の表情―――ブラックの口からすぐに絶叫があがった。

「殺してええええッ! もう殺してくださいいいッ!」

 涙と鼻水でグジョグジョになった鬼気迫る顔でブラックが叫ぶ。

 ぺろぺろと詩織の足を舐めながらの懇願。

 殺してくださいと。これ以上痛めつけるのは止めてくださいという必死のお願い。そこに一匹狼のプライドなんてどこにもなかった。

「よくできました」

 ぐりぐり、と。

 詩織がブラックの顔面を踏み潰しながら言う。

「まあ、これだけやれば弟に対する暴力も許してあげてもいいですよ」

「あ、ありがとうごじゃいましゅうう」

「よかったですね、わたしが優しくて」

「あひいいんッ! あひいいいんッ!」

「今からおまえのこと、おっぱいで殺してあげます」

 ニンマリと詩織が嗤う。

「殺してもらえて嬉しいですか?」

「はひいッ! 嬉しいでしゅッ!」

「なら、お礼を言え」

「ありがとうございますううッ!」

「なにが?」

「殺してくれてありがとうですうううッ! ありがとうございましたああああッ!」

 涙をぽろぽろ流しながらの絶叫。

 そこまで追い込んで、詩織はようやく満足したらしい。

「ふふっ」

 ブラックの顔面を踏み潰しながら、詩織がレッドたちを流し目で見つめる。

 勝ち誇った愉悦の表情。妖艶な瞳がレッドたちを鑑賞する。仲間が殺される直前になっても男たちが体を輝かせているのを見て、詩織が「ふっ」と鼻で笑った。準備は整ってしまったのだ。おっぱいによる処刑が始まる。

「ふふっ、かる~い」

 詩織が片手でブラックの左足首を掴んだ。

 そのまま軽い荷物でも扱うように、ひょいっと持ち上げてしまう。

 逆さ吊りにされたブラックがじたばたと暴れる。右腕と右足は完全吸収されてしまったので、ブラックの体には左腕と左足しか残っていなかった。その残された左腕と左足をジタバタさせて逆さ吊りにされた姿はあまりにも惨めだった。

「は~い、人間の躍り食いで~す」

 ブラックの体が上空にむかって放り投げられた。

 くるっと一回転した男の体が足から地面にむかって落ちてくる。けれどブラックが地面を踏みしめることは二度となかった。男の体が落ちる先には―――ぱっくりとひらかれた詩織の爆乳があった。

「はい、ぱっくん」

「ひいいいいいいッ!」

 ブラックの左足がおっぱいで食べられた。

 左足首からふくらはぎの下半分が、詩織の爆乳によって丸飲みされてしまった。巨大乳房に挟まれた左足を支点としてブラックの体が倒れ、再び逆さ吊りになっている。身長差からブラックの脳天は床についていない。床に倒れ込むこともできずに惨めにブラブラ揺れるだけ。両手で左右からおっぱいを寄せあげている詩織がニンマリと笑った。

「いただきま~す」

 ぎゅうううううッ!

 バッギベイイッツ!

「あああああああッ!」

 そして捕食が開始された。

 おっぱいで潰しているだけではない。

 おっぱいが人間の体を喰っていく。

 その証拠にブラックの体が少しづつ詩織のおっぱいに引きずりこまれていった。

「よいしょっ、よいしょっ」

 かわいらしい詩織の声が響く。

 その声にあわせておっぱいを持ち上げて、獲物を爆乳の口に引きずりこんでいく。

 ブラックのふくらはぎが丸呑みにされ―――膝が砕かれ―――太ももまで引きずりこまれる。

 捕食は終わらない。

 獲物を丸飲みしていく。

 バカデカい乳肉と乳肉が、大迫力でブラックの腰を丸飲みにした。バギバギッという音が響く。腰まで食べられ、上半身を残すだけになったブラックが、必死に暴れている。

「ひいいいいッ! たずげでえええッ!」

 じたばたと無駄な抵抗をしていくブラック。

 おっぱいに丸呑みされてムシャムシャと食べられながら暴れていく。残された左腕をバタバタさせて、首を必死に動かしていく。けれど詩織の爆乳は獲物の抵抗なんて完全に無視して食事を続けるだけだった。それはまさしく人間の躍り食いだった。

