日常の中で巳雪さんはあくまでも普段どおりだ。
せっせと家事をしてくれて、私の世話をしては楽しそうに笑っている。
あの哀しそうな……寂しそうな表情を浮かべることはない。
朝も熱烈に愛を訴えられ、はやく帰ってきてくださいと懇願される。その愛情はさらに深まっていくように感じられ、若干恐怖を覚えるほどだった。だからこそ、あの子種を搾り取った一瞬に浮かべる彼女の表情が忘れられない。
(本当に……どうしたんだろう?)
率直に巳雪さんの希望を聞いても否定される。
なんでも話し合いましょうと、そう決めたのに。
どうしたらいいか分からず、私は藁にもすがる思いで、郷田に相談することにした。
*
「バッカだなあ、おまえは」
郷田の開口一番の言葉がこれだった。
昼休み。多目的ルームで昼ご飯を食べながら巳雪さんのことを相談した。彼女には何か希望があり現状に不満があるのかもしれないこと。言葉で何度確認しても巳雪さんははぐらかすだけで正直に答えてくれないこと。それを相談したところ郷田の「バッカだなあ」である。私は少しムッとした。
「なにがだよ」
「おまえのすべて」
「はあ?」
なんで私がバカなのだ。
バカに言われると腹が立った。
「おまえ、正直に話せばなんでも解決するって思ってねえか?」
むしゃむしゃと菓子パンを頬ばりながら郷田が言う。
「なんでも話し合おうって決めたから? だからきちんと話し合えば、彼女も自分から不満を口にしてくれるって、そう思ってるんだろう」
「そ、そうだよ。話しあわないと、分からないだろう」
郷田がやれやれとため息をついた。
「言ってくれないと分からない男と、察して欲しい女ってね」
「は?」
「察して欲しいんだよ女ってのは。言葉じゃなくて、心を理解してほしいんだ。共感してもらいたいんだよ。そういうもんだろ?」
むしゃむしゃと郷田が菓子パンを頬ばる。
私は呆然としてしまった。
「だいたい、おまえ、本気で奥さんのこと考えて理解しようとしたのか?」
「あ、当たり前だ」
「本当に? 毎日仕事する時みたいに、真剣に、時間をかけて、傾向と対策を頭キリキリさせて何も考えられないくらいまで考え抜いたのか?」
「う」
痛いところをつかれたようで呻いてしまう。
確かに郷田の言うとおりだ。
私は巳雪さんに回答を求めるだけで、彼女の考えを推し量る努力を怠っていた。もっともっと真剣に、時間をかけて、巳雪さんの気持ちを考える必要がある。
「ありがとう、郷田」
「ま、気にするなよ」
「ああ。俺は体調が悪くなったから早退するよ」
弁当を急いで平らげる。
仕事も大事だが巳雪さんのほうがもっと大事だ。がんばれよ、と声をかけてくれた郷田にもう一度礼を言って、私はさっそく早退するための手続きをしに急いだ。
*
自宅近くの駅から3つほど前の駅で降りる。
適当な喫茶店に入って、購入したばかりのA4サイズのノートを広げる。バカでかい空間が目の前に広がって、考えるだけの容量が準備されている安心感を確保する。やはり真剣に考え事をするときにはパソコンよりも紙のノートとボールペンに限る。会社を早退したおかげで時間はたっぷりある。私は注文したコーヒーを一口飲んでからとりかかることにした。
(まずはファクトだ)
考える材料を準備する。
材料がないのに考えたって意味がない。これまで経験してきた事実を箇条書きでノートに書き殴っていく。
一 セックスをしている時に哀しそうな表情を浮かべた。複数回。
二 フェラチオで精子を奪った時に寂しそうな表情を浮かべた。直近のこと。
三 山の中で出会った最初のフェラチオでは悦んでいた。寂しそうな表情なし。
四 山の中の風呂場で私の精子を奪うことをやめて思いとどまった。その時は苦しそうな表情。
