これはカルデアに来る前のお話しでございます。

 正確には私が英雄になる前のお話し。

 なんの因果かしがない女房風情が文をつづり、世界に見初められて、その仕組みの中に取り込まれる前の話しでございます。

 御前―――中宮彰子様のご出産から始まる紫式部日記が恥ずかしながら世に広まっていることと思いますが、これはそのような半ば公的な日記には書くことなどできるはずがない内容となっております。誰に見せることも予定していない私的な備忘録。私の心の中に檻のように積もった鬱屈とした気持ちと、それを解消してしまった罪深くも艶美な日常を記載した日記にございます。これが世に出ては紫式部という存在も、権勢をほこった藤原家ですら地に墜ちることでしょう。ですから、けして本を開いてはいけません。読んではなりません。絶対に秘密の裏・紫式部日記。忠告はしましたよ?

 *

 私が結婚した相手は藤原宣孝様でございます。

 宣孝様は恋い多き御方でした。私以外にも何人かの恋のお相手がおり、足繁くその方たちが住む家に通っていらっしゃいました。宣孝様は40歳になろうというご年令でしたので、その精力には信じられない思いを抱いたことを思い出します。しかし、それは私にとって好都合でございました。二十代半ばの年増になるまで結婚をしてこなかった私の積もりに積もった情欲の坩堝をぶつけられる相手は、宣孝様以外にはいなかったことでしょう。

 *

 結婚して、彼と家で二人きりの時、行動にうつりました。

 当時習い始めたばかりの陰陽道の技を用いて、部屋の周囲に結界をはることから全ては始まりました。こうしておけば、この部屋から音が漏れることはございません。これから宣孝様があげるであろう悲鳴を考えれば、この処置は必ず必要だったのでございます。


「宣孝様」


 声をかけ、振り向いた宣孝様の唇を奪いました。

 人生初めての接吻でございます。

 何をどうすればいいのかなど、春本の類で全て存じておりました。私は舌を彼の口の中に突き刺し、そのまま口内をまんべんなく蹂躙していきました。


「むっ、むむううッ」


 宣孝様は驚いた顔を浮かべました。

 その顔が次第にトロけていくのが分かります。眉が下がって、ピクピクと震えていく様子はまるで子犬のよう。私は「くすり」と笑ってやり、じとっとした眼を見開いて宣孝様を観察していきました。


「ジュパアアッ・・・・じゅるるるッ」


 舌で暴虐の限りを尽くします。

 女性からこのようなことをされたのは初めてなのでしょうか。責められた宣孝様は生まれたての子犬のままでぷるぷると震えるだけでした。目を閉じきって生娘のようにされるがまま。そんな彼の痴態をさらに刺激するために、私は宣孝様を押し倒して、その体の上に覆い被さりました。


「むっふうううッ!」


 さらに悶えた宣孝様を接吻で虐めます。

 ついでに私の胸で宣孝様の胸板を押し潰しました。和服の上からも押さえつけることのできない大きな胸が、宣孝様の年老いた小さな体を侵略します。ぐんにゃりと潰れた胸のかたまりが、まるで宣孝様の胸部を吸収するかのようにして押し潰していました。


「っふっむううッ!」

 苦しそうにしています。

 私の大きな胸が宣孝様の肺を押し潰しているので、満足に息が吸えないのです。そのことをさらに分からせるために、私はぐりぐりと胸を宣孝様の胸部に押しつけ、彼の肺から酸素を奪っていきました。それと同時に舌使いを過激にし、口からも鼻からも呼吸ができないようにしてやりました。


「む・・・・ぐぐッ・・・・・」


 宣孝様の体が痙攣していきます。

 気絶するのでしょう。最初からそこまでやる必要はないのではないかという思いと、最初が肝心なので力関係を分からせるために徹底的にやってやろうという思いの二つがせめぎ合います。

 最終的に後者が勝ちました。私はそのままさらに彼の口を犯し、宣孝様を気絶させました。


「あわわ、いいお顔になりましたね、宣孝様」


 私は宣孝様の体に馬乗りになりながら、彼の末路を見下ろしました。

 あわわなんて、こんなところまで知恵遅れの振りをしなくてもいいのに、己に課している口癖は律儀に紫式部を着飾ってくれます。

 とはいっても、内気な自分を女だらけの魔窟にうまく適合させるための処世術は、もはや本来の人格と混ざりあって、どれが本当の自分だか分からなくなっております。

 そう、それも、これも私なのです。

 今、こうして殿方の体に馬乗りになって、気絶した男の情けない顔を見下ろして性的に興奮しているのも私なのでした。その片鱗は世に出回っている紫式部日記からもお分かりのことでしょう。紫式部という女の奥底には、周囲の人間には絶対に知られてはいけない加虐趣味が眠っているのです。


「けれど、旦那様には隠す必要もございませんよね」


 私はにっこりと笑いました。

 艶美に妖艶に、男の体を椅子にしてほほえみます。

 それは恋い焦がれた瞬間でした。この男の体を使って、これまで外に出すことすらできなかった加虐の情念を解放しましょう。私は徹底的に旦那様となった男を犯すことに決めました。

 *

 その後、私はひたすら宣孝様を犯していきました。

 自分の中で眠っていた加虐趣味の獣は、容赦することなく暴虐の限りを尽くします。それだけ私は溜まっていたのでした。その相手をさせられる宣孝様はたまったものではなかったでしょうが、これは仕方のないことなのです。これから先も毎日同じことをします。そうするための第一歩。宣孝様がけっして私に刃向かうことのないよう、初夜は徹底的に犯すとそう決めておりました。