「活きがいいね~」

 笑いながら詩織のおっぱいが食べていく。

 規格外の爆乳が男の体を砕き、捕食し、一瞬にして消化してしまう。ブラックの肉体が魔力に変換され、吸収されていく。男の生命エネルギーそのものを捕食するたびに、詩織の女体に魔力があふれかえっていった。

「んふっ、おまえの命そのものが魔力に変換されて吸収されていきます」

「ひいいいいいッ! あひいいいいいッ!」

「おまえの体、とってもおいしいですよ?」

「ひっぎいいッ! た、たじゅげでえッ!」

「よかったですね、ザコでもわたしと一つになれて。おまえの魔力はわたしが全部使ってあげますからね」

「ひゃだああああああッ!」

 どんなに泣き叫んでも捕食は終わらない。

 腰から腹。

 腹から胸。

 そして暴れていた左腕もぱっくんと丸呑みして、ベギバギと砕いて食べてしまう。

 残ったのはブラックの頭部だけだった。

 首までがっちりと捕食され、爆乳の谷間から生えているような格好になった生首死体。それでもブラックには意識があるのだから残酷だった。今もまだ虚ろな表情を浮かべ、「あひんあひん」と悶えては最後の時を待っている。

「ふふっ、かわいそうですね。これでも死ねないんですから」

 詩織が笑いながら言う。

「わたしの体の中で、おまえの生命活動に必要不可欠な機能だけは残してあげてますからね。これだけ食べられても死ねません。ふふっ、まあ、頭を全部グシャリとすればさすがに死にますけどね」

 頭部を残すだけになった獲物との会話。

 詩織が生首との会話をじっくり楽しんだ後、終わりにすることにしたらしい。

「それでは頭も捕食しますね?」

「あひんッ!」

「ふふっ、最後は趣向をこらしてみましょうか」

 嗤う。

 獰猛なサディストの笑顔。

 間髪いれずにおっぱいが獲物の頭部を丸飲みする。そのまま捕食した獲物の頭部をぐるりと一回転させて、顔面だけがおっぱいの谷間から露出しているような格好にさせた。その狙いは明らかだった。

「ほ~ら、レッドさん見えますか? こいつの体、ぜ~んぶわたしのおっぱいに食べられて、残ったのは首から上だけになりました」

 呆然とたたずむレッドに近づき詩織が見せつける。

 身をかがめて、おっぱいをレッドの眼前に突きつける。その巨大な乳肉と乳肉の間にはブラックの顔面がムギュウウッと挟まれていた。うつろなまなざしを浮かべて、惨めな顔面をさらした仲間の姿がレッドの視界に飛びこんでくる。孤高の存在だったブラックが「あ、あ、あ、あ」と悶えながら、惨めにもおっぱいに丸呑みされていた。

「ほらレッドさん、最後のお別れをしてください」

「あ、あ、、あああ」

「これが今生の別れですよ? これからブラックさんは残った首から上もおっぱいで食べられて息の根をとめられてしまいます。レッドさんが夢中になっているわたしの大きなおっぱいで殺されてしまうんです」

「ひ、ひいいいいッ」

 レッドは悶えるだけだ。

 恐怖の対象であるはずの大きなおっぱいを凝視して、それでも体を輝かせて魔力を生み出してしまっている。それはイエローも同じだった。新魔王が人間を捕食している光景を見せつけられて、男たちが興奮していた。

「ふっ、ザ~~~~コ」

 バカにしたように笑顔。

 詩織は特に名残惜しそうにすることもなく、ごく淡々と、最後に残された食材の一切れを口にした。

「ぱっくん」

 ぎゅううううううッ!

 ベギバギベギイイッ!