五 巳雪さんは男性の子種を活力に変える。食事はあまりとらない。栄養の吸収効率が低い? 反対に精液の吸収効率は高い。
六 巳雪さんは3回結婚している。
七 夫とはすべて死別。腹上死。
「う」
呻く。
巳雪さんの体を想像して、彼女から責められた体験を思い出してしまうとどうしようもない。私の肉棒は嫌でも勃起してしまって思考を奪う。
(男性の性を奪うために進化した肉体)
巳雪さんの体は人類の雄があらがうことができないほどの魅力をほこっている。そんな彼女に腰を振るわれたらひとたまりもないだろう。彼女の夫たちは皆、死んでしまった。セックスの最中で、ある意味、巳雪さんに絞り殺されてしまったのだ。
八 巳雪さんはサキュバス。
それを実感する。
彼女の自己評価の低さと、罪の意識はそこに由来するのだろう。自分が化け物だと思っている。これまで夫を絞り殺してきた罪悪感が、彼女の根底にへばりついるのだ。
九 巳雪さんは優しい。
彼女は化け物なんかじゃない。欲情して彼女の体を求めた男たちの死を今でも悔やんでいる。そういえば、私とも最初はセックスをすることを拒んでいた。ずっとずっと、セックスではない方法で、私は搾り取られていたのだ。
十 私からセックスをしようと希望した。それまで巳雪さんがセックスを希望することはなかった。
そういえばそうだ。
私からセックスを希望した。おそらく精液の効率的な採取という意味ではセックスが一番のはずだ。彼女の密壷の威力は常軌を逸している。吸収効率もそちらのほうが高いのではないか。それなのに彼女は自分からセックスを提案することはなかった。思えば、セックスを始めてからというもの、フェラチオや手コキは頻度が低くなり、セックスばかりしていた。
十一 セックスを始めてからはほとんどセックス。
そこで疑問に思う。
そういえば最初の頃はセックスをしても彼女が哀しそうな表情を浮かべることはなかった。というか、彼女が哀しそうな表情を浮かべるのは……、
十二 膣内で射精を受け止めた時に、巳雪さんは哀しそうな表情を浮かべる。
いつからだ。
最初の頃はそんなことはなかった。
あの獰猛な本能の塊みたいな情念のこもった瞳で、私のことをひたすらに搾り取っていたはずだ。射精しても射精しても許してもらえず、もっと寄越せと過激に腰を振ってきた。それが途中で変わったのだ。いつから、彼女は寂しそうな表情を浮かべるようになったのか…………思い出した。
十三 彼女が哀しそうな表情を浮かべるようになったのはラブホテルの時から。
何時間も犯され、
延長に延長を重ねたセックスの時間。
寸止め調教をされて射精を禁止されたまま何時間かが経過して、ようやく彼女の膣内に射精をしたときのこと。あの時、巳雪さんは確かに何かをしようとしていた。彼女の言葉を思い出す。
『……これだけやってもダメなんですね』
『これだけ死ぬ寸前まで追い込まれて、子孫を残そうと必死になった旦那様の子種ならば、もしかすると』
『……やっぱり、ダメでしたね』
「あ」
そこで思い至る。
その単純な気持ちをなぜ理解できなかったのか。
彼女の願いは明白だ。
そして、それはごく自然な生物の営みには必要不可欠なものだった。
「今からでも遅くないはずだ」
彼女の願い。
それは私の願いでもあった。
夫婦として、家族として、次のステップに進む。
私はA4サイズのノートをとじて、飲みかけだったコーヒーを飲んだ。すっかり冷めてしまっている。窓の外には帰宅を急ぐ勤め人たちの姿。もう帰宅の時間だ。私は自分の家へと足を進めた。
*
出迎えられて、ご飯を食べる。
今日も巳雪さんの料理はおいしい。
私たち夫婦は談笑しながら食事をとっていった。小食な彼女の前にはお供えものみたいに少量の食事が並べられている。私の前には大量の豪華な食事。ほうれん草のおしたしを口に運び、その大地の恵みを感じさせる新鮮な味に舌鼓をうつ。