 *

 手始め。

 まず、男に乳首の快感を覚え込ませていきます。

 気絶している間に全裸にしました。

 生まれたままのみずぼらしい体をさらした男を見ているとやはりたぎるものがございます。本当ならば意識がある男の体から衣服を無理矢理はぎ取り、恥辱の海に沈めたかったのですが、焦る必要はありません。明日から、いくらでもチャンスはあるのです。


「あわわ~、宣孝様~、乳首いじられて感じてしまっているのですか?」


 背後から宣孝様の体を抱きしめ、両人差し指で乳首をかりかりとなぶりながら言います。私の育ちきった胸を宣孝様の小さな背中に押しつけながら乳首を責めると、彼は最初から面白いように感じてくれました。


「開発する必要もありませんでしたね。宣孝様は、女性に乳首を虐められて悦ぶ変態さんでしたのですね」


 背後から、宣孝様の耳元で囁くようにして言ってやります。

 自分ながら、そのじっとりと濡れたような情念のこもった声がいやらしく感じられます。それを耳元で囁かれてただで済む男などいないでしょう。


「あわわ、宣孝様の体、ぴくぴく震えてしまっております。そんなに乳首責めが気に入りましたか?」

「ち、違う」

「なにが違うのでしょう。妻に背後から乳首を指でいじめられて悶えているのは一見して明らかだと思いますが」

「ち、違う。か、香子(かおるこ)、こ、こんなこともうやめるんだ」


 宣孝様が私の真名を呼びながら懇願しています。

 私は彼の耳元で「ふふっ」と笑いました。


「宣孝様、ほんとうにやめてしまってよろしいんですか?」


 ねっとりとした指使いで、宣孝様の乳輪に沿って円を描く。人差し指だけでつうっとなぞってやると、宣孝様の体はビクンと震えて滑稽でした。


「ねえ、宣孝様、どうなんです? 本当にやめてしまってよろしいのですか?」

「う、あ、あああッ」

「宣孝様の乳首、私の指でめちゃくちゃにされたくないですか? 私、まだまだ手加減してあげてるんです。私の本気の乳首責め、味わいたくないですか?」


 耳元で囁く。

 その脳髄を溶かすように妖艶と。その間も指は乳首の乳輪だけをなぞってやっていた。焦らされた男はもう息も絶え絶えだ。


「ねえ、どうなんですか?」

 カリカリカリッ!

 一瞬だけ乳首へと刺激を送ってやる。すぐに乳輪だけの刺激に戻ると、彼の乳首は物欲しげにひくひくと震えてしまった。「くすり」と笑ってやると、たまらずに宣孝様は言った。


「い、いじめて・・・・も、もっと、乳首いじってえええッ」


 浅ましく懇願してくる。

 その情けない様子がとても滑稽で気に入ってしまいました。加虐趣味の私がニンマリと笑います。


「ダメです。最初から素直にお願いできなかった宣孝様には、永遠の焦らし責めで犯します」

「そ、そんなああああッ!」

「あわわ、情けないお声ですこと。そんな情けない宣孝様には、いじわるしたくなってしまいます」


 だからそうした。

 乳輪だけを責める。

 たまに乳首へ一瞬の刺激を送ってやって男の体がのけぞるのを楽しみます。被虐の快感を宣孝様の体に教え込んでいくのです。私色に染まっていく宣孝様を見ていると、とても心が踊りました。

 けっきょく、この日だけで宣孝様を墜としました。もう私の命令には絶対服従の性奴隷になってしまった私の旦那様。こうして、私は新しい玩具を手に入れたのでした。


 ●●●


 その日以降、宣孝様の女遊びはなくなりました。

 したくてもできないのでしょう。肉体的にも限界まで犯していく毎日でしたので、宣孝様は夜毎、指一本動かすこともできなくなってしまうのでした。白目をむいてびくんびくんと震えている様子はどこまでも滑稽で、私はいつもそんな情けない宣孝様を観察して性的に興奮しておりました。

 この日も、私は宣孝様に尻穴の快感を覚え込ませ、快楽地獄に陥れて差し上げていました。

 *

「オッホンンンンッ!」


 情けない獣の悲鳴が響きます。

 その声は全身全霊をこめたかなり大きな声でしたが、結界を施したこの部屋から声が漏れることはないのです。


「あわわ、すごい悲鳴ですね宣孝様」

「アヒイイイッ! オオオオンンンッッ!」

「でも安心してください。宣孝様がどんなに叫んでも外には聞こえませんから。安心して喉をからすまでに泣き叫んでくださいまし」


 わたしはさらに宣孝様を責めました。

 愛おしい旦那様を四つん這いにさせて、その尻穴に指を挿入してめちゃくちゃにしてやります。既に中の弱点を完全攻略してしまった私は、思うがまま宣孝様を自在に操って犯します。

 前立腺があたるところを絨毯爆撃してやると、宣孝様は白目をむいてシャチホコのようにのけぞりました。その快感はすさまじかったらしく、宣孝様はそのままあっという間に気絶してしまいました。ビクンビクンとはしたない姿で痙攣し、雌の快感で頭をバカにしてしまっています。


