「千鶴ちゃんは裏切れない」


 町田が言った。

 決死の覚悟で、背後の恐ろしいサキュバスに対して、宣言した。


「ぼくは、千鶴ちゃんが好きだ!」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「だから、僕は、千鶴ちゃんのことは裏切れ、ヒッギャアアッ!!」


 町田の言葉は優子の乳首責めで途切れた。

 町田の背後。

 そこには、ニコニコと怒り笑う、恐ろしい少女がいた。


「まだ足りなかったみたいですね。わたしったら、焦りすぎてたみたいです」


 優子が言う。

 ぐりぐりと町田の乳首を愛撫し、強制雌イキ絶頂をさせながら、優子が町田の耳元で囁き始める。


「先輩が我慢できるわけないんです。これまで、わたしは一生懸命、練習してきたんですから。この人間椅子をやって、墜ちない男の子なんていないんです。いちゃだめなんです」

「ひゃだあああ・・・・もう乳首ひゃだああああ・・・・・助けてえええ、助けてえええ」

「先輩も、はやく墜ちたほうが身のためですよ。本当に、死んでしまいますから。もっともっと、気持ちよくさせちゃいます」

「やみぇへええええ・・・・・・助けてええええ、助けてええええ」

「連続絶頂、イかせちゃいますね♪」


 カリカリと乳首に優子の指が襲いかかる。

 かと思うと、その哀れな突起を摘んで、ブルブルと小刻みに振動をして、それを永遠に繰り返す。

 町田はそのたびに体をビクンビクンと痙攣させて、命の危険のあるレベルまで雌イキする。

 ガクンガクンと、死刑囚が電気ショックのための椅子で処刑されているかのように、町田の体が痙攣する。

 死刑台。

 優子の柔らかい人間椅子は、まさしく電気ショックの死刑台だった。


「たすけてええ・・・・・たすけてえええええ・・・・・・・・千鶴ちゃあああんん」


 町田が千鶴の名前を呼び始める。

 無意識に、思いを寄せている少女の名前を連呼していく。


「千鶴ちゃあああんん、千鶴ちゃああんんん、千鶴ちゃんんん」

「うるさいですよ、先輩」

「たすけてええええ・・・・・千鶴ちゃあんんん・・・・・・たすけてええ・・・・・たすけてええええ」

「黙ってください」

「むぐうううッッ!!」


 優子が背後から片手で、町田の口元を抑えた。

 声が漏れないように、強引に黙らせる。

 片手で乳首を虐めながら、羽交い締めにして処刑を続ける。


(千鶴ちゃあああん、千鶴ちゃああんん)


 それでも町田は千鶴の名前を呼ぶのをやめなかった。

 彼女のことを必死に考える。

 大好きな女の子。

 自分が初めて調教された女の子。

 彼女の姿を必死に思い出しながら、町田は千鶴の名前をひたすらに呼んだ。

 何がなんだか分からなかった。快感に頭は壊され、もはや思考一つまとまることはない。それでも町田の脳裏の中では一人の少女が優しく微笑んでいた。彼女のことが好きなのだ。その思いは決して裏切ることができないものだった。

 町田は死ぬかもしれないと思いながら、千鶴の名前を呼び続けた。羽交い絞めにされ、声も出せない状態で、必死に千鶴を求め続けていった。

 そんな希望が届いたのかどうか。

 部室のドアが開かれた。


「なにしてるのかな」


 冷たい声が部室の中に響いた。

 誰もが、そちらに振り返った。

 そこには、冷たく町田たちのことを見つめる千鶴がいた。


「ねえ、なにしてるのかって、聞いているんだけど」


 その冷たい声色に、部室中が静まりかえった。

 誰もが口を開くことができない中、ゆっくりと千鶴が町田たちに近づいていく。


「ち、千鶴先輩、帰ってくるのはまだ先のはずじゃ」

「その予定だったんだけどね。なんだか嫌な予感がして早めに帰ることにしたんだよ。なんだか嫌な予感がしたんだ」


 千鶴が優子の目の前まできた。

 町田はもはや息も絶え絶えで、千鶴がやってきたことにすら気づかず、それでも必死に千鶴の名前を呼び続けていた。


「ねえ、いつまで人の物に抱きついてるのかな」


 千鶴が冷たく言った。

 完全に怒っている。

 ここまで怒り狂っている千鶴を見るのは初めてで、1年生の女子部員はしーんと静まりかえっていた。


「す、すみません」


 優子が言って、町田を解放する。

 どさっと地面に落ちそうになった町田。

 千鶴がそれを真正面から受け止め、そのまま町田のことをお姫様抱っこしてしまった。


「とりあえず、今日はもう帰るから。明日、詳しい話しをしてもらうからね」


 千鶴が言った。

 優子と彩華を重点的に睨みつけてから、千鶴がそのまま、部室を出て行こうとする。

 町田はおぼろげな意識の中で、小さな声で、ひたすら千鶴の名前を呼び続けていた。


「それじゃあ、また明日」


 ドアが閉まって、静寂が訪れた。

 部室の中には1年生の女子ソフト部員たちだけが残された。

つづく