「郷田とは大学時代からのつきあいなんですよ」
律儀にお中元をおくってきた郷田の話題になり、彼とのなりそめを巳雪さんに語っていく。
不真面目な郷田にノートを貸したりしているうちに交友が深まったこと。同じ会社に入社した時にはさすがに驚いたこと。そんな他愛のないことを話していく。
「まあ、そうなんですか」
「ええ、授業が一緒で、ペアになって課題をやったんです。それからなにかと馬があって、卒業までなんやかんやとずっと一緒でしたね」
巳雪さんが「ふふっ」と笑う。
人を優しくさせる笑顔。
彼女も郷田とのエピソードを楽しく聞いてくれていることが分かる。ああ、私は本当にこの人のことが好きだなあと、そんなことをまじまじと思った。
「巳雪さん」
食事を終え、箸をおく。
巳雪さんが「はい、なんでしょう」とニコニコしながら問いかけてくる。
私は言った。
「赤ちゃん、つくりましょう」
「え?」
「赤ちゃんです。子づくり、しませんか?」
伝えた。
彼女の希望。
私の願い。
それを正直に伝える。
ずっとずっと、彼女は私との子供が欲しかったのだ。何度も膣内で射精を受けていたのはそれが理由だ。「やっぱりダメでしたか」というのは、赤ん坊をさずかることができなかったという意味だった。彼女は射精を受けた時に受胎したかどうかが分かるのだろう。だからこそ、彼女は子供をさずかることができなくて、哀しそうな表情を浮かべていたのだ。
「そ、そんな」
巳雪さんが顔を歪めた。
顔を左右にブンブンと振る。まるで癇癪を起こした子供のように、目の前の巳雪さんは私の言葉を否定しようとしていた。
「ち、違います。わたし、そんなこと望んでいません」
「巳雪さん」
「違いますから。ごめんなさい。わたしのせいで……旦那様によけいなお気遣いを」
かたくなに否定する。
なぜそこまで否定するのかは分からない。
けれど彼女の気持ちは分かった。正解だったのだ。やはり巳雪さんは子供をつくりたいと、そう願っている。
「大変なんです。すごく、すごく大変で」
巳雪さんが泣く。
泣きながら頬を赤くして、涙とは正反対に喜んでいるのが分かる。
「旦那様に、すごく負担をかけてしまいます」
「大丈夫です」
「大変なんですよ? わたしみたいな化け物と子供をつくるためには、すごい負担を旦那様に」
「大丈夫ですよ」
「旦那様」
ついに言葉を続けられなくなった巳雪さん。
うるうるとした瞳で涙を流していく。私はそっと彼女の体を抱きしめた。
「あ」
硬直した彼女の体が、次の瞬間には弛緩する。
そしてなおも泣きながら、私の背中に両腕をまわしてくれた。二人の体が一つになるほど、私たち夫婦は強く抱きしめあった。
「幸せになりましょう」
「旦那様」
「二人だけじゃなく三人で。子供と一緒に幸せな家庭をつくりましょう」
巳雪さんと見つめ合う。
涙で濡れた顔も美しい。けれど彼女には笑顔のほうが似合っている。じいっと見つめていると、最後に涙を落としてから、巳雪さんの顔にパアアッと笑顔が咲いた。
「はい、旦那様」
頬を赤くしてとろけた瞳を浮かべながら、私のことを抱きしめてくる。
「わたし、旦那様の赤ちゃんが欲しいです」
正直な気持ち。
それが熱烈な感情となって伝わってくる。
ぎゅううっと抱きしめられ、至近距離から見つめられる。その怜悧な美貌が幸せそうにこちらを見つめてくるだけで、私は幸せな気分になった。
「愛しています、旦那様」
「わ、私も愛しています」
「旦那様……好き……」
唇が奪われる。
優しく、触れる程度のキス。
彼女の吐息が甘く感じられそれだけで私の体が陶酔してしまう。
「好きです……旦那様……好き……」
チュッ! ジュバアッ! ジュルッ!