「ほ~ら、はやく起きてください」


 気絶しても許しません。

 私は男の尻穴に挿入した指をくいっくいっと動かしました。第2関節から上しか動かしていないのに、宣孝様はそれだけでもんどりうって、あまりの快感のあまり覚醒しました。


「う、あああ?」


 惚けたようなお顔。

 その情けない顔を見ていると私の顔まで赤らみます。


「起きましたね。では続きです」

「か、香子。も、もうやめ、」

「次は気絶をさせないで一刻ほど雌絶頂だけを継続させます。お覚悟を」

「ひ、ひいいいいッ、ゆ、ゆるしオッホオオオンンッ!」


 すぐに宣孝様は人間ではなくなります。

 指を動かすだけで男を操り人形にするのは病みつきになります。とても心地よい悲鳴をもらす宣孝様からさらなる絶叫を引き出すために、私の指はますます過激に動きます。

 けれども決して気絶はさせません。頭をおかしくする快感を永遠に味あわせます。半刻ほどすると、宣孝様はぽろぽろと涙を流して獣になっていきました。その滑稽なお姿はあまりにも素敵で、私は思わず慈悲の心を見せてしまいます。


「射精しなさい」

 くいくいくいっ!

 決定的な動きで前立腺を押し上げます。

 そうすると、宣孝様の一物からぽとぽとと雫が落ちるように精液がこぼれて参りました。絶頂で勢いよく射精するのではありません。射精の快感なしに精液だけが一物から落ちてきます。


「おかわいそう。せっかく我慢してきたのに、射精の快感を感じることもなく、精液を搾り取られてしまうなんて」

「ああああッ・・・・っひいいいいい・・・・・」

「あわわ、どんどん出てきます。ぽとぽとと際限なく宣孝様の子種が搾り取られていきます。本当におかわいそうですわね」


 くいくいくいっ!


「オッホオンンンッ!」


 さらに虐めます。

 その間にも彼から奪った精液を片手で受け止めます。手のひらいっぱいに精液がたまったところで、私はそれを自分の口までもってきて、舐めとって嚥下します。一匹も残さず、彼の子種を喰らっていきます。次々に精子は飛び出てくるので、すごく便利でした。永遠の魔力補充機。清明様に報告すれば誉めてくれるかもしれません。


「きめました。今日は徹底的に尻穴だけを犯します」


 私は人間ではなくなった男にむかって宣言します。


「これから半刻は射精禁止です。雌絶頂だけで犯しましょう。その後は、あなたの尻穴を私の肉厚の舌でもって犯してあげます」


 ふふふっ。

 妖艶な笑みを浮かべた女性が男を追いつめていきます。


「私の舌はとても長いのです。あなたの前立腺まで余裕で届くことでしょう。この舌であなたの尻穴を徹底的に犯してさしあげます」


 男の眼前で舌を出し、それをちろちろと蠢かしてやります。その艶美な赤色の軟体動物を見た男は、ますます被虐の快感で絶頂してしまうのでした。

 *

 徹底的な尻穴調教。

 その日の夜伽が終わった時、宣孝様は限界を突破してしまったようで、意識を取り戻すことはありませんでした。

 仰向けで全身を脱力させて倒れ込み、断続的に痙攣して雌絶頂の余韻に浸っております。白目をむいて、口からは舌を飛び出して、蟹さんのようにぶくぶくと泡を吹いています。心優しい淑女であれば、同情を感じるのが正しい感情なのでしょう。しかし、加虐の快感にとりつかれている私は、そんな情けない姿を見るとますます残虐になってしまうのです。


「あわわっ、おかわいいこと」


 ニンマリと笑います。

 その顔を見ていると、さらにめちゃくちゃにしてやろうという思いで一杯になりました。


「もっとすごい顔にしてさしあげます」


 私はそのまま宣孝様の顔面に座りました。

 女の私から見ても熟れきった大きな生尻が、宣孝様の顔面で潰れます。全体重をかけて宣孝様の顔面を座布団にすると、彼の頭部がみしみしと音をたてて軋んでいくのが分かりました。


「いい座り心地ですよ、宣孝様」


 ぐりぐりと生尻で宣孝様の顔面を蹂躙しながら続けます。


「これならば、私専属の座布団として使ってさしあげてもよろしいかと思います。私と二人っきりの時に、貴方様の顔面を座布団として使ってさしあげます。嬉しいですよね、宣孝様?」


 意識がない彼にむかって怪しくほほえみながら。


「はやく起きないと、このまま女の尻で溺死して死んでしまいますよ?」


 まあ、それも一興。

 私は「くすり」と笑って、いつまでも宣孝様の顔面に座り続けました。


 ●●●


 被虐の快感を覚え込ませ続ける毎日。

 宣孝様の様子は変わってしまいました。

 やつれて、日中の仕事にまで支障をきたす有様。顔には死相が出て、顔色は土色を通り越してどす黒くなってしまっておりました。

 それもこれも、夜毎、私が宣孝様を犯しているからでした。その精液を奪いとり、吸収していく毎日。あくまでも私の目的は自分の中の加虐趣味を満足させることにありましたが、その副産物として彼の魔力を吸収していく結果ともなったのでございます。

 宣孝様がやつれればやつれるほど、私の肌と艶は光輝くようでございました。

 内向的で引きこもり気味であった私が、潤沢な魔力を得て、体の底から活力がみなぎるようでした。もともと豊満だった体もさらに育っていきました。その育った体で宣孝様をますます虜にして、夢中になった彼を毎日のように犯します。

