次の日の夜。

 巳雪さんと本格的に話し合いをした。

 これからの夫婦生活について。

 お金の使い方とか、そういった現実の話を、遅くなってしまったけれどきちんとしたのだ。基本的に巳雪さんは私のわがままを聞いてくれた。自分のお金を自分のために使うなんて当たり前のことなのに、衣服については私が稼いだお金で購入することを承諾してくれた。けれど、巳雪さんがどうしても納得してくれないことがあった。

「旦那様のお食事は、わたしのお金から出します」

 この一点について巳雪さんは絶対に折れてくれなかった。

 私の食費なんだから、私が出してあたり前だ。それなのに、巳雪さんは断固として首を縦にふってくれなかった。

「旦那様には毎日、栄養バランスのとれた最高級の食材を食べてもらいたいんです」

「だ、だけど、身分相応なものっていうか、自分たちの収入にあった食事で十分じゃないですか」

「ダメです。旦那様にはずっと健康でいてもらいたいんです」

 キリっとした顔つきで巳雪さんが続ける。

「これはわたしのわがままです」

「巳雪さん」

「これはわたしのためでもあるんです。そうですよ。旦那様の子種を良質に保つことはわたしのためでもあるんです。ですから、わたしが旦那様の食費をもちます」

 それくらいはさせてください。

 じっと見つめられての言葉。わがままを言っているのは私のほうだったので、それ以上なにも言えなかった。

「でも、お金は大丈夫なんですか?」

「大丈夫です。投資のほうでもきちんと成果は出ていますし」

「と、投資ですか?」

「はい。そうです」

 どうやら巳雪さんは家事の合間にデイトレーダーとして活動しているらしい。よく分からなかったが、きちんと利益も出していて、巳雪さんの蓄えのほとんどは、元夫たちの遺産よりも、それを運用して得たお金のほうが大きいらしかった。けっきょく押し切られる形で、私の食費は巳雪さんが負担することになった。

「これからは、なんでも相談しましょうね」

 にっこりと笑って巳雪さんが言った。

 私も「はい」と素直に応じる。すぐに巳雪さんの瞳がきらりと輝いた。

「それで、さっそく相談なのですが」

 巳雪さんが笑って、

「旦那様の子種、限界まで搾り取っていいですか?」

「え?」

「これまでみたいに旦那様の体調を考えて手加減するのを止めてみても、いいでしょうか」

 ドクンと心臓が鳴る。

 手加減をしていた? これまでのあの極上の性技が手加減されたものだと言うのか。それが信じられなくて、あわあわと口をパクつかせるだけになってしまった。

「ダメですか?」

「あひい」

「どうなんです?」

 さわさわっ!

 彼女の手が私の背中に伸びる。ねっとりとした手つき。それで撫でられ、性感帯を刺激されて、されるがままになってしまう。

「手加減抜きで、旦那様のこと責めてみたいです」

「ひいいい」

「旦那様の精子、空っぽになるまでブっこ抜いてさしあげたい」

 巳雪さんのおっぱいが体にあたる。爆乳がぐんにゃりと潰れてそれだけでダメになる。こんなスタイル抜群の女性に誘惑されて、墜ちない雄なんているわけがなかった。

「はひいいいッ! 本気で犯してくださいいいッ!」

 絶叫する。

 こんなの相談の形をとった命令だ。選択の余地なんてどこにもない。巳雪さんが「くすり」と笑って、私の肉棒を握りしめた。

「嬉しい」

「あ、あ、あ、あ、あ」

「今日も旦那様のこと骨抜きにしてさしあげます」

「ひいいッ! あひいいッ!」

「極上の性体験をお約束します。豚のような悲鳴を絞り出してあげますね?」

 さわさわと愛撫が強くなる。

 もう逃げられない。心の底からそう感じた。



 *



「それでは始めましょう」

 脳髄を溶かしてしまうような甘い声色が響く。

 相談の結果行われるえげつない性行為。手始めに唇が奪われた。

「ぶっちゅううううううッ!」

 下品な音が脳みその中で鳴った。

 巳雪さんがリップ音を響かせながら私の唇を喰らっていく。下顎から鼻にかけて巳雪さんの長い舌が躍動する。かと思うと彼女のぷっくらとした唇が私の唇に押しつけられ、長い舌が口内で暴れまわっていく。

「アヒインッ! ひいいいッ!」

 喘ぐ。

 けれど本気になった巳雪さんのディープキスは私の喘ぎ声ごと丸呑みにしてしまうのだった。過激なリップ音。唾液を啜る音。女性の発情した「んんっ」という甘い声。それだけで私の無様な喘ぎ声は上書きされ、巳雪さんの貪欲な舌と口に食べられていった。

