奈津美と一緒に登校し、俺は今、教室の中で自分の席に座っていた。
教室には、すでにほとんどの生徒がそろっていた。
その光景は、圧巻なものがある。
俺が圧倒されたのは、男子の姿にではなかった。
女子生徒の姿に、俺は度肝をぬかれたのだ。
彼女たちは、俺たち男子より2歳年下なのである。
教室の中には、俺が昔、地区行事などで面倒を見たこともある下級生の女の子もいた。
小柄だったはずの彼女たち・・・・・・。
しかし、今、彼女たちは美しく変貌をとげていた。
まず、身長が高くなっている。
中には小柄な女性もいるけれど、ほとんどが男子よりも身長が高かった。
さらには、その体は大人っぽく成長していた。
胸がふくらみ、太股がスラっと伸びている。
男子とは雲泥の差だった。
何度も言うが、彼女たちは去年まで、2学年下の下級生だったのである。
それがちょっと見ない間にこれほどまでに成長してしまうとは・・・・・・。
奈津美の例は、あくまでも例外ではないという事実を思い知らされるようだった。
「あれ、ひょっとして翔くんですか?」
隣の席から声がした。
俺は、おもむろに首を横に向けてみた。
そこには、懐かしい顔があった。
「あれ? 千早じゃないか?」
隣の席には、小学生の頃、家が同じ地区にあった少女―――千早が座っていた。
たなびく長髪を背中までのばしている彼女。
大人びた様子の、身長の高い少女がそこにはいた。
当然ながら、彼女もまた俺の2歳年下だ。
俺は、去年まで集団登校のとき、千早の面倒をみてやっていたことを、なんのきなしに思い出していた。
「久しぶりだな。といっても3ヶ月くらいしかたってないけど」
「そうですね。ふふふ、3ヶ月しかたってないのに、久しぶりな気がしますね」
上品そうに言う千早だった。
小学生の頃から大人びた感じがあった彼女だが、身長が伸び、顔つきも変わった今となっては、深窓のお嬢様といった風貌に磨きがかかっている。
俺の目は、自然と千早のスラリと伸びた脚線美に釘付けになってしまった。
「ふふふ、じゃあ、さっそくですけど、やってもらいましょうか」
と、俺の視線に気づいているのかいないのか、千早が唐突に口を開いた。
「やってもらいましょうって・・・・・・何をだ?」
「決まってるじゃないですか」
千早は、言うとスウっと右足を前にだした。
椅子に座ったまま、俺に向かって足を差しだし、そして―――
「忠誠ですよ。ひざまずいて、私の足に忠誠のキスをしてください」
「え?」
「聞こえなかったんですか? 忠誠です」
ふふふ、と笑いながら千早が言った。
彼女の様子は、小学生の頃と同じように思えた。
上品そうに笑い、吸い込まれてしまいそうな大きな瞳をもって、千早が俺に言葉をむけてくる。
しかし、彼女が俺に要求しているのは、お茶の誘いでもなんでもないのだ。
足にキスをしろと。
ひざまずいて足にキスをしろと。
その男にとって屈辱になる行為を、千早はなんでもないように要求してきたのだ。
「う」
うめき声をあげたのは俺だった。
奈津美以外の人間の足にキスをする。
しかも、生徒がほとんど集まっている教室の中で、見知った元下級生の足に―――
一瞬だけ、反抗心が起こるのを感じた。
しかし、俺は奈津美の約束したことももちろん覚えているのだった。
俺は、
ゆっくりと、
ひざまずいて・・・・・・
「し、失礼します」
千早の足に手を添え、彼女に土下座するかのように、その足の甲にキスをした。
(・・・・・・く)
唇に、千早の上履きの感触が伝わる。
それとともに、千早の見下ろしてくる視線も感じた。
椅子に座っている女子生徒の足下にひざまずき、そしてその足にキスをするという屈辱・・・・・・
俺は、はやく許しがくるのを祈るばかりだった。
「はい、もういいですよ」
と、数分間後、唐突に千早が言った。
顔をあげて、千早を見上げるようにして見てみると、彼女は満足そうに俺のことを見下ろしていた。
「やっぱり翔くんはすごいですね。今朝から7人の男子に忠誠を要求していたんですけど、完璧にこなせたのは翔くんだけでしたよ」
「え?」
「この時期にその調教具合はすごいことなんですよ? 翔くんはとっても優秀です。あー、奈津美ちゃんはいいですねー」
「・・・・・・・・」
「ふふふ、残念です。奈津美ちゃんがいなければ、私が翔くんの調教してたんですけどね」
そう笑ってから、千早は忙しそうに席をたって、ほかの男子に忠誠を求めに行った。
教室中で、千早と同じく、女子の全員が男子に忠誠を要求しているようだった。
2歳年上の男子生徒たちに、女子たちは物怖じすることなく、「自分の足下にはいつくばって、足にキスをしろ」と要求していた。
俺もその例に漏れず、10人以上の女子に忠誠を要求された。