 そうしていると、宣孝様の心境にも変化が訪れました。


「香子様、お許しを。どうか後生でございます。これ以上はご勘弁ください」


 宣孝様は全裸で土下座をしながら言いました。

 いつからか、こうして媚びへつらうようになったのです。おそらく、あまりにも犯され過ぎて、毎日のように精巣が空っぽになるまで搾り取られて、宣孝様は自覚してしまったのでしょう。目の前の女性には絶対に勝てないということ。それを悟り、なんとか許してもらうために命乞いをするようになってしまったのでした。


「頭が高いですよ、宣孝様?」


 加虐の快感に酔った私は土下座程度では満足できない体になっておりました。

 私は足を振り上げると、土下座をしたままの男の後頭部を踏み抜きました。そのままぐりぐりと足を動かし、男の顔面と畳とをすり付けていきます。


「宣孝様、今、ご自分がどういう格好だか、分かっておりますか?」


 踏み潰しながら優しく問いかけます。


「宣孝様は今、20歳近く年下の小娘に全裸で土下座をして、その後頭部を踏みつぶされているのですよ? 恥ずかしくないのでしょうか」

「う、ううううッ!」

「今も、こんな屈辱的なことをされているのに、抵抗もできずにびくびく怯えるだけ。それだけならまだしても、なんですか、これ?」


 私は男の後頭部を踏むのを止めると、滑稽にも屹立した一物を踏み潰しました。


「あああああッ!」

「勃起してますね。妻に全裸で土下座しながら興奮してしまっています。これはどういうことなのでしょう?」

「ち、ちがうううッ! こ、これはあああッ!」

「ふふっ。宣孝様? あなたのような人のことをなんと言うか、ご存じですか?」


 刻印を刻むように。

 男の脳裏に消えない烙印を押すようにして。


「マゾ」

「ひいいいいいいッ!」

「あなたのような男の人をマゾというのですよ」

「ち、ちがううううッ! わ、わたしはマゾなどではッギイイイイッ!」


 口答えをしたので一物を致命的に踏み潰して黙らせました。そのまま、彼の弱いところをひたすら踏み責めしていきます。すぐに男は射精しました。


「ひっぎゃあああああッ!」


 どっびゅううううッ!

 びゅっびゅうううううッ!

 盛大な射精。

 それにあわせるように、私は足を彼の一物の根本から先っぽまで根こそぎ絞っていきます。脈動にあわせるように足を動かしてやると、男は面白いように射精して滑稽でした。


「あらあら、もったいない」


 粗相をしたマゾにむかって命令します。


「宣孝様、ご自身が漏らしてしまった精液を舐めとって、私に届けてくださいな」

「ひ、ひっぎいいッ!」

「口移しで宣孝様の精液を私の口に運んでくださいまし。さあ、はやく」


 ぐりぐりぐりっ!


「っひゃああああああッ!」


 どっびゅうううううッ!


「早くしないとこのまま空っぽになるまで足で絞りとってしまいますよ? そうすると後始末が大変です。さあ、どうしますか?」


 是非もありません。

 宣孝様はびくびく痙攣しながら畳にこぼれたご自身の精液を舐めとり、それを私の口まで運び始めました。

 自分の精液を舐めてそれを捧げるように私に運ぶのはどのような気持ちなのでしょうか。私はぞくぞくしながら、宣孝様から口移しで精液を受け取り、それをゆっくりと味わって魔力を補充していきました。

 ときおり、口移しで精液を食べるだけではなく、そのまま宣孝様の唇を奪い、喰らうように接吻をしてやりました。そうするとすぐに白目をむいて射精したので、それも舐めさせて口移しさせ、また接吻で射精させてやりました。

 私は笑顔でそれを行いました。宣孝様は絶望の眼で畳に這い蹲り、精液を舐めて口にためこみ、それを何度も何度も私の口へと運んできます。

 その様子を高見から見物していると、とても心地よい気持ちになりました。やはり、私は加虐の快感にとりつかれてしまっているのでしょう。

 宣孝様の精液を絞りとり、被虐の快感で溺れさせる毎日。ひたすら宣孝様の魔力を奪い取っていく。それはとても充実したものとなり、私はますますのめり込んでいきました。


 ●●●


 月日が流れました。

 宣孝様は明らかにやつれ、身長すら小さく見えるほどでした。よぼよぼとした老人のような挙動。それとは反対に、私はますます活力を得、女の目から見ても妖艶な肉体に育っていきました。

 関係性も明らかに一線を越えてしまいました。

 夜になると宣孝様が部屋に来ます。

 この部屋に足を踏み入れたが最後、夜通し絞りとられてしまいます。それなのに、宣孝様は毎日のように私の部屋に通ってきました。もはや彼も被虐の快感の虜となってしまったのです。こうなってはもはや手遅れでした。


「じゅぱああッ! じゅるじゅるるッ!」


 宣孝様は全裸で膝まづき私の足を舐めております。

 私は和服姿で畳に座ったまま足を投げ出して物憂げにその様子を観察するばかりです。宣孝様が必死になって私の足の指をくわえ、一生懸命に舌を動かしている様子はどこまでも滑稽でした。

 この足舐めがうまくできなければ射精させてもらえないので、宣孝様は全身全霊をかけて女の足を舐めるのです。屈辱と苦しさに満ちた顔を眺めていると、とても興奮したことを覚えております。


