新婚生活が始まった。
それは夢のような毎日だった。
私達夫婦は、これまで私が暮らしていた一人暮らし用のアパートで生活を始めていた。プライバシーなんて何もないような家だったけれど、巳雪さんに不満はないようだった。仕事が忙しく、お世辞にも綺麗とはいえない家の中を、巳雪さんはせっせと掃除してくれた。今では見違えるようになった家の中で、巳雪さんはいつもニコニコと笑っていた。
(洋服だと、すごくあかぬけて見えるな)
部屋の中央に置いたテーブルを囲うようにして、私と巳雪さんは座っている。
隣の巳雪さんは山の中とは違って洋服を着ていた。少し古めのデザインなのに、巳雪さんが着るとオシャレに見えた。あまりにも綺麗すぎて、私は思わず巳雪さんをぼおっと見つめてしまう。甘い匂いがずっと私の鼻孔をくすぐっていた。
「どうしましたか?」
隣の巳雪さんが言う。
私は顔を真っ赤にして、
「いや、その、今さらですけど、巳雪さんは洋服も似合いますね」
「そうですか?」
「はい。やっぱり巳雪さんが美人だから、着るものぜんぶ似合っちゃうんでしょうね。すごく、なんというか、綺麗です、はい」
私の言葉に今度は巳雪さんがカアアッと顔を真っ赤にする。その恥ずかしがる様子もとてもかわいくて、私は「ああ、この人を幸せにしたい」と自然と思った。
*
夜がくる。
巳雪さんの時間だ。
二人でシャワーを浴びた後、寝室に敷いた布団の上で、今日も私は搾り取られる。
「んっじゅっぱあ……じゅるう」
親鳥の口を求めるヒナ鳥のように、巳雪さんが執拗に私の唇を奪ってくる。
彼女の大きなおっぱいが私の胸をずっしりと潰し、彼女の長い足が私の短い足に絡まされる。まるで、彼女の大きな体によって磔にされてしまったような格好。身動きがとれない状態で、興奮した巳雪さんからのディープキスでバカにさせられる。
(溺れる……溺れ……)
巳雪さんのキスは執拗だった。
獲物を逃がさないと強く決意していることが分かる。彼女の長い舌が縦横無尽に私の口内を蹂躙し、獲物である私を快感の暴力で殴ってくる。巳雪さんの口から送られてくる唾液をずっと飲み込んでいく。なぜか彼女の唾液を飲むと体が麻痺したようになる。あまりにもその量が多いので、激しい舌使いとあいまって満足に息も吸えない。
(だ、ダメだ)
少しでもキスから逃れようと、かろうじて動かせる両手を使って巳雪さんの体を押しのけようとする。けれど、彼女はそれすら許してくれなかった。
「あ」
がしっと、巳雪さんの手が私の手をつかむ。
その力強さの前に私の体がビクンと震えてしまう。
そのまま、巳雪さんはゆっくりと私の両腕を持ちあげ、私の頭の上で床に縫いつけにしてしまった。ちょうど万歳をする格好。巨体による押し潰しは継続されているので、これで私は文字通り、身動きすべてを封じられてしまったのだ。
「逃げちゃダメです」
至近距離から見下ろされる。
「もっともっと、きもちよくなってください」
「み、巳雪さん」
「わたしの前ではとり繕わなくていいんです。どんなに情けない姿になっても幻滅なんてしませんから。わたしのキスで、旦那様の理性、ドロドロに溶かしてあげます」
彼女の美しい顔が迫る。
その理性的な顔からは想像もできないほど大きな口があき、中で蠢く長い舌が見える。ああ、今から食べられてしまうんだ。そう思っていると、そのとおりに私の唇が奪われ、巳雪さんの長い舌が勢いよく進入してきた。
「あひん……ひいん……」
喘ぎ声が漏れる。
激しく巳雪さんの舌が蠢いていく。
まるで私のことを舌で溶かして食べようとしているみたい。巳雪さんの巨大なおっぱいによって体を潰され、柔らかな肉布団に覆われながら、熱烈なキスだけを永遠と施されていく。
「とても素敵なお顔になりましたね、旦那様」
久しぶりに私の唇を解放した巳雪さんが言った。私の体に馬乗りになりながら、ニッコリと慈愛のこもった聖母みたいな表情で、こちらを見下ろしてくる。
「おめめがトロンとしています。とても素敵ですよ?」
彼女の手が優しく私の頭を撫でた。
それだけで口から「あひん」という情けない声が漏れる。巳雪さんが嬉しそうに笑った。
「もっともっと、きもちよくしてあげます」
彼女の美しい顔が近づく。
また食べられてしまう。そう思って目をぎゅっとつむると、彼女の唇が私の耳元にキスをした。