 レッドの眼前でブラックが潰れた。

 左右から柔らかそうな乳肉があふれかえって、獲物の頭部を潰してしまった。

 乳肉と乳肉が寄せあげられてギチギチと鳴っている。ブラックの顔面がおっぱいに潰され見えなくなる。血液も脳漿も飛び散ることはなかった。ブラックの体液すら魔力に変換され、すべて詩織のおっぱいが吸収してしまったのだ。ブラックが存在していた痕跡が分かるのは、ただ、

「ん、これは邪魔ですね」

 おっぱいの谷間から異物が吐き出される。

 ブラックの変身ベルト。その異物だけが綺麗におっぱいから飛び出てくる。本当におっぱいが生きているように見えた。今にもおっぱいがゲップでもしそうな禍々しさ。レッドとイエローは、足下に転がったブラックの変身ベルトをただ茫然と見つめることしかできない様子だった。



 *



「ごちそうさまでした」

 詩織がにっこりと笑った。

「レッドさんのお仲間、とってもおいしかったです」

「あ、ああ、あああ」

「種も仕掛けもありませんよ? ほら、おっぱいの谷間の中にも何も残っていないでしょ?」

 くぱああああッ!

 詩織がおっぱいの谷間を開いてやる。そこには肉片どころか血液一つ付着していなかった。ブラックの肉体だけが消えている。目の前のおっぱいに食べられてしまったのだ。それがレッドにも分かった。

「ぜ~んぶ、おっぱいで食べちゃいました」

「ひ、ひいいいいいッ!」

「レッドさんたちのことも、食べようと思えばすぐに食べれてしまうんですからね」

「ひゃ、ひゃだああッ!」

「ふふっ、おとなしく言うことを聞かなければ容赦なく捕食しますから、そのつもりでいてください」

 ガチガチと震えるレッドたち。

 恐怖に溺れた男たちにむかって、聖母みたいな笑顔を浮かべた詩織が言う。

「これからみなさんには練習台になってもらいます」

「あひんッ」

「とりあえず、わたしからの呼び出しにはすぐに応じること」

「ひいいッ」

「わたしが来いって言ったら10分以内に来なさい」

「あああッ」

「いいですね?」

「「は、はひいいッ! 分かりましたあッ!」」

 男たちはもはや従順に従うのみだった。

 詩織がくすりと笑って続ける。

「ブラックさんの体を吸収してあなたたちの情報もぜんぶ把握しました」

「ひいいんッ!」

「当然、基地の位置も分かっていますから、ね?」

 ニンマリと笑う少女。

 もう逃げられないのだ。レッドとイエローが絶望の表情を浮かべた。

「ふふっ、それにしてもレッドさんの妹さん、かわいいですね」

「あ、ああ、ああ、」

「おっぱいも大きいですし、それに・・・・・・ふふっ、有望そうです」

 何かを思案している様子の詩織。

 そんな彼女にむかってなけなしの勇気を振り絞ってレッドが、

「あ、あ、あ、ひ、比奈には手を出すな!」

 言った。

 ガクガクと震えながらそれでも詩織に立ち向かおうとする。妹だけは守らないとという一念がレッドに勇気を与えているのだ。そんな情けなくも立ち向かってきたレッドを見つめて、詩織が笑う。

「安心してください。妹さんを人質にとろうとか、そんな卑怯なことは考えてませんから」

「う」

「それに、今回の人質作戦はぜんぶブラックさんの発案なんでしょ? レッドさんは最後まで反対していたじゃないですか。そういう正義感の強い人、わたしは好きですよ? ま、そっちのザコはブラックさんの作戦を支持してたみたいですけどね」

 まるでゴミクズでも見下ろすような視線がイエローを貫く。

 ふっと詩織が鼻で笑った。

「とにかく、これからレッドさんたちには練習台になってもらいます」

「ひいんんッ」

「たあっぷり、あなたたちのこと使ってあげますよ。ふふっ、楽しみですね」

 妖艶な笑顔で笑う詩織。

 少女からの見下ろしを受けて、レッドとイエローはいつまでも震えたままだった。


つづく