「だめです。本当に宣孝様は足舐めが上達しませんね」


 興奮していることなんておくびにも出さずに、私は冷たく言い放つのでした。

 とたんに絶望した顔で私のことを見上げてきた宣孝様にさらに追い打ちをかけます。


「今日は射精禁止とします。文をつづりますので、その間、座布団になってくださいまし」

「そ、そんなあああッ。か、香子様、ど、どうか、どうか後生に」

「だめです。さあ、早くしなさい」


 命令すると逆らえないのが今の宣孝様です。

 宣孝様は文机の座布団があったところに仰向けになりました。その顔面めがけて、私はなんの躊躇もなく腰をおろし、大きなお尻で男の頭部を潰しました。


「むっふううううううッ!」


 悶え苦しむ宣孝様。

 私はぐりぐりとお尻を動かして座り心地の良い角度を調整すると、文机にむかって文を綴り始めました。

 さらさらという筆の音が響きます。部屋の中にはそれ以外にも男のくぐもった悲鳴とじたばたと暴れる体の抵抗の音が響いていきました。
 
 息継ぎをさせながら、永遠に終わることのない座布団の刑に処します。

 何度か息継ぎをさせずにそのまま窒息させて遊びました。すぐに起こして続きをします。息継ぎの間に始まる命乞いの大合唱がとても気持ちよかったので、ますますのめりこみます。射精への期待で男の一物がぴくぴくと動いているのが滑稽でした。私はけっして射精を許すことなく、男の顔面を座布団にして文をつづり続けました。


 ●●●


 衰弱し弱くなっていく宣孝様と。

 精力満ちあふれ強くなっていく私。

 さらなる快感を宣孝様に与えたいと考えた私は、禁断の法術に手を出してしまいます。

 陰陽道の御技。魔力を糸のように編んでそれを相手の頭に打ち込むのです。糸は頭皮と頭蓋骨を貫通してそのまま脳味噌に打ち込まれます。糸を通じて直接脳味噌に刺激を与え操り人形にしてしまう禁断の法術。土蜘蛛と契約をしている私はこれが得意でした。


「宣孝様、いいでしょ、ね?」


 私は宣孝様の同意を求めました。

 あなたの脳味噌に糸を打ち込んで操り人形にさせてくださいと、優しくお願いします。宣孝様は絶望に顔を強ばらせて命乞いを始めました。


「でも、すごく気持ちがいいのですよ。これまでの快感が子供だましに感じるくらい、すごい快感を感じることができるのです」

「う、ああああッ」

「脳味噌の快感を感じる部分を直接いじくりまわすのです。その上で射精をさせます。意識がぶっ飛ぶくらいの射精、したくないですか?」


 ぷるぷると震える宣孝様。

 彼はこくりと頷いてしまいました。


「では始めましょう」


 私は始めました。

 *

 魔力を霊体にして実体化させ、それを糸にします。透明のきらきらした糸。それを私の両手の10本の指から出して準備は完了しました。


「これを宣孝様の脳味噌に打ち込むのです」


 わたしは男に糸を見せつけました。

 長い糸を宣孝様の体に巻き付けたりしながら、恐怖心を煽ってやります。その様子は土蜘蛛にとらわれた獲物のようでございました。


「それでは開始です」


 糸がそれ自体意思をもったように次々と宣孝様の頭に突き刺さっていきました。霊体なのでそうなっても宣孝様の頭から血がでることはありません。


「びぎょっ・・・・ぴぴぴ」


 糸が脳味噌に刺さるのが分かりました。

 宣孝様は黒目を裏返して、「びぎびぎ」と訳の分からない言葉を吐きます。ときおり腕や足が反射的に飛び跳ねたりするのが滑稽でした。まさに操り人形。わたしの思うがままに動く玩具の完成です。


「調整完了。どうですか、宣孝様」


 私の両手からは10本の糸が伸び、それが宣孝様の頭に突き刺さっています。脳味噌の適切な位置に糸を刺すことができて、さきほどまでの条件反射的な痙攣もなくなりました。


「こ、こわいです、香子様」


 怯えた様子の宣孝様。

 私はくすりと笑い、糸を通じて男の脳味噌に刺激を送ってやりました。


「雌絶頂」

「ひっぎいいいいいいッ!」


 男が惨めに痙攣します。

 私は糸に刺激を送ってやっただけでした。男の体には指一本触れていないというのに、宣孝様は雌絶頂してそのまま地面に倒れ込んでしまいました。今もあへあへ言いながら雌の快感にのたうちまわっております。


「いつまで寝ているのですか、宣孝様」


 糸を動かします。

 彼の体が一人でに動いていきます。びくびく震えながらも立ち上がってきょうつけの姿勢になります。私がそうさせているのです。糸だけで男の体のすべてを支配しています。脳味噌の適切なところに刺激を送ってやれば、こうして手足の筋肉に指令を送り、意のままに操ることができるのでした。


「ああ、ああああッ、香子様あああッ」


 もはや自分の体が自分の意思で動かすこともできなくなったことを悟った宣孝様はとても興奮しました。がくがくと震え、その一物を滑稽に勃起させています。身も心も私に支配されて被虐の快感に興奮しているのでしょう。どこまでも情けない御方です。


「そんな貴方様にはマゾ踊りを披露してもらいましょうか」


 にっこりと笑って糸で操ります。


「はい、両手は後頭部で組んでくださいまし」

「あああッ」


 一人でに宣孝様が両手を後頭部で組んで無防備な体をさらします。


「両足を開脚しながら屈伸運動」


 糸に刺激を送るとそのとおりに動きました。

 一物をさらけだしながら、両足を開脚させながらの屈伸運動。その情けない姿はどこまでも滑稽で、笑ってしまいました。


「その状態で、はい、虚空と性交渉してくださいな」


 くいくいくいっ。

 糸を動かすと、宣孝様が腰を振り始めました。

 本当だったら女性の膣内に挿入して行う性交渉。それを宣孝様は今、虚空相手に行っております。何もない空間に向けて必死の腰振り。へこへことした動きが私の笑いを誘います。