屈辱感はもちろんあった。
しかし、俺はなんとか反抗心をださずに、それにすべて従っていった。
休み時間になるたびに、女子たちの足にキスをし続けた俺。
周りからは男子の冷やかしの言葉があったが、俺は最後まで奈津美との約束を守り通したのだった。
●●●
一緒に昼食を食べよう、という奈津美の誘いを受けて、俺は奈津美と一緒に中庭のテラスに座っていた。
中庭は昼食を食べる生徒たちでいっぱいだったが、そのすべてを収容できるほどに中庭の設備は素晴らしかった。
白を基調としたシンプルなデザインのテーブルと椅子が、均整とれて並んでいる。
どこぞの喫茶店かという具合のその光景に驚きながら、俺は奈津美と一緒に、4人掛けのテーブルに昼食を広げていた。
「はい、いっぱいつくったから、どんどん食べてね?」
満面の笑みで奈津美が言う。
その言葉どおり、目の前には奈津美の手作りの弁当箱が所狭しと並んでいた。
「なんか悪いな。俺の分までつくってもらっちゃって」
「そんなの気にしないでよ。これから、奈津美と翔ちゃんは一緒に住むんだから。これくらいは当然だよ」
嬉しそうに笑う奈津美を見て、俺もなんだか嬉しくなって、パクパクとテーブルに広げられた弁当をつまんでいく。
そのすべてが、どれもこれも、すさまじくうまかった。
子供の頃から料理が好きだった奈津美だったが、ここにきてさらにその腕をあげたようである。
「めちゃくちゃうまい。とにかくうまい」
「ほんと?」
「ああ、すごいなコレは」
率直な感想を述べると、奈津美も嬉しそうに笑いながら弁当をつまんでいった。
奈津美は、とても幸せそうな様子だった。
その様子からは、とても男子に対して、調教という名の暴力を行うようには思えなかった。
小学生の頃と同じような、気が弱い、消極的だった頃の奈津美に戻ったような気がする。
しかし、それは違うのだ。
今の奈津美は、小学生の頃の彼女とはまったく違う。
体も健康的になったし、なによりも、男子をはるかに凌駕する怪力をもっている。
そして、それは奈津美だけではなく他の女子全員に共通したことなのだった。
それが、午前中の女子たちの行為の一端を物語っている。
俺は、午前中の出来事を思い返してみるに、奈津美に対して口を開いていた。
「それにしても、驚いたよ」
「ん? なにがかな、翔ちゃん」
「いや、女子の一連の行動っていうかさ・・・・・・忠誠ってやつ? それをこんなに要求されるとは思ってなくてさ」
少なくても俺は、20回は忠誠を行ったと思う。
2歳年下の同級生たちの前にひざまづいて、その足にキスをし続けてきた。
それはとても苛烈で、厳しすぎるように思えるのだが、
「なんだ、そんなこと?」
と、奈津美は言った。
「あのね、翔ちゃん。今日のなんか、ぜんぜん大したことないんだよ?」
「大したことない?」
「そう。だって、今の段階ではまだ忠誠だけしか要求されないでしょ? 新入生の男子にはまだ刺激が強すぎるから、それ以上は調教しちゃダメって言われてるんだよ。大変なのは、これからだと思うよ?」
「大変って・・・・・・忠誠以上に、もっとひどいことがあるのか?」
俺の動揺に呆れるように、奈津美は当たり前だよ、と首肯した。
「忠誠は男子にとってのあいさつみたいなものだもん。男の子にはこれから、女の子に失礼のないように、いっぱいたくさんのことを学ばないといけないんだよ。たとえばね―――」
言葉を切ると、奈津美は近くを通りかかった男子生徒を呼び止めた。
その男子のネクタイは俺のとは違う緑色で、彼が2学年上の3年生の男子だということがすぐにわかる。
しかし、奈津美は物怖じするどころか、逆に高圧的な態度で、
「ひざまずいて」
と、端的に命令した。
その命令を受けた上級生の男は、「は、はい」と怯えながら返答すると、即座に膝を地面に着け、頭を下げた。
椅子に座った奈津美と、その足下にひざまずいた上級生の男子。
奈津美は、男の行動の子細を観察し終わると、その上級生のことを無視するように、俺の方に顔を向けて口を開いた。
「翔ちゃん、いい? ちゃんと見ておくんだよ?」
「あ、ああ」
「じゃあ、とりあえず”お掃除”してもらおうかな」
言うと、ひざまずいた男子が即座に動いた。
上級生は、うやうやしく奈津美の足を手にとる。
そして、上履きの足裏に顔をよせると、
「失礼します」
と言いながら、大きく舌をだして、奈津美の上履きの足裏を舐め始めた。
ペロペロと・・・・・・。
丁寧に、上級生の男が奈津美の上履きの裏を舐め続けている。
「な、なにをやって・・・・・・」
「これが”お掃除”だよ。女の子の上履きを綺麗にするの。いくら気をつけても、上履きの裏だけはどうしても汚れちゃうからね」
奈津美は、上級生の男の行為に、とくに何も思っていないようだった。