「あひ……ひい……あひん……」
だんだんと激しくなる。
そして触れるだけだったキスが一転して、獲物を貪り食らうような激しいものに変わった。
「むっふうううッ!」
ジュバアアッ! ガボオオッ! ジュルウウッ!
彼女のぷっくらとした唇が私の唇を食らう。私の首にまわされた彼女の両腕が、さらにぎゅううっと私のことを抱きしめ、はなさない。巳雪さんの長く肉厚な舌が私の口内に突き入れられ、めちゃくちゃにされた。口の中で大蛇が暴れまわっている。
(激し……激しすぎる……)
目をパチパチさせて苦しむ。
獲物である私を捕食している唾液音が脳内に直接響くようだった。舌の動きがすさまじい。呼吸すらできないほどに、巳雪さんの舌使いによって犯されていく。
(み、巳雪さん……もう……)
体がビクビク痙攣している。
限界を感じた私は巳雪さんのことをすがるように見つめるしかない。
「んふっ」
しかし、私の視線を受け止めた彼女は妖艶に笑うだけだった。
瞳をしっかりとあけて、理性的な視線でもって、悶え苦しむ私の姿を観察しているのが分かる。徹底的に目の前の男を犯す。そう決意している苛烈な瞳に私の体がビクンと痙攣する。頭がマゾイキしてバカになる。そんな私の姿を確認した巳雪さんが「ふふっ」と笑って、力強く私の胴体を抱きしめてきた。
ぎゅううううううッ!
万力のような力強さ。私の胴体にまわされた彼女の片腕だけで、私の体が潰れてしまっている。彼女の大きなおっぱいに埋もれるようにして抱き潰される。肺がぺちゃんこにされ息もできず、しかも激しいキスが続いて、酸欠になる。
「ジュウッルッ! ガボオオッ! ジュボジュッ!」
「あひん! いっぎいいいッ!」
巳雪さんの片腕が私の後頭部をつかんで離さない。絶対に逃がさないという強い決意が分かる。理性的な瞳で見つめられながら、体を潰され、ディープキスで酸素を奪われて、私の体が死にそうになっていく。
(巳雪しゃん……巳雪しゃん……)
苦しくなればなるほどマゾイキした。
頭がおかしくなる。視界に砂嵐が現れて、あと一瞬で気絶する。その瞬間に、巳雪さんが唇を放した。
「カヒュウウウッ! ヒュウウ―――ッ!」
空気をむさぼり喰う。
気体を吸い込んだだけなのにえづいてしまう。それほどまで追い込まれていたのだ。私は命を長らえさせるために必死に滑稽な呼吸を続けた。
「愛してます……好きです、旦那様」
甘い愛の言葉が囁かれる。
これで洗脳されない男なんていない。脳味噌に直接刻まれる。この女性から離れてはいけないと教え込まされる。私はアヒアヒと喘ぎながら、巳雪さんから目が離せなくなっていた。
「布団、敷きましょうね」
ねっとりとした声色。
「赤ちゃんをつくるために、がんばりましょう、旦那様」
にっこりと笑い、私の頭を撫で始める巳雪さん。私は彼女の豊満な体に生き埋めにされながら「はひ」と情けなくつぶやくしかなかった。
*
布団が敷かれ、全裸に剥かれる。
巳雪さんも服を脱いで、その恐ろしいくらいにエロい体を私にさらしてくれる。何度見ても巳雪さんの裸は慣れなかった。一瞬時が止まったみたいに感じられる。艶やかな肌が輝いている。大きなおっぱいとピンク色の健康そうな乳首に目がくぎ付けになってしまった。
「おっぱい、すごいですよね」
仰向けに寝転がった私の体の上に馬乗りになって、巳雪さんが言う。
「旦那様の子種を毎日いただいて、すごく成長しました。鏡を見ると女の私でも驚くくらい、エッチですよね」
見てください。
巳雪さんが両手でおっぱいを左右から挟み込む。それだけで柔らかいボリュームたっぷりの乳肉が押し寄せられ、ぐんにゃりという擬音が頭の中に響いた。谷間がすごいことになって、ピンク色の形の良い乳首が強烈な視覚情報となって視界に飛び込んでくる。
「ウッ」
呻いてしまい、体がふるえる。
こんなすごい体の女性にこれから犯してもらえるんだと思うだけで頭がイく。目の前で見せつけられるおっぱいから目が離せない。
「ふふっ」
どすんっ!