「あああっ、み、見ないでえええッ!」


 恥辱の坩堝にはまった男が叫びます。

 その間も腰振りは継続中です。自分の意思とは違う存在に支配されて、虚空にむけた惨めな性交渉。涙目になった男の姿はとても情けないものがありました。


「そのまま射精しなさい、このマゾ」


 冷たく言い放ち、操ります。

 男の脳味噌の快感を司る場所。

 そこを糸で突き刺してやると、男は「オッッホオオオンンッ」と獣の悲鳴をもらしながら、びゅっびゅと射精を始めました。


「あわわっ、すごい勢いですこと」


 まるでおしっこをするかのように白い液体が畳に飛び散っていきます。本来だったら倒れ込んで悶えるのでしょうが、今、彼の体を支配しているのは私なので、射精中も立たせたまま、腰振りセックスを継続させました。次々に精液が吹き出てきます。白目をむいて気絶しそうになったので、糸に刺激を送って気絶すら許しません。半狂乱になった男はさらに勢いよく腰振り虚空セックスを続け、私にむかって命乞いの雨あられを叫んできました。


「ゆるじでええええッ! もういぎだぐないいいッ! たしゅけてええええッ!」

「もうぶりいいいッ! アッギャアアア、あ、あ、あ、ひいいいいい」

「たじゅげでええ、お願いだから射精やめっぎいいいいいッ! なんで、なんでこんなひどいことずるのアッヒャアアアッ!」

「どうじだら許してぐれまじゅか? おじえでくだしゃい、どうじだらゆるじてぐれまじゅか? なんでもしましゅからあああッ、だから、射精やめへええええええ」


 とても情けない姿です。

 私は気に入ってしまい、彼が命乞いをしてくる様をまじまじと妖艶な笑みを浮かべて観察するばかりでした。そのせいで、彼の精巣が空っぽになるまで、そのままいっきに射精させてしまいました。


「あわわ、すごい量ですね」


 畳の上は精液の海でした。

 彼の寿命を引き替えに生産した子種たちです。その全身全霊をかけた精液の海にむかって、宣孝様は顔を突っ伏すようにして倒れ込み、びくんびくんと痙攣し続けておりました。

 糸での操縦を一瞬だけ弱めてやっただけで、男は自分で立っていることもできずに倒れ込んでしまったのでした。まさしく操り人形。おかわいそうに。


「それにしてももったいないですね。宣孝様、分かっていますよね?」


 私が確信をこめて命令します。


「はやくしてくださいな。でないと」


 くいくいくいっ。

 糸に刺激を送り男の脳味噌をえぐります。

 雌絶頂の部分。その刺激を受けた男は精液の海の中で雌絶頂して、悶え始めます。


「ほら、はやくしないとこのまま雌絶頂地獄ですよ。さきほどまでの射精地獄と同じように、頭が壊れるまで続けてさしあげましょうか」


 くいくいくいっ。


「ひっぎいいいいいッ!」


 暴れる宣孝様。

 糸の力を弱めてやると、男はなんとか四つん這いになって、その精液の海に口づけを捧げます。口の中たっぷりに自身の吐き出した精液を頬張ると、ぷるぷると震えながら私の口元に運んできました。


「あらあら、すごいお顔ですこと」


 涙と鼻水でぐじょぐじょ。
 
 さらには精液まみれになって、髪の毛がすべて白髪みたいになっております。そんな有様になっても、宣孝様は私のために魔力を運んでくれているのです。そのがんばりに報いるために、たっぷり犯してあげましょう。


「いただきます」


 ぶっちゅううううッ!


「むっふうううッ!」


 男の頭部を抱え込んで、そのまま接吻します。

 男の唇を貪り喰らい、その口の中に肉厚な舌を押し込んで、中の精液を奪い取ります。立場の差を分からせるようにして口内を犯します。目をつむって生娘のようにされるがままになった宣孝様をジト目で観察しながら、頃合いと見て糸を動かしました。


 くいくいくいっ!


「むっっふうううん!」


 雌絶頂。

 脳味噌に直接刺激をたたき込みます。条件反射のように暴れ始めた宣孝様をさらにぎゅうっと抱きしめ拘束し、捕食接吻はやめません。糸の刺激も継続してやり、宣孝様は雌絶頂と捕食接吻の餌食となっていきました。これに耐えられる男などいるはずがありません。

 男の体がガクンと崩れ、そのまま気絶しました。

 再び精液の海で溺れるようになっています。

 私はくすりと笑い、糸で強制雌絶頂をたたき込んでやります。


「ひっぎいいッ!」


 すぐに覚醒します。

 操り人形。私の思うがままに動く玩具。

 私はにんまりと笑って言いました。


「宣孝様、まだまだ精液はたくさんありますよ?」

「ひ、ひいいい」

「早く次のものを運んできてくださいな。もたもたしていると、雌絶頂地獄で一刻ほど犯してしまいますよ」


 そんなことを言うと男は半狂乱になって精液を運んでくるのでした。私は愉快に笑いながら、その操り人形でいつまでも遊んでいきました。


 ●●●

 
 思えばこの時に自制をしておくべきだったのでしょう。この禁断の法術を用いた快感に人間が耐えられるわけがなかったのでございます。

 しかし、一度のめりこんでしまった私が我慢することもできないのでありました。

 私は毎日のように宣孝様の脳味噌に糸を打ち込み、人間が感じてはいけない快感でもって宣孝様を壊していきました。

 操り人形にするのが本当に気持ちがよかったのございます。文字通り、指先一つで完全に支配してしまえるあの感触を覚えてしまうと、どうしても止めることができませんでした。