「チュッ」
「あひんッ!」
その音と感触に悶える。
それが連続した。彼女が私の体という体にキスを始めてしまう。
「チュウッ! ビュチュッ! ブチュッ!」
「あひんッ! あんんッ! ひいッ!」
首筋からはじまって鎖骨や胸板。
お腹や腕にまんべんなくキスの雨が吹き荒れる。
巳雪さんの肉厚な唇がぱくりと私の体に食らいつく。その柔らかな感覚に体が嫌でも反応してしまう。しかも、一瞬のうちに彼女は私の体を舐めながら吸引して、キスマークをつけてしまうのだ。私の体に捕食の証拠が刻まれていく。
(あああッ! 刻まれてるうううッ! 私が誰のものか分かるように巳雪さんのキスマークがああ)
自分の物に名前を書くようなものだ。
上半身が終わって次は下半身へ。巳雪さんが体をスライドさせ私の股の間に体を差し入れてから、こちらの短小な足にチュッチュッとキスマークを刻んでいく。それを刻まれるごとに私の体に信じられないほどの快感が走る。快楽地獄。巳雪さんが飽きもせずに、永遠と私の体をついばんでいく。
「ふふっ、キスマークだらけになりましたね」
ようやく満足した巳雪さんが言った。
言葉どおり、私の体は彼女のキスマークで覆い隠されてしまっていた。彼女の唾液まみれになった体で「あひん」と悶えるだけになる。なぜかそのキスマークがつけられた部分からは快感の余韻が消えてくれない。まるで今もまだキスをされ、体を舐め回されているような、そんな快感がずっと続いている。
「わたしの唾液は媚薬入りなんです。なのでこうして全身唾液で塗りたくると、すごくきもちよくなれるんですよ」
「あひん……ひいい……」
「旦那様にはいつも最上の射精体験をしてもらいたいのです。このまま射精すれば、頭がバカになるほどきもちよくなれるはずです」
巳雪さんがニッコリと笑った。
その優しさの究極みたいな笑顔が私には恐ろしく見えて仕方なかった。
「いきますね?」
巳雪さんが口を大きくあけた。
その口の内部がまざまざと見せつけられる。整然と並んだ白い歯と、健康そうな歯茎、そして長い肉厚な舌がウネウネと蠢いている様子が目の前に見える。肉棒間近まで近づけられる彼女の美しい顔と迫力満点の舌。それはまるで白い大蛇が獲物を前にして舌なめずりをしているようだった。
「ふふっ」
笑った巳雪さんが、ペロリ、と私の肉棒を舐めた。
竿の根本から亀頭にかけて、彼女の長い舌がベロンとなぶる。
「あひんっ!」
声が漏れてしまう。
白蛇が瞳を細くして笑う。
何度も何度も、まるでアイスクリームでも舐めるみたいに、しつこく、執拗に、巳雪さんが私の肉棒を舐めていく。
「んふっ♪」
巳雪さんはずっと笑顔だ。
情熱的に舐めながら、ねっとりとした視線でもって私の痴態を観察している。その瞳に抵抗するために、舐められても反応しないように努力するが無駄だ。彼女の舌の前ではどんな我慢も骨抜きにされてしまう。まるで快楽神経そのものが舐められているみたい。その長い舌が肉棒を這い回るたびに悶絶してしまった。
「ぺろぺろ……じゅるうっ……」
「ひいいッ! あひんッ!」
唾液音と喘ぎ声。
私という生物が、より強い巨大な大蛇によって食べられていく。限界が近い。それを目の前の女性が逃すはずがなかった。
「ガッボじゅるるううッ!」
「いっぎいいいいいいッ!」
丸飲みされた。
根本までいっきに。
彼女の大きな口が私の肉棒をすべて飲み込んでしまったのだ。彼女の喉奥のなま暖かい感触。私の全存在が一口で丸飲みされてしまい、私はなすすべもなく射精した。
「あひいいいいいッ!」
どっびゅううううううッ!
びゅっびゅうううううッ!
盛大な射精を巳雪さんの喉奥にむかって放出していく。すさまじい射精。脳天からつま先まで快感の電流が走って射精が終わらない。
(し、死んじゃうううう)
声も出せない快感の嵐の中で、私には巳雪さんをすがるように見つめることしかできなかった。
私の肉棒を丸飲みしながらも顔色一つ変えていない美しい女性を見つめ、もうやめてくれと必死に懇願する。
「んふっ」
巳雪さんが私の視線にきづいた。
怯えきった私の視線をがっちりと真正面から受けきって、にっこりと笑った女性が、私にとどめをさすことにしたらしい。
「ズボオボオオオッ!」
「いっぎいいいいッ!」
びゅっっびゅうっびゅううッ!