そんな私の顔面めがけて巳雪さんがおっぱいを押しつけてきた。大重量の乳肉という名の性の暴力が私の小さな頭部を押し潰してしまう。
「むううううッ!」
生乳に生き埋めにされて地面に縫いつけにされる。
顔面だけでなく両頬や首までが巨大なおっぱいの下敷きになっているのが分かる。体を動かそうとしてもビクともしない。おっぱいだけでなく、巳雪さんの大きくて優秀な体に潰され、絶対に逃げられないことを思い知らされた。普通なら苦しくて悶えてしまうだろう。しかし、
(ぎ、ぎもじいいいいッ!)
おっぱいの感触に悶絶する。
柔らかい底なし沼みたいな爆乳。ドクンドクンという心臓の音が聞こえ、母親の胎内にもどったような安心感で体中がドロドロに溶ける。さらには甘いフェロモンの匂い。息をするたびに体の中に媚薬が入ってくるのが分かる。甘い匂いで頭が痺れ、体がビクンビクンと痙攣する。けれど巳雪さんの優秀な体をよろめかすことすらできない。肉の監獄の中で押し潰されて、それだけでマゾイキする。
「きもちいですか、旦那様」
私を押し潰したまま、ねっとりとした声で巳雪さんが言う。
「旦那様は今、わたしのおっぱいで押し潰されて顔面をレイプされているんですよ? それなのに旦那様は、びくんびくん痙攣するだけで抵抗すらしていません。体を脱力させて、布団に横たわって、無抵抗で無防備な体をわたしにさらしてしまっています。恥ずかしくないんですか?」
「むううううッ! むううううッ!」
「ふふっ、旦那様のおかげで、わたしのフェロモンも成長してしまいました。雄を誘惑して発情させてしまう恐ろしい体臭。そのレベルがあがってしまっているのが分かります。お買い物のために外に出るとすごいですから。隣で立っているだけの男性も、わたしの匂いを嗅いだだけで一発発情。バギバギに勃起して、そのまま射精してしまう方もいらっしゃるんですよ」
その匂いをすりつけられる。
さらに蒸気のように凝縮されたフェロモンが襲いかかってきて体がビクンビクンと跳ねた。
(ぐるじい……きもちい……)
苦しいのに気持ちがいい。
その二重苦によって脳がバグる。柔らかい乳肉の感触に悶絶し、その大迫力のボリュームによって顔面を潰され苦しむ。押しのけようとしてもビクともしない圧倒的な存在。女性のおっぱいによって、私は潰され、拘束されてしまっているのだった。その事実が私の頭をマゾイキさせてしまう。
「ふふっ、マゾイキしてしまいましたね」
すべてお見通しの巳雪さんが言う。
「おっぱいに完全敗北してマゾイキしてしまいました。旦那様がどんなに抵抗しても勝つこともできない恐ろしいおっぱいに負けを認めて無様なマゾイキ。頭がバカになって、おっぱいには勝てないんだって無条件降伏してしまっています」
「むっぐううッ! むっふうううッ!」
「ほら、もっと味わってください。このおっぱいは旦那様よりも強い存在なんですよ。そんなおっぱいで顔面生き埋めにされたまま潰されて、自分がどれだけ劣っているか自覚して、マゾイキしてください」
ぎゅううううううッ!