男の行動を見て侮蔑的な視線をおくるようなことはなく、それに満足している様子もなく、ただ事務的な態度で、上履きの裏を舐めさせ続けているようである。
「・・・ジュジュウ! じゅるじゅる」
「・・・・・・」
「ジュウウウ! じゅば、ジュジュ」
淡々と見下ろされてくる奈津美の視線を受けて、男は丁寧に上履きを舐めていった。
舌をめいいっぱい出して、上履きのカカトからつま先にかけてを、ベロリと舐める。
かと思うと、汚れている箇所を重点的に、舌を連続して上下させ、舐めとっていく。
そこには、男のプライドなんて微塵もなかった。
下級生のはずの奈津美の上履きを、上級生の男子は熱心に舐めていた。
「な、奈津美」
「ん? どうしたの翔ちゃん」
「いや、だ、だって・・・・その人、上級生だろう? いいのかよ、そんなことさせて」
俺の言葉に、奈津美はキョトンとした瞳を浮かべた。
翔ちゃんは何を言ってるんだろう、と視線だけでわかる表情を浮かべたあと、奈津美は唐突に気づいたように、足下で”お掃除”している男を見下ろすと、
「上級生って・・・・ああ、コレのこと?」
「コ、コレって」
「あのね、翔ちゃん。世間でも学校でも、年は関係なく、女の子は男の子より偉いんだよ?」
「年は関係なく?」
「そうだよ。男子は女子に比べて劣ってるからね。上級生だって、こういう扱いされてもしょうがないんだよ」
「・・・・・・」
「それに、これはこの人のためでもあるんだよ? しっかり調教して女性に対する態度を覚えておかないと、社会にでて苦労するのはこの人なんだもん」
さとすように言ってから、奈津美は上級生の男子に上履きを舐めさせたまま、昼食を再開した。
テーブルに広げた弁当箱からカラアゲを取り出して、おいしそうについばんでいく。
「どうしたの? 翔ちゃんもう食べないの?」
「え? あ、いや・・・・」
「早くしないとさめちゃうよ?」
「う、うん」
パクパクと、奈津美がハシをつけるのにならって、俺も昼食を再開した。
可愛らしい奈津美の表情には、昼食を楽しんでいる様子が如実に見て取れた。
ニコニコと笑い、俺にアレコレとおすすめの料理を教えてくれる。
その様子は、普段通りの奈津美に思えた。
しかし、そんな奈津美の足下には、上級生の男子が、奈津美の上履きを舐めているのである。
ペロペロと、
丁寧に、女の子の上履きの裏に舌をはわせて・・・・
そんな上級生の男を無視して、奈津美はおいしそうに弁当を食べているのだった。
「そういえば翔ちゃん、午前中はよく頑張ったね」
と、奈津美は、上級生の男を気にもとめていない様子で言った。
お掃除をしている男を無視して、奈津美は弁当を食べながら、完全に俺のほうへと向き直ってきていた。
「がんばったって・・・・・なにがだ?」
「忠誠のことだよ。奈津美と約束したこと、ちゃんと守ってくれたんだもんね」
「え、ああ・・・・」
「奈津美、嬉しいよ。その調子で、午後もちゃんと女子の命令には従ってね?」
「う、うん」
気のない返事をするしかない。
俺は、奈津美と・・・・その足下で奈津美の上履きを犬のように舐めている男を、キョロキョロと見つめることしかできなかった。
「ふふふ、やっぱり翔ちゃんは優秀だね。これだったら、放課後ひどいことされないですむよ」
「ひ、ひどいこと?」
「そうだよ。今日の放課後には・・・・・あ、ちょっとゴメンね、翔ちゃん」
言葉の途中で、奈津美はいきなり視線を横にやると、上級生のことを見下ろした。
椅子に座った奈津美が、地べたにひざまずき上履きを舐め続けてきた上級生を見下ろす。
そして、奈津美は上級生の男子に対して、言葉を振り下ろすようにして言った。
「ねえ。丁寧にやるのはいいけど、時間がかかりすぎじゃないかな?」
「ひ、ひい。す、すみま、」
「言い訳はしなくてもいいんだよ? とにかく、そんなんじゃお仕置きしなくちゃダメだよね」
「や、やめ、ちゃ、ちゃんとやりまヒッギャア!」
男の叫び声とともに、その上級生の体がいきなり引っ張られた。
有無を言わさない圧倒的な力。
それは、女の子にだけ備わった”能力”だった。
奈津美は、その能力をつかって、男の体を引っ張り、彼の体をふくらはぎをつかって挟み込んだ。
奈津美のカモシカのようなふくらはぎが、男のわき腹のあたりを挟み込む。
男の体は、奈津美の2本の足に挟み込まれて、身動き一つとれない様子だった。
「悲鳴をあげたら、もっとお仕置きするからね。3年生だったら、これくらい我慢できないとダメだよ」
「ゆる、ゆるして・・・・お願いします。お願い、」
「じゃあ、いくよ?」
よいしょ、という気の抜けるようなかけ声とともに、男にとっての地獄が始まった。
バギバギイイイ!!