強烈なバキューム。
ただでさえ凄まじい勢いだった射精がさらに強くなる。吸われている。体の奥底で暮らしていた精子たちが強制的に吸い尽くされている。私の中の何か大事なものが精液に変換されてそれごと吸引されているような錯覚。意識が朦朧として、よく分からなくなり、時間の経過がなくなった。唾液音と時折漏れる獲物の喘ぎ声だけが聞こえてくる。
「ずちゅあッ……んふっ……じゅるるるッ」
きづいたら射精は終わっている。
腰が溶けてなくなったと確かに感じる。チカチカする視界で下半身に目をやると、そこにはまだ私の肉棒を頬張ったままの巳雪さんがいた。
「んふううッ♪」
甘い声をあげながら、彼女は執拗に肉棒を責めたてていた。
もう精子を出さなくなった肉棒を叱りつけるような責め。肉棒の根本まで丸飲みしてから、頬をすぼめながら亀頭までしごきあげてしまう。ゆっくりとしたピストンが連続して続く。執拗に執拗に。尿道に残った精子すら捕食する。一滴たりとも逃さない。そう決意しているみたいにしつこく巳雪さんは私の肉棒を頬肉で責めたてていた。
「あひいいんッ」
最後の一滴が吸引され、すべてなくなる。
その瞬間、ようやく巳雪さんが私の肉棒を解放した。
「んふっ」
頬を膨らませた巳雪さんが笑う。
彼女はそのまま、くちゃくちゃと味わい始めた。瞳をトロンとさせて、体を時折震わせながら、私の放出した精液を舌先で転がして堪能しているのが分かる。彼女の全神経が舌に集中しているのだろう。目の前に私がいることすら忘れてしまったように、彼女は搾り取った精子に夢中だった。
「み、巳雪さん」
思わず声をかける。
それに反応した巳雪さんが、妖艶な表情で笑った。彼女の顔が近づいてくる。真正面から体を抱きしめられ、巨大なおっぱいが私の薄い胸板を侵略してぐんにゃりと潰した。目の前には、頬をふくらませた美しい女性の顔がある。
「んふっ」
笑って、彼女が大きく口をあけた。
その中には大量の精液が溜まっていた。
巳雪さんの唾液と溶け合った自分の敗北の証拠。それをまざまざと見せつけられ、私の体がビクンと震えた。
「んふううッ♪」
目の前の女性が口を閉じる。
名残惜しそうに最後に一度舌で転がしてから、彼女はゴクンと精液を飲み込んだ。その嚥下する音と、喉が蠢く様子を目の前で見せつけられる。一度。たった一度の嚥下で、彼女は文字通り、私の大量の精液を丸飲みしてしまったのだ。
「ふふっ」
笑った彼女が口をひらく。
さきほどまであった大量の精液が一滴たりとも残らずに消えていた。飲み込まれてしまったのだ。吸収されてしまった。自分のDNA情報たちが捕食され、巳雪さんの体の中で消化されしまったのだ。その変化は劇的だった。
「あああああッ!」
私を抱きしめている体。
巳雪さんの極上の体にさらに精力がみなぎっていくのが分かった。ただ触れているだけで射精しそうになる。甘い匂いがさらに増して、それを嗅ぐだけでビクンビクンと体が震える。そんな痙攣すら堪能しようと巳雪さんがぎゅううっと私の体を抱きしめてくる。捕まえた獲物は逃さない。私の精液を食べて成長した巳雪さんが、いつまでも私の体を抱きしめて放さなかった。
「ごちそうさまです、旦那様」
巳雪さんが笑って言う。
発情しきった様子は影にひそみ、いつもの憂いを帯びた控えめな女性が戻っていた。私は脱力しながら、極上の肉布団に生き埋め状態にされて、彼女の声を聞く。
「とてもおいしかったです。本当に、とても」
「あひいい」
「体が喜んでいるのが分かります。活力が体の底からみなぎってきて、力が増しているんです。ふふっ、本当にすごい」
話しかけながら、彼女は私の頭を優しく撫でてくれる。その感触だけでダメになる。目をトロンとさせて、されるがままになってしまった。
「旦那様、大好きです」
彼女の片手が私の下半身に伸びた。
すべてを出し切って縮んでしまった肉棒をクチャクチャといじり始める。その指使いで私の体がビクンと震えた。
「残りの時間はずっと気持ちよくしてあげます」
上品に笑って、
「精子が出なくてもイくことはできるんですよ? 夜通し、旦那様にご奉仕させていただきますね」
始まる。
しつこく執拗に続けられる愛撫。
彼女のご奉仕によって、私の体が強制的に発情させられ、開発されていく。夜通し、私の喘ぎ声がやむことはなかった。
つづく