さらに押し潰される。
ずっとずっと。強烈な抱きしめによって顔面が壊れていく。柔らかく大きなおっぱいによって殺されていくのだ。それを自覚するとますます興奮した。興奮して、ビクンビクンと体を痙攣させてマゾイキしてしまう。
「ふふっ、見てください旦那様。これが旦那様よりも強いおっぱいですよ」
巳雪さんがおっぱいを持ち上げる。
そして私の顔面ギリギリにおっぱいを近づけて、その圧倒的な存在を私に突きつけてきた。
「ひいいッ!」
悲鳴。
それが私の口から漏れる。
大きなおっぱい。
それが圧倒的迫力をもって私の顔面に迫っている。さきほどまでこのおっぱいの下敷きになっていたのだ。ボリュームたっぷりの乳肉で押し潰され、布団の上に縫いつけにされてしまっていた。どんなに抵抗してもビクともしなかった存在。いつでも私の命を刈り取ることができる巨大なおっぱいを間近で見て、「あひあひ」と悶え、マゾイキする。
「おっぱいに負けを認めますか?」
「ひいいッ! ひいいッ!」
「どうなんですか、旦那様」
巳雪さんが私の額に健康的な乳首を擦りつけてきた。
その感触だけでダメだ。額に感じる彼女の乳首の感触が下半身にダイレクトに伝わって肉棒がビクンビクンと痙攣した。
「ほらほら、どうなんです?」
ぐりぐり。
乳首だけで私の体を襲う。額だけでなくて両頬や首に擦りつけられる。小ぶりながらも確かな存在感をもった乳首が私の体を突っついていく。私の胴体にも乳首が押し当てられる。さらに巳雪さんはおどけたように笑って字を書き始めた。乳首を筆にみたてて、私の胸板に字をえがいていく。乳首が回転しながら弧をえがき直線をうがつ。その文章は明らかだった。
負けを認めろ。
そんな字を乳首で私の胸板に刻んでいく。
私はどうしようもなくなって叫んだ。
「認めますううううッ! 認めますからああッ!」
「なにをですか?」
「負けですううう! 私は巳雪さんのおっぱいに勝てませんんんッ!」
絶叫する。
その途端に屈辱感と倒錯感が同時に襲いかかってきて、私はさらにマゾイキした。そのように巳雪さんに追いつめられた。彼女はどこまでも私のことをマゾに墜としてしまうことができるのだ。私の絶叫を聞いた彼女が、ニンマリと笑った気がした。
「よくできましたね、旦那様」
笑って、
「ご褒美です」
彼女が乳首の狙いを定める。
獲物を前にしてキラリと瞳を輝かせる恐ろしい女性。彼女はそのまま大きくて強い乳首で私の矮小な乳首を殺した。
「あっぎいいいいいいッ!」
乳首と乳首があわさる。
彼女の乳首様が私の乳首を征服してしまっている。その生命力のかたまりみたいな存在が私の小さすぎる体をレイプしていくのだ。乳首様の感触がダイレクトに下半身に繋がってしまうのが分かる。まるで体全体が肉棒になってしまったような感覚のまま、私は犯される。
「見てください旦那様。わたしの乳首が旦那様の乳首を押し潰して、ぐじゃぐじゃに犯してしまっていますよ」
「ひいいいいいッ! あひいいいいッ!」
「ふふっ、悶絶しっぱなしですね。わたしの乳首でツンツンされるだけで旦那様がマゾイキでおかしくなっていくのが分かります。もっともっとしてあげますからね。旦那様のこと、もっとおかしくしてさしあげます」
グリグリッ!