 射精地獄と雌絶頂地獄。

 二つの地獄に落とし込んで、ひたすらに快感で犯し、その精液を奪い取る毎日。

 宣孝様はついに昼間ですら寝込むようになってしまいました。

 仕事を行う体力すらなく、日中は床に臥せって寝るばかりの毎日。医師からは重度の疲労が蓄積しているので仕事を休むべきだと進言されました。周囲の人間たちが宣孝様のあまりの変わりように口々に噂をしているのが聞こえてきます。やれ悪霊にとりつかれただの、祟りだのと、的外れなことを喋っています。

 宣孝様の疲労はそんなまやかし風情が原因ではないのです。

 宣孝様は昼間は動かずじっと体力回復に励んでいます。それもこれも、すべては夜、私に精液を搾り取られるための準備なのでした。

 *

 その日の夜も宣孝様は私の部屋を訪れました。
 
 私はいつものように笑って部屋に結界を施していきます。


「服を脱ぎなさい」


 命令します。

 そうするとびくびく震えながら宣孝様は言われたとおりにします。そして、自分から頭を私に差し出すのです。


「よろしい」


 私はその禿かかった頭をぺちぺちと叩いてやります。屈辱を感じるようにバカにして叩いてやると、宣孝様はとても興奮するのでした。その後、唐突に10本の指から伸ばした糸を宣孝様の脳味噌へと突き刺します。


「おほおんッ!」


 白目をむいて悶える男。

 ぐりぐりと糸を動かして適切な脳味噌の位置に至るまでまさぐっていくと、宣孝様の黒目がぐりんぐりんと上下左右に動くのが滑稽でした。びくんびくんと手足が震えて無様といったらなかったです。こうしてすべての準備を終えるのでした。


「宣孝様、どうやって犯されたいですか?」


 彼の耳元で怪しく囁きます。


「乳首をいじって射精させてさしあげましょうか。天井知らずに高まっていく雌の快感と共に、糸で脳味噌をいじくりまわされて射精地獄に追い込まれたいですか?」

「ひ、ひいい」

「それとも、手でいじくりまわしてあげましょうか。私のいやらしい手つきで貴方様の一物をじごきあげます。射精しても許しません。潮をふいて何も出なくなるまで、亀頭をこねくりまわしてさしあげます。その間は糸で雌絶頂の極みを同時に堪能させてあげましょう」


 その言葉に宣孝様は悶え苦しんでいきます。

 彼は早くも押し寄せる快感で身も心も壊されたようにして絶叫しました。


「香子様の好きにしてくださいいいッ! 私は香子様の操り人形でございます! だから香子様の好きに犯してえええッ!」


 恥も外聞もなく叫ぶ宣孝様を見ていると、とても愛おしい気持ちになりました。

 なかなかにお可愛いことを言ってくれます。そんなことを言われてしまったら、私の中の加虐の獣が我慢できるはずがありません。私は今日も徹底的に犯そうと決めてしまいました。それが、あのようなことになるとも知らずに。


「私の密壷で犯してさしあげます」


 男を仰向けにします。

 その上に馬乗りになって下半身をはだけるようにして服を脱ぎました。馬乗りになられた宣孝様は私を見上げて「ひいひい」言っています。犯される予兆だけで興奮している浅ましい猿。私はくすりと笑ってやりました。


「挿入」

「ひいいいいいッ!」


 私の密壷の中に宣孝様の一物を挿入いたします。

 そのまま暴力的に腰を動かします。獣のように腰をふるうと、宣孝様は体をのけぞらせて射精しそうになりました。


「私の中、すごいでしょう?」

「ひいい、ひいいいいッ!」

「もう言葉も喋れなくなってしまわれたのですね。それも無理もないこと。私の中は名器でして、どんな男も1分も我慢できずに射精してしまうのです。宣孝様はどうですか?」

「だめえええッ、しゃ、射精しちゃいますううううッ」

「あわわ、情けないですね~。小娘の騎乗位で悶絶してしまうなんて。でも、すぐに射精されると私も楽しめないので、こうしてさしあげます」


 くいくいくいっ。

 糸を蠢かすと、男が「ビギョッ」と奇怪な声をあげます。そのまま獣のような腰振りで男を犯していきます。限界はすぐに訪れ、男は射精しそうになりました。しかし、


「な、なんでえええッ! 射精できないいいいッ!」


 男が悶え苦しみます。

 射精を禁じているのはもちろん私の糸でした。


「脳味噌の射精を司る部分を麻痺させました。こうすると、いつまでも射精できずに永遠と悶え苦しむことになるのです」

「や、やめへええええッ!」

「さらに脳味噌を刺激して快感を増強させます」


 くいくいくいっ。


「ひっぎいいいいッ!」

「さらに、雌絶頂地獄」


 くいくいくいっ。


「オッホオオオオンンッ!」

「ついでに、射精地獄も追加しましょうか。射精できないのに射精地獄。それはどんな苦しみなのでしょうね」

「や、やめッギャアアアアアアアアアッ!」


 男が白目をむいて痙攣を始めます。

 涙と鼻水でぐしょぐしょになった顔。

 あまりの快感で臓物を引き抜かれたみたいな激痛を感じているのが分かります。

 その状態のままで、私は腰を振りました。私の密壷の中で吸収した宣孝様の一物をなぶり殺していきます。ふつうだったらこれだけで射精するのに、今は脳味噌をいじくりまわして雌絶頂と射精地獄の渦中にいるのです。その上で射精を禁止されてはどんな男でも発狂するでしょう。