(無理……こんなの無理……)

 私の体が命の危険を感じている。

 巳雪さんの本気のキスは人類には早すぎるのだ。絶頂死という単語が脳裏に浮かぶ。絶頂して、あまりの快感で脳味噌が焼けきれ、焦げ臭い匂いを周囲に放ちながら息の根を止められてしまう自分が鮮明に想像できてしまった。

(逃げないと……殺されちゃう……)

 私のぷるぷるした両手で巳雪さんの肩あたりをつかむ。

 なんとか彼女と距離を置こうと体をよじらせようとした瞬間だった。

「ジュッパアアアッ! じゅっるっじゅるうッ!」

「あひいいいいんんッ!」

 さらに激しくなる舌使い。

 それだけで私の両腕がダランと脱力して垂れ下がってしまった。まだまだ本気ではないのだ。それが信じられなくて、私は唇を奪われたままビクンビクンと跳ねて悶えていくしかない。

「んふっ」

 嬉しそうに笑ったサキュバスが次の性技に移る。

 私という獲物の抵抗がなくなったのをいいことに、彼女の両腕が私の背中から離れた。解放されると思ったのも束の間、魔性の指使いが乳首を蹂躙した。

「んむうううううううッ!?」

 ディープキスされながらの乳首責め。

 さらに激しさを増した舌使いが「抵抗するな」と命令してくる。獲物である私はやはり脱力してビクンビクンと跳ねるだけのオブジェと化す。そんな過激なベロチューをされながらの乳首責め。彼女の長い指がカリカリと突起をひっかき、そのリズムにあわせて私の体が痙攣していく。

(し、死ぬ……死んで……)

 白目をむく。

 ガクガクと痙攣する。絶頂死。このままベロチューと乳首責めだけで殺されてしまう。本気になった巳雪さんの責めに耐えることなんてできない。激し過ぎるディープキスで息すらできず、酸欠で頭が麻痺していく。キスで窒息死する。冗談ではなく本当に死ぬ。ぴくぴくと痙攣していく。限界が近い。このまま愛しい妻にキスだけで殺され、

「いただきますね?」

 がっぼおおおんんッ!

 限界ギリギリで巳雪さんが私の唇を解放した。

 けれどそれで終わりではなかった。彼女は間髪入れず私の下半身に顔を埋もれさせて、バギバギに勃起した肉棒を頬張ってしまった。根本まで深く、一瞬で丸呑みされてしまう。

「ぶひいいいいいいいいいいいッ!」

 豚のような悲鳴が自分の口から漏れる。

 あまりにも快感がひどすぎて人間の悲鳴ではダメなのだ。快感を逃がすために豚の悲鳴をあげて体を痙攣させる。巳雪さんは宣言どおり、私の口から豚のような悲鳴をあげさせてしまった。私の肉棒を頬張ったまま、彼女がうっとりとした瞳でそれを聞いていく。

「んふっ」

 深く丸呑みしたまま彼女の長い舌だけで肉棒を這っていく。

 ピストンは始まっていない。だからこれは生殺しだ。彼女の本気のフェラチオを想像しただけで脳味噌がイく。そんな恐怖とも歓喜とも分からない快感状態に落とし込まれて、生殺しにされる。喉奥まで深く私の肉棒を頬張った女性が、ジュルジュルと舌だけを動かして堪能していった。

「み、巳雪しゃん」

「んふっ?」

「ひゃ、ひゃめでええッ! 食べちゃダメえええッ!」

「ンフッ」

「あ、あ、あ、舌ああああッ! 舌そんなふうに動かさないでえええッ!」

 生殺し状態で舐められる。

 私が制止すればするほどその舌使いは過激になった。こちらを上目遣いで見上げてくる巳雪さんの瞳が妖艶に光っている。彼女も楽しんでいるのだ。獲物が悶えているのを見て興奮している。それが分かった。

「ガッボオッ! ジュブウウッ!」

 唐突にピストンが始まってしまった。

 目の前の美しい女性が両頬をすぼませながら、頬肉と頬肉で肉棒をレイプしていく。その間も舌が這いまわって快感ポイントを絨毯爆撃していた。耐えられるわけがない。

「ぶひいいいいいいいいいいッ!」

 豚の悲鳴をあげて人類離れした快感で悶絶する。

 自分の口がパクパク動いているのが分かる。快感が強すぎてもう何がなんだか分からない。豚の悲鳴をあげている時だけ意識を保っていることができる。巳雪さんが飽きることなくピストンを繰り返して、極上のフェラチオを繰り返していく。我慢なんてできるはずがなく、私は射精して、

「ダメです」

 ぎゅうううううううううッ!

