「僕のご主人様は彩華様だけです」

 言った。

 町田は言った。

 彩華は、にんまりと笑みを浮かべて言った。


「それだけ?」

「増田千鶴なんて大嫌いです。顔も見たくありません」


 町田は自然とそう言っていた。

 既に、彼の頭の中には、千鶴の姿はなかった。

 存在するのは、新しいご主人様。

 絶対無敵の女王様。

 井上彩華への忠誠心だけだった。


「ぷ、ぷぷぷっ」


 彩華が満足そうに笑った。

 彼女はとてもうれしそうに、滑稽そうに、見下すように笑っていた。


「はい、奴隷化完了♪」


 彩華が言った。


「千鶴先輩のことが大好きだったのに、下級生の女の子の暴力に負けて屈服しちゃいました〜」


 ふふっと笑って、


「いいわよ。あんたを私の奴隷にしてあげる」


 楽しそうに、残酷に、


「私、飽きた玩具はちゃんと壊して捨てるタイプだから。せいぜい、がんばって私を楽しませることね」


 それじゃあさっそくと、彩華は、


「奴隷になってから初めての気絶、私の脚で味わいなさい」


 彩華の見事な太股が、またしても力をもっていく。

 ぎゅううっと絞めあげられる町田の首。

 彼は、酸欠になって顔をどす黒く染めながら、恍惚とした表情を浮かべ始めていた。

 自分のご主人様に、すべてを任せる・・・・自分の命すらも任せてしまう解放感。

 それを感じながら町田は、もう何度目になるかわからないまま、意識を失った。

 こうして、町田の初恋は終わり、奴隷としての短い人生を送ることになったのだった。


 ・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・

 ・・・


 時は流れて。

 町田は彩華の奴隷として日々の生活を送っていた。

 彩華の玩具として、日々虐められる毎日。

 新学期となり、授業中に彩華の椅子となったり、

 脚が汚れれば、当然、ほかの生徒が見ている前で舐めてきれいにしたり、

 彩華の密壷をひたすら舐めるクンニ奴隷として生きていったり。

 町田は、ひたすらに、ご主人様に、彩華に仕えた。

 しかし、それもすぐに終わりになった。

 彩華は、だんだんと町田に飽きていった。

 最初から、千鶴の物という程度にしか町田の価値を見いだしていなかった彩華にとって、千鶴への忠誠心を奪い取った時点で、すでに町田での遊びは終了していたのだった。

 そして、ついにその日が訪れる。

 町田にとっての最後の日。
 
 男性を失う日。

 その日も、部室で行われた。


「潰してくだしゃいいいい!! 僕の金玉潰してえええええ!!」


 町田が彩華の太股の中で叫んだ。

 彩華は仁王立ちのまま、町田の頭部を太股で挟み込み、そのまま絞めあげ続けてきたのだった。

 町田は、地面に膝をつき、四つん這いの格好のまま、頭部を彩華の太股に捕食されてしまっている。

 手を腰にやり、にやにや笑いながら、ここ数ヶ月でさらに美しさと、肉体の成長を見せている彩華が言葉を放った。


「いいの? ほんとに潰すけど」

「いいでひゅうううう!! 金玉潰してくだひゃああああいいい!!」

「男じゃなくなっちゃうよ? ほんとにいいの?」

「潰ちてえええ!! 脚に力こめちゃやだあああ!! なんでもいいから脚だけはやめへえええ!!」


 今日既に100回以上、彩華の太股で気絶してきた町田は既に限界だった。

 正気を失ってしまっている。

 この地獄から解放されるならば、どんなことだって受け入れる。

 そう思いこませるまで、彩華は徹底的に町田のことを追い込んだのだった。

 かつての男子ソフト部部長と同じく、

 自らの男性の象徴を、潰してくれと、年下の女の子に懇願するまで、

 町田は徹底的に、彩華に調教されてしまっていた。


「あははっ、さいこー」


 彩華が言った。

 彼女は本当にうれしそうだった。

 早速というように、彩華が最後の仕上げをしようとする。

 そのとき、部室のドアがあいた。

 現れたのは、町田のかつての思い人だった。