「ビギョッ! びぎいいいいッ! ひゃっぎゅううううッ!」


 もはや言葉も喋れなくなりました。

 その様は尊厳ある人間のものではございません。

 もはや限界を越えていることは明らか。これ以上やれば命にも関わる。それを私も認識しておりました。認識していても止めることなどできません。


「射精したら死ぬかもしれませんね」


 ふふっと笑います。


「まあ、それでもいいか」


 私は笑いました。

 射精禁止の法術を解こうとします。

 その瞬間、宣孝様と目があいました。

 一瞬だけ理性を取り戻した彼は瞳だけで必死に命乞いをしておりました。「殺さないで」「助けてください」「なんでもします。だから命だけは勘弁してください」そんな命乞いをしていることが目を見ただけで分かります。


「イけ」


 くいくいくいっ!

 どっびゅううううううッ!

 びゅっびゅうううううッ!


 もはや悲鳴もあがりませんでした。

 射精禁止が解除されると同時に男は射精をしました。私の中に大量の彼の命が吐き出されていきます。それをすべて密壷で吸収していきます。一滴たりとも逃さないと、私の密壷がますます躍動しながら一物から精液を奪い取っていきます。


「あわわっ、宣孝様の体、魚のように跳ねています」


 他人事のようにつぶやきます。

 私に馬乗りになられている男はこれまでの痙攣が子供騙しに感じるほどの勢いで飛び跳ねて痙攣していました。

 とてもかわいそうだったので、私はその体を上から押さえつけあげます。体を暴れさせて快感を逃がすことも許さず、ひたすらに射精と雌絶頂の快感を堪能させていきます。私の中に放出されていく精液がますます勢いを増します。そのすべてを中で吸収していきます。一匹たりとも私の子宮から逃れることもできなく、食べられていくのです。宣孝様の生命力を精子に変えているので、射精はいつまでも終わりませんでした。痙攣する宣孝様の体をおさえつけたまま腰を振り続けます。

 半刻ほどそれが続いた頃でしょうか。

 あっけなく宣孝様は死にました。


「あわわ、動かなくなりました」


 あれだけ発狂したように暴れていた体が嘘のように静かになりました。

 馬乗りになったまま彼を見下ろすと、その体から活力という活力がなくなっているのが分かります。まるで干からびた干物のよう。肉という肉がそげ落ちてしまっているようにも見えました。魂が消えております。死んでしまったのです。


「ふふっ」


 誰かが笑いました。

 その誰かまじまじと息耐えた宣孝様を見下ろします。そのお顔を拝見してさらに興奮した私が言いました。


「いとをかし、ですね。ふふっ」


 あまりにも滑稽。

 同時に、あまりにもすばらしいご尊顔でした。

 そのお顔を見れただけでも満足しそうになります。私は一人の男を絞り殺してしまったのでした。その事実が加虐趣味の私の一面をさらに刺激します。私はしばらくの間、最後まで生きている彼の一物を密壷の中に閉じこめながら、いつまでもその尊顔を見下ろしてにんまりと笑っておりました。


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 これが裏・紫式部日記の第一幕にございます。

 あの後、宣孝様は病死という扱いとなりました。原因不明の衰弱死。しかしてその実体は年下の妻に絞り殺されたのでございました。

 結婚してからわずか3年あまりのことでした。もっとも、それだけよく保ったというべきかもしれません。短い結婚生活とはいえ、そこで私が行ってきたことを思えば、宣孝様はよく長らえたといえるでしょう

 宣孝様が死んでしまってからというもの、私は喪にふして日々を過ごしておりました。

 思い出すのは宣孝様を犯していた日のことばかりでございます。

 その日々を思い出しては、興奮し、ぼおっと物思いにふける毎日。周囲の人間たちは夫をなくした未亡人が思い悩んでいるとそう思っていたようですが、その実は違うのでした。

 もちろん、私にも哀しいという気持ちはございました。しかしそれ以上に体内に蓄積されていくのは燃えるような情欲でした。宣孝様で解消されていた私の情念が、再び舞い戻ってきてしまったのです。こうなっては、自分を止めることなどできませんでした。


「次はどうしましょうか」


 次。

 次の獲物。

 それを考えていると唐突に思いつきます。


「そうだ。土御門様を操り人形にしてしまうのはどうでしょうか」


 土御門様―――藤原道長様。

 たまにちょっかいを出してくるあの好々爺です。

 あの男を自分の操り人形にして犯す。そのことを思い描くととても興奮しました。

 私にはまだまだやりたいことがたくさんあります。まだ鞭打ちの刑で虐めてもいませんし、首を締めて遊ぶのだってまだでした。新たな遊びが頭の中でめぐっていきます。


「そうだ。聖水責めなんてどうでしょうか」


 あの道長様に聖水をかけてやるのです。

 たらいいっぱいにためた聖水の中に顔を押し込めて溺れさせるのもいいかもしれません。あの好々爺、それでも「御しとに濡るるは嬉しきわざかな」と宣うのでしょうか。


「ふふっ、とても楽しみです」


 私は怪しく笑いました。

 まだまだ、私の裏・紫式部日記は終わりそうにありませんでした。