 私が射精する瞬間に巳雪さんが片手で私の肉棒の根本を握った。

 今まさに射精した精液の爆発がそれでせき止められてしまう。精巣から出発した白い液体が巳雪さんの美しい手で通せんぼされて射精してるのに射精できない。そんな状態で巳雪さんがまたしても肉棒を丸飲みし、射精を封じたまま男殺しのフェラチオを始めてしまった。

「びっぎいいいいいいいいッ!」

 なにがなんだか分からない悲鳴が自分の口から出てくる。

 体がジタバタと暴れまわりながら射精し、それを妻に封じられる。頭がおかしくなる。快感とは地獄だ。巳雪さんが両頬をすぼませて、グジュウッ! ジュボオッ! と盛大な音をたてながらピストンを続けている。彼女の唇の感触も舌の感触も恐ろしい快感を伝えてきた。

「み、巳雪しゃあんんッ! ひゃめでええええッ!」

 必死に懇願する。

 しかし返ってきたのは、

「ジュボオオッ! ガボオオッ!」

 強烈なピストンだった。

 まるで「まだ人間の言葉を喋れたのか」と叱責するようなフェラチオ。私の両太ももを手と肘で抑えつけ、美しい顔を私の股間に埋めながら、巳雪さんが徹底的に私を追い込んでいく。

「ぶ、ぶっひいいいいいッ!」

 私にできることは豚の悲鳴をあげることだけだった。

 男殺しのフェラチオで人間としての自分が殺されていくのが分かる。体を痙攣させて豚の悲鳴をあげ続ける。射精を封じられながら徹底的に食べられる。狂っていった。

「んふっ」

 巳雪さんの瞳が笑った。

 私の豚の悲鳴を堪能して満足したのだ。

 彼女が握っていた肉棒から手を放す。そしてトドメと言わんばかりの勢いで肉棒を貪り喰らってきた。

「ぴっぎいいいいいいいいいいいいッ!」

 どっびゅうううううううううッ!

 びゅっびゅううううううううッ!

 射精した。

 妻の口ですべてを奪われていく。巳雪さんの口の中で精液が爆発していく。彼女の喉奥に白い液体が打ち付けられる音が聞こえてくる。常人なら咳き込むのが普通なのに巳雪さんはニッコリと笑顔のままだ。それどころか、射精中の肉棒に追い打ちをかけてくる。

「じゅぼおッ……じゅるるうッ」

 ゆっくりと再開されるピストン。

 射精の脈動にあわせて彼女の口と舌が動いていく。その刺激で私の体が暴れ無意識に逃げようとする。そんな私の両太ももをがっちりとおさえつけ、暴れる私を完全にコントロールしながら巳雪さんがフェラチオを続けていく。どうあがいても逃げられないと悟った私はますます射精し、されるがままになった。

「んふっ」

 じゅるるるるるッ!

「ひいいいいいいいいいッ!」

 獲物が逃げなくなったことをいいことに巳雪さんが私の亀頭だけを狙いうちにしていく。

 亀頭だけを唇で覆うようにして頬張り、ぐりぐりと回転が加えられる。舌が鈴口を突っついてそこから溢れる精液をさらにせっついていく。もっと射精しろ。もっと精液寄越せ。そんなふうに思っていることが分かる苛烈さで巳雪さんの亀頭殺しが続いていく。

「ゆるじで……ゆるじで……」

 涙がぽろぽろこぼれていく。

 それでも巳雪さんがフェラチオを止めてくれない。それどころか「まだ人間の言葉喋ってる」と呆れたように笑われて、苛烈なフェラチオが再開する。もうとっくにすべて奪われ、精液ができなくなった肉棒が、それでもヒクヒクしながら空打ち射精を繰り返していった。

「ぶひいいいいッ! ぶひいいいいいッ!」

 そうなったら豚の悲鳴をあげるしかない。

 そのように強制された私は人間を辞める。「ぶひぶひ」と喘ぎながら精液の出ない射精を強制されていく。ずっとずっと、それが続いた。

「ふふっ」

 どれくらい時間が経ったのだろう。

 気がつくと巳雪さんの顔が間近に迫っていた。

 肉棒は解放され、すっかり縮んで息絶えていた。搾り取られてしまった。そう実感していると目の前の巳雪さんの口が大きくひらく。

「うっ」

 そこに溜まった精液の量に驚く。

 こんな射精の量、自分には無理だ。明らかに限界を超えて射精している。目の前の女性にすべて奪われてしまったのだ。それが分かった。

「んふっ」

 ゴクンッ!