ベギバキギギ!!
ベギ!! バギベギ!!
奈津美の足に力がこもり、男の体を潰していく。
奈津美のふくらぎには、女性特有の筋肉が浮かび上がっていた。
堅そうには見えないが、それでもたくましい筋肉が浮かび上がって、男の体を締め付けている。
男は必死に抵抗しているのだが、バタバタと体を暴れさせるだけで何もできていない。
それも当然だろう。
奈津美のふくらはぎは、その男の太股ぐらいはありそうな大きさなのだから。
まさしく大人と子供。
奈津美は、暴れる男を事務的な視線で見つめながら、大して力をいれていないような様子で、上級生の男を締めあげていった。
男の体が軋む音が、中庭に響き続けていた。
バギバギイイ!!
メキ! バキ! ベギイ!!
ベギベギベギイイイ!!
「・・・・カ、はあ・・・むむ」
「うん。叫び声はあげなかったね。じゃあ、もうちょっと我慢しようね」
それだけ言うと、奈津美はまた男を無視して、俺に向かい直った。
そして、上級生の男に対する態度とは一変し、ニコニコと笑顔になった。
奈津美は、男の体が潰れていく音が盛大に響く中、俺に対して口を開いた。
「ごめんね、翔ちゃん。昼食中に騒がしくしちゃって」
ベギバギバギ!!
バギベギベキイイッ!!
「あ、ああ・・・・・」
ベギイイイッ!!
バギ! ベギイイ!!
「調教は女の子の義務だから仕方ないけど、さすがに3年生の男子が”お掃除”もまともにできないとは思ってなかったの。ほんとうにごめんね?」
ベギバギベギイイッ!!
バギベギッッ!!
ベギイ!! ベギバギ!!
「い、いや・・・気にして、ないよ」
バギバギイイッッ!!
ベギベギバギイイッッ!!
バギベギッ!! ベギベギッ!!
「せっかく翔ちゃんと2人っきりの昼食だったのにね・・・・・・あとで、ちゃんと埋め合わせはするから」
バギベギベギイイッッ!!
バギ!! ベギ! メギイッ!!
ベギベギイイイッッ!!
上級生の男なんて歯牙にもかけずに、またしても奈津美は昼食を再開した。
そのふくらはぎには、男の体が挟み込まれている。
激痛にさいなまれ続けながら、手を口にやり、必死に叫び声をあげないように努力している姿。
そんな男の必死な努力なんて相手にせず、純粋に昼食を楽しんでいる様子の奈津美。
俺は、自分以外の男子―――しかも俺よりも年上の男子をいとも簡単に圧倒してしまう奈津美をみて、またしても恐怖を感じてしまった。
そのふくらはぎに挟み込まれ、締め付けられている男の姿は、将来の俺かもしれないのだ。
可愛らしい笑顔で昼食を楽しむ奈津美を前にして、俺は自分の持っているハシがカタカタとふるえるのを感じた。
「ア・・・ヒギ・・・・・」
気がつくと、上級生の男は、奈津美の脚の間で気を失っていた。
目が裏返り、口からはブクブクと泡を吐き出しながら、ビクビクと男の体が痙攣している。
しかし、奈津美はそれを無視して、昼食を楽しんでいた。
気絶した男の体が、奈津美の脚に挟み込まれたまま、陸にあげられた魚のようになっていた。
奈津美のふくらはぎは、貧欲に、気絶した男の体を軋ませたままである。
昼食が終わるまで、男の体が潰れていく音が途絶えることはなかった。
ベギイイ!!
バギバギバギ!!
ベッギイインッ!!
(続く)