「あ、千鶴先輩。忘れ物ですか?」


 彩華が、仁王立ちで太股に町田を挟んだまま言った。

 千鶴。

 増田千鶴。

 少し、髪が伸びた。

 どことなく大人の色っぽさがあって、そこに町田は、彩華への奴隷宣言をしてからの時間の経過に思いを馳せないわけにはいなかった。

 教室でも、ほとんど話をしなくなった彼女。

 無視されるというわけではない。ただのクラスメイトという一線が、明確に彼女と自分との間には引かれてしまったのだ。

 そう、今も。

 千鶴は、彩華の太股で絞めあげられている町田を、なんでもない日常を見るかのように見てから、彩華の言葉に答えた。


「うん。この後、ホテルで可愛がってあげるための道具。優子ちゃんにもらったやつ、部室に忘れちゃってさ」

「ホテルって、ああ、言ってた社会人の彼氏さんでしたっけ?」

「そうだよ。今日は朝まで、たあっぷり犯してあげるんだー。前立腺をひたすら虐めて〜、あんあん喘がしちゃう」


 千鶴がほがらかに言った。

 その天真爛漫な様子。

 かつての自分が好きだった女性。

 もしかしたら、自分が千鶴の彼氏になっていたかもしれない。そんなあり得た未来を思って、町田は、すがるように千鶴を見つめた。

 しかし、


「あ、千鶴先輩。今からこいつの潰しますけど。先輩もどうですか?」

「え? 町田くんのを?」


 千鶴が、思い出したかのように、町田の汚らしく汚れた顔を見下ろした。

 彩華の脚に挟まれ、どす黒く変色した町田の顔。

 それをちらっとだけ見ると、千鶴は、言った。


「私はいいよ。彩華ちゃん達で楽しんで」

「そうですか?」

「うん。それにしても、町田くんで遊び終わるのずいぶん早かったねー」


 なんでもない言葉。

 既に心にとどめてさえいない。千鶴の心の中に、自分の存在は既に何もない。

 町田は絶望と共に、千鶴の言葉を聞いた。


「じゃあ、わたし行くね」


 千鶴が部室から去っていく。

 バタンとドアが閉まる音がして、姿が見えなくなった。

 一瞬の静寂。それが永遠にも感じられた。


「潰してえええええ!!」


 町田が絶叫した。

 その目には涙があった。


「はやく潰してくだしゃああああいいい!」


 彩華は、すべてを見透かすように、ふふっと笑った。

 そして、


「電気アンマで潰してあげる」


 彩華は町田の両足をつかんで拘束し、右脚を町田の股間にあてがった。

 むっちりとしたその脚線美が、嫌がおうにも強調される。


「潰れろ!」


 べっぎいいいいいい!!


「gkfskjぎおhzp!!」


 声にならない絶叫。

 彩華の脚がドスンドスンと、連続で町田の股間に襲いかかる。

 すぐに、町田は白目をむいて痙攣し、意識を失う。

 しかし、次の瞬間には激痛のあまり意識を取り戻して、絶叫をあげ、そして意識を失う。

 口から吐寫物が噴水のようにあがり、体をバウンドさせながら痙攣する町田の姿に周囲からは爆笑があがった。


「千鶴先輩に忠誠を誓っておけば、こんなことにならなかったのにね」


 彩華が町田を潰しながら言った。


「所詮あんたも、ほかの男と同じ、いくじなしで、性欲でしか考えられないバカな男だったってこと」

 
 彩華は、ぷぷぷっと笑って、


「ばいばい、先輩」


 ドスウウウウンンン!!


「dskjmgこsgmskgmlっぎゃあああああ!!」


 ビクンビクンビクン!!

 ビクビクビクビンン!!


 最後に踏んで、すべてがおわった。

 町田は激痛の中に罪悪感を感じながら、すべてが終わってしまったことを感じていた。

 彩華に見下ろされて、ぼろ雑巾みたいにズタボロにされて、終わっていってしまう自分の男としての人生。

 絶対の忠誠を誓っていたはずの彩華の姿は見えなくなっていた、

 町田の脳裏には、なぜか千鶴の姿だけが遠くに見えるだけだった。

 こうして、町田は奴隷としての短い人生を終えた。

 あとには、少女たちの嘲笑だけが残された。

 彩華BADエンド(完)