「まずは首を絞めてあげますね。いい声で鳴いてください」
えい、とシエスタは腕を俺の首に巻きつけ、締め付けてきた。
女の子らしい細腕に凄まじい力が込められる。
一瞬にして息を吸うことができなくなり、自然と口から涎がこぼれていく。
目からも涙がでてきて、俺の顔を汚していく。
く、苦しい。
抵抗しようにも俺の体は薬のせいで動かず、なずがままにされる。
シエスタはそんな様子の俺を見ると、うっとりとした表情になってこちらの顔を覗いてきた。
「シ、シエスタ、やめろ……く、苦しい」
「アハ、まだ喋れるんですね。ちょっと手加減しすぎちゃいましたか」
シエスタの腕にさらに力がこめられる。
ぎゅうっ、という感じで、その細腕が俺の喉に食い込んでいく。
「カ、カハ」
「よしよし。これぐらいが丁度いいですね」
ふふふ、と笑ってシエスタはこちらを覗きこんでくる。
まだ本気はだしていないようで、その顔にはまだ余裕があった。
本当に何がなんだか分からない。
シエスタの体はとっても柔らかくって、大きな胸が俺の背中に押し付けられてとってもいい感じなのだが、まったく息ができない。
口が自然に開いてしまい、舌がでてくるのが分かる。
涎と涙が俺の顔を汚し、息も絶え絶えといった様相を呈してくる。
「ふふふ、いい顔ですよサイトさん。いい子にしてればヒドイことはしませんから、いっぱい泣いて、いっぱい涎をたらしちゃってください」
えい、とさらに力がこめられる。
カハっ、と口からは喘ぎ声しかでてこない。
顔がどんどんと汚くなっていく。
それをシエスタが嬉しそうにみつめている。
その顔はうっとりと上気しており、第三者がここに訪れたら一瞬で恋に落ちてしまうだろう。
だが俺にとってみればその表情は、恐怖の対象でしかない。
恐い。
必死に息をしようとするが、それは「カ、カア……カハア」とすべてシエスタにシャットアウトされる。
(お願いします。息を吸わせてください。お願いします……お願いしますシエスタ様)
目が白目になる。
口からは泡がでてきて、喘ぐたびにそれが宙に飛ぶ。
体がビクっビクっと痙攣してくる。
「おっと、危ない」
そう言うとシエスタは腕の力を緩めた。
かろうじて息ができるようになる。俺は貪るように、息を吸うというよりは空気を貪り食うという感じで息を吸うのだが、
「はい、終わりですよー」
「むぐう!?」
間延びした声とともに、シエスタはまたもや腕に力をこめた。
シエスタの腕が俺の首の骨を圧迫して、俺の意思に関わらずに涎と舌が口からでていくのを感じる。
少しだけだが空気を吸ったあとなので、苦しいというよりも首を絞められることによる鈍い痛みが俺の体を伝わる。
「うふ、サイトさん。気絶はさせないであげますからね。私ってば優しいですよね」
首を絞めながら、シエスタは尚も俺の顔を覗きこんでくる。
その表情は本当に嬉しそうで、幸せそうな顔をしていた。
「ずーと、続けてあげますからね。ルイズさんが帰ってくるまでだから……後4時間ってところですか。ふふふ、絞め続けてあげます」
えい。
「か、カアアア!!」
「うふふ、サイトさんってば、やっぱりお仕置きが好きみたいですね」
な、何を言っているのか。こんな苦しいことが好きな人間なんているわけがない。
「ほら、サイトさんのコレ。こんなになっちゃってますよ?」
言うと、シエスタは唐突に自分の脚を俺の体に巻きつけてきた。
そしてその脚のつま先で、俺の股間をスウーと撫で上げる。
「む、むう!?」
「ほら、こんなに硬くなっちゃって……女の子に首絞められて、興奮しちゃったんですか?」
サワサワと両足で俺のモノを刺激してくるシエスタ。
触れるか触れないかという絶妙のタッチで、まるで嬲るように焦らしてくる。
「ア、ハア……」
「触っただけで感じてしまうなんて……ふふふ、お仕置きが必要ですね」
えい。と、今までにないくらいに俺の首を締め付け始める。
ぎゅううう、という音とともに、首の骨が軋むようなギギギという音が聞こえてくる。
一瞬にしてブラックアウトしてしまいそうな衝撃であったが、しかしそれは自分の性器に対する刺激によってなんとかふんばることができた。
シエスタは、さきほどまでの焦らすような脚つかいから一変、勢いよく俺の股間をこすりあげていく。
それは強引の一言なのであるが、シエスタの脚はそれだけで俺に昇天寸前までの快感を与えていた。
「カ、カハァーーー。ア、む、カハア」
「あははは、サイトさん気持ちいですか? 締めあげながら、一滴もでなくなるまでサイトさんのこと虐めてあげますからね……ミス、バリエールのことなんて忘れてしまうくらいに、ずーーーと……ふふふ、何回イケますかね。楽しみです」
スリスリと脚を動かしながら、俺の首を絞める腕の力はそのまま。
体は完全に密着しており、なんだか捕食されている小動物のような気分になってくる。
苦しみと快感という二重苦を受けながら、こちらの覗きこんでくるシエスタの顔だけを見つめさせられる。
いつものようにニッコリと笑ったその笑顔は、今の状況にはまったく似合わず、しかしそのギャップが俺の心を熱くしていた。
シエスタの力はまったく衰えずに、俺のことを嬲り続ける。
シエスタの調教が始まった。
(続く)