さらに力強く潰される。
巳雪さんの大きくて強い乳首様が、私の小さくて弱い乳首を押し潰し、蹂躙してしまっている。その感触だけで体がビクンビクンと痙攣して、おかしくなる。
「ふふっ」
巳雪さんが笑う。
私の耳元で、
「イけ」
「あひいんんッ!」
言葉が最後のトリガーになって私はメスイキした。
体を痙攣させながらメスイキで頭を焼き切られる。自分の意志とは無関係に、体が跳ねまわっていくのが分かる。陸にあげられた魚みたいに体がピチピチと跳ねてはメスイキする。
「押し潰しますね」
そんな痙攣すら巳雪さんは許さない。
メスイキが終わらない私の体を上からぎゅううっと押し潰してきた。彼女の大きすぎるおっぱいが私の胸板でぐんにゃりと変形し、私の体を布団に縫いつけにしてしまった。
「ひいいいいいッ!」
私の体が痙攣すら許されなくなる。
いや、正確には痙攣している。痙攣してビクンと跳ねようとして、それが巨大なおっぱいの押し潰しによって無効化されるのだ。体を動かしてメスイキの快感を逃がすこともできない。その間も乳首をグリグリといじめられて、メスイキが継続される。
「巳雪さんッ! ゆるじでええええッ!」
私に許されたのは必死の命乞いだけだ。
私のことをじっとりと見下ろしてくる彼女にむかって必死に懇願する。
「ふふっ、まだまだこれからですよ」
「ひゃ、ひゃめでええええええッ!」
「もっともっと旦那様のこと気持ちよくしてあげますからね」
ねっとりとした視線。
その狂気じみた深い愛情を向けられて恐怖で青ざめる。
巳雪さんが「んふっ」と笑った。
「赤ちゃんをつくるために、がんばりましょうね、旦那様」
*
永遠と続く乳首責め。
おっぱいだけでなく、彼女の魔性の指でも乳首をかわいがられて、口からは喘ぎ声しか漏れなくなった。最後には彼女の長い舌でさんざんにかわいがられた。乳首を丸飲みされ、永遠と舌で舐められ、メスイキ地獄にたたき落とされる。ようやく解放された時、敏感になりすぎた乳首が空気にふれるだけで耐えきれず快感で体が痙攣してしまった。
「ふふっ、だいぶ仕上がりましたね」
巳雪さんが言う。
「次はこちらです」
「あひっ」
彼女が私の肉棒を握った。
長時間続いた乳首責めの間、一切さわってもらえなかった肉棒。射精も許されなかった私の分身を、巳雪さんがその魔性の手つきでもって愛撫し始める。
「たくましい……旦那様の……」
「ひいいッ! あひいいッ!」
「今日は徹底的にしてさしあげますね」
にっこりと笑った巳雪さんが私の体にキスをしながら下半身のほうへと降りていく。私の股の間に体を割り込ませて、顔を股間に近づけてくる。バキバキに勃起した肉棒をうっとりとした瞳で見つめられ、生きた心地がしなかった。
「んふっ」
ぺろりッ!
「ひいいんんッ!」
舐めた。
彼女が舌だけを出して、一度だけぺろりと舌を肉棒に絡ませる。その感触だけですべてをもっていかれる。粘着質な柔らかい舌に一舐めされただけで、「ああ、この人には逆らえない」と強く感じた。
「おいしいです。旦那様」
「あひ……ひい……」
「いただきますね?」
ベロンッ!
舌が肉棒を這いまわっていく。
亀頭だけがべろべろと舐められたかと思うと、根本から先端までいっきに舐められる。巳雪さんの長い舌がそれ自体一個の生命体のようにして襲いかかってくる。それだけで私はアヒアヒ悶えるだけの猿に変わってしまった。巳雪さんの舌一つにも勝てない。それが分かった。
「旦那様、見てください」
巳雪さんが息も絶え絶えになった私に向かって言う。
「これが旦那様をかわいがってくれる舌ですよ?」
舌を大きく出して、見せつけてくる。
その長さ。顎の舌まで伸びた赤色の軟体物が、うねうねと蠢いている。それを見せつけられただけで、体がビクンと痙攣した。
「んふっ」
がっぼおっ!
