娘は怯える私のことを笑顔で見下ろしていた。
彼女は、くすっと笑うと言葉を続けた。
「その前に、お父さんには選択してもらおうかな」
娘の言葉。
女性の・・・・・
女王様の言葉。
私は、予定調和の中、半ば予測し、無意識に期待していた言葉を聞いた。
「一つは、このまま懲罰を執行する選択肢だね。これを選ぶと、お父さんは私に殺されます。今までみたいに生ぬるい殺され方ですむと思わないでね。たっぷり1週間くらいかけて、じっくり殺し尽くしてあげる」
娘が恍惚とした表情で言った。
娘はそれでもいいのだ。
私を懲罰にかけるということになっても、娘は満足を得ることができる。
自分の実の父親のことを、残酷に殺すことに喜びを感じる女性。
私は、ますます目の前の女性に、畏怖と崇拝を強めていった。
「それが嫌だったら、もう一つの選択肢があるよ」
娘はそこで言葉を切った。
じっくりと娘が私のことを見下ろす。
まるで、これからの未来を考えて悦びに浸っているように思えた。
「私の、奴隷になるの」
笑顔の娘が続けた。
「お父さんは実の娘の奴隷になるんだよ。首輪をつけて、私にすべての権利を握られるの。お父さんは、私の物になるんだ」
娘が嬉しそうに言った。
「もちろん、ちゃんとした奴隷として扱うからね。父親だからって、手加減はしないよ。朝は私の体を清めさせるし、学校にも連れていって、クッションにする。椅子がなかったら人間椅子になってもらうし、足が汚れたら舐めて綺麗にしてもらう。ヒマだなーと思ったら虐めて遊ぶし、もちろん、日頃の調教もきちんと念入りにやります」
ニコっと、純粋無垢な笑顔を娘は浮かべた。
すべてを見透かすような笑みだった。
娘は、私のことを見下ろしながら言った。
「どう、お父さん?」
私は、ぼんやりとした意識の中で娘のことを見上げていた。
その見事なプロポーション。
美しさと妖艶さを兼ね備えた完璧な女性。
私の可愛い可愛い実の娘。
彼女は可憐でありながら、男を圧倒する能力をもっている。
腕力でさえ、私は娘に敵わない。
娘が本気になれば、私なんてすぐに殺されてしまうだろう。
その絶望感。
どうしようもないほどの力の違い。
抵抗することなんて無駄なのだ。
男は女性に劣った存在なのである。
私は、今までしてきたことが、どうしようもなく無意味なことに思えてきた。
男性を解放し、元の平等だった頃の社会を取り戻すという私のアイデンティティが、脆くも崩れさっていくのを感じる。
実の娘に、私の全存在が否定されてしまったのだった。
「う、ああ・・・・」
嗚咽が漏れた。
娘への回答はすでに決まっていた。
それはおそらく、娘としても予測している回答なのだろう。
彼女は私のことを見下ろしながら、次のことを考えている。
私は、絶望と崇拝の気持ちを抱いたまま、その言葉を口にした。
「・・・・・・なります」
「ん、なにかな」
「奴隷に、なります」
言った。
言ってしまった。
体の中に屈辱と共に、恍惚としたものが沸き上がってくるのを感じた。
「誰の? 誰の奴隷になるの?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「返事」
バッギイイイ!!
「グボアアアエエ!!」
娘の脚が一線し、私のわき腹を蹴りあげる。
豪快な一撃。
しかし、それは限界まで手加減した蹴りなのだ。だからこそ、私は胃の中のものをすべて地面に吐き出すくらいですんでいた。
「お父さん、誰の奴隷になるの?」
娘が静かに尋ねる。
彼女の視線が私に突き刺さっていた。
わき腹に走る痛み。
それをもたらしたムチムチの脚がすぐ近くにある恐怖。
私は、恐慌状態に陥って言った。
「あ、あなたの・・・・あなたの奴隷になります!」
「あなたって・・・・・誰?」
「そ、それは・・・・・・・」
「もう一発、欲しい?」
すうっと、彼女の長い脚が上に伸びた。
かかと落としの動作。
ギロチンのような彼女の長い脚を見て、私は恐怖に陥った。
「舞衣様の! 舞衣様の奴隷にさせてください!」
娘の名前を、叫ぶ。
そこに父親としての威厳はなかった。
あるのはただ、女性に対する・・・・・・舞衣様に対する服従の念だけだった。
「よくできたね、お父さん」
娘が・・・・舞衣様が言った。
「それじゃあ、忠誠のポーズ、やってもらおうかな」
仁王立ちのまま、舞衣様が片足を前に差し出した。
私は地面にヒザをつき、その脚に両手をあてがった。
「・・・・・・失礼します」
そして、
静かに、
娘の黒いブーツに口づけをした。
じんわりと私の胸の中に何かが沸き上がっていった。
「ふふふ、最高の気分だよ、お父さん」
舞衣様が言った。
「これから、お父さんは私の奴隷だからね。お父さんは実の娘に、毎日毎日、調教されて、ご奉仕するの」
「・・・・・・・・・・」
「わかったのかな、お父さん」
口づけを継続したまま、私は言った。
「・・・・・・ふぁい」
「よろしい♪」
ベッギイイイッッ!!
舞衣の右足が降りおろされ、私の後頭部を潰した。
舞衣様の右脚に後頭部をグリグリと蹂躙されていく。
私の顔面は地面で潰され、後頭部の激痛に思わず意識を手放しかけた。
「ふふっ、まるで娘の私に土下座してるみたいだね、お父さん」
舞衣様が嬉しそうに言った。
本当に楽しそうな声だった。
「それじゃあ、まずは今回の件でお仕置きするからね。二度と女の子に反抗しようなんて思わないほど、徹底的に調教してあげる。手加減なんてしないからね♪」
こうして、私は娘の奴隷になった。
優しい、可愛らしい娘の奴隷。
実の娘に、凄惨な調教を受ける日々。
私の身も心もすべて娘に捧げられ、娘はそれを当然の権利のようにして行使する。
奴隷としての日々が、こうして始まったのだった。