「あひいいいいッ!」
肉食動物が獲物を食らう俊敏さで、巳雪さんが私の肉棒をくわえこんだ。
丸飲みされてしまった私の分身が、彼女の口の中でめったうちにあっているのが分かる。さきほど見せつけられた長い舌が口内で暴れまわっている。逃げられない場所に閉じこめられ、あの凶悪な舌が肉棒を責め抜いているのだ。
「ガッボオッ! ジュルウッ!」
さらに始まったピストン。
頬肉と頬肉でもって肉棒を締め付けながら、巳雪さんが顔を動かしていく。喉奥までくわえても余裕の笑顔で、巳雪さんが激しいイマラチオで私を壊していく。
「ひいいいッ! あっひいいッ!」
喘ぎ声というよりも悲鳴があがる。
下半身が丸ごと丸飲みされて捕食されているような感触。自分よりも強い生命に食べられ、消化されてしまっている。私の体が歓喜してしまっているのが分かる。もうあと少しで射精する。またすべてを奪われるのだ。あと少し。あと1秒。それだけで―――
「はい、おしまいです」
「ああああああああッ」
そのまさに寸前で、巳雪さんが口をはなした。
射精1秒前まで追いつめられた私の肉棒がヒクヒクと痙攣している。射精させてもらえると思っていた肉棒が涙を流して悶えている―――そんなふうに見えた。
「み、巳雪さん、どうして」
「なにがですか?」
「あと少し、あと少しで射精できたのに」
あまりにも衝撃が強すぎたせいで、私の口から抗議の言葉が出てくる。それに対して、巳雪さんはキョトンとした表情を浮かべた。
「あの、旦那様……旦那様はしばらくの間、射精は禁止ですよ?」
さも当然といった具合に巳雪さんが爆弾発言をする。
しかし、彼女の言葉の意味が分からなかった。射精をしなければ子づくりできないではないか。そんな疑問が表情に出ていたのだろう。巳雪さんが言った。
「ふつうのセックスでは、わたしには赤ちゃんはできないのです」
巳雪さんが私の肉棒をペロリと舐める。
「わたしの体が旦那様の子種をすべて栄養にしてしまうせいで、受胎ができません。なので、旦那様の精子を熟成させて、子種の量と質を高めていく必要があるのです」
また舐めた。
おいしそうに肉棒を舐めながら巳雪さんが続ける。
「精子を熟成させるためには、射精を禁止するしかありません。禁止した状態で、これまで以上にわたしが旦那様を責めます。毎日のように性感を高め、子種をつくり続けていただきます。そうしてようやく、子づくりの準備ができるのです」
ぺろり、と。
何度も何度も舐められ、ひくひくと痙攣し始めた肉棒。あと一舐めされたらイける。けれど、巳雪さんは全てお見通しだった。
「はい、射精一歩手前の完成です」
「あひいいッ」
「わたしにかかれば、射精直前まで追いつめることが可能です。こうして射精直前まで責めて、寸止め調教をしていくんです。ずっとずっと、永遠に」
ぺろり。
舐められる。ほんの少しだけの刺激。寸止めにされた肉棒が射精できないギリギリの刺激を受け、生殺し状態にさせられる。
「赤ちゃんをつくるために、がんばりましょう」
私を見つめながら巳雪さんが笑った。
それは背筋が凍るような支配者の笑みだった。絶対に逃がさない。そう宣言するような怖い笑顔。わたしは眉を下げ、負け犬の表情を浮かべながら、これから始まる射精管理に恐怖していた。
「それではまた寸止めしますね」
巳雪さんが言う。
「少し刺激が強すぎると思いますが、がんばりましょうね、旦那様」
始まる。
頭がおかしくなりそうな寸止め地獄。
「ガボオオッ! じゅるううっ! ジュパッッ!」
再び丸飲みされた。
巳雪さんの口の中に肉棒が根本まで閉じこめられて、激しく巳雪さんの顔が上下運動をしていく。それでも射精できない。あと一瞬でも肉棒への刺激があれば射精できる。その瞬間を見逃さずに、パッと肉棒から口や舌や手が離れてしまう。それがずっと続いていく。
「ゆるじでええええッ! た、たずげでえええッ!」
悲鳴を漏らす。
それでも許されない。ニッコリと笑った巳雪さんが夜通し、私に寸止めを繰り返していった。
つづく