 巳雪さんが一飲みする。

 彼女の喉が脈動するのを目の前で見せつけられる。再び彼女が口をひらくとあれだけ溜まっていた精液が一滴たりとも残っていなかった。すべて巳雪さんが吸収してしまったのだ。

「ふふっ、ごちそうさまでした。旦那様」

「ぶひい……ぶひいい……」

「今日もとってもおいしかったです」

「ぶひい……ひいいい……」

「ふふっ、もう豚の真似しなくていいですよ」

 優しく頭を撫でられる。

 しかし私の口から出るのは、

「……ぶひいいい」

 豚の鳴き声だけだった。

 目の前の妻が優しく笑う。

「ごめんなさい。少しやりすぎてしまいましたね」

 優しく撫でられながら巳雪さんの声を聞く。

「これからは、なんでも相談しましょうね」

「ぶひいいいい」

「今日はこのままお眠りください。大丈夫。怖いものなんて何もありません。旦那様のことはわたしが必ず守りますので」

 母胎にいるような安心感。

 巳雪さんの優し気な笑顔。そのすべてが多幸感につながって、私はそのまま意識を手放した。



 ●●●



 なんでも相談しましょう。

 そう決めてからというもの、巳雪さんからの相談が終わらなかった。

 今日も夜になると彼女の「相談」が始まってしまう。

「旦那様、今日は手でいじめてあげたいです」

 自宅のリビング。

 そこで私は背後から巳雪さんに抱きしめられている。

 背中には大きなおっぱいの感触。身長差があるので彼女は少しかがみながら立っていた。私の小さな体を後ろから抱きしめて、その美しい両手を私に見せつけてくる。

「ほら、この手です。見えますか?」

 彼女の両手がひらく。

 大きな手。陶器のような肌と長い指。それが目の前に広がり、私の口から「はあはあ」と荒い息が漏れる。

「この手で、旦那様をかわいがってあげたい」

「ひいい……ひいい……」

「わたしの本気の手コキ、すごいんですよ? はまってしまった殿方は、その後、手コキばかり希望してしまうんです。自分でオナニーしても射精できなくなるみたいで、わたしがシコシコしなければ一生射精できなくなってしまいます。それだけ気持ちがいいんでしょうね。どんなに偉そうな殿方でも、すぐにアヒアヒ言いながら射精してしまいますから」

 ねっとりとした声が背後から聞こえてくる。

 分かりやすく誘惑されている。それが分かった。

「ほら、こうやって動かすんですよ」

 デモンストレーションが始まる。

 彼女の右手が肉棒を握る形となって、シコシコと上下運動を始めてしまうのだ。その指の形が変幻自在に変わっていく。今は亀頭をいじめているのだろう。彼女の親指がグリグリと架空の肉棒の上部を虐めていた。

「ああああッ」

 それを見ただけで射精しそうになる。

 この手コキをされたらどうなってしまうのだろう。あまりの快感で今度こそ発狂してしまうかも。その恐怖と期待で体が痙攣してしまった。

「これは「相談」ですよ、旦那様」

「あひい」

「わたしの手コキで、旦那様のことかわいがらせてください」

「ひいい」

「わたしのわがまま、聞いてください」

「ひゃあ」

「ね、いいでしょ旦那様。お願いです。相談に応じてください」

 耳元で囁かれる。

 男が我慢できるはずがない。

「してえええええッ! してくださいいいいッ!」

 私は叫んでいた。

「巳雪さんの手コキでめちゃくちゃにしてえええッ! 射精させてくださいいいいッ!」

 恥も外聞もなく絶叫する。

 後ろの巳雪さんが「んふっ」と笑った。

「ありがとうございます旦那様」

「あひいいいッ」

「相談の結果、今日も旦那様のことをかわいがってあげられます」

「み、巳雪しゃん」

「いきますね?」

 がしっと。

 力強く巳雪さんの右手が私の肉棒を握る。まるで私が心変わりをしないうちに始めてしまおうという拙速さで、彼女がいきなりシコシコを始めてしまった。

「ひっぎいいいいいッ!」

 最初から巳雪さんの手コキは苛烈だった。

 彼女の美しい手が私の醜い肉棒を握り、シコシコを繰り返していく。ゆ、指の形が次から次へと変わる。適当な動きではない。私が一番感じる部分を的確に刺激できるように指の形を変えながら、最適な力加減でもってシコられる。こ、腰が、ガクガク痙攣して、た、立っていられない。

「ちゃんと立ってください」

「あひいいいいいいいッ!」

「きちんと立てないと、お仕置きですよ?」

 背後からの妖艶な囁き声。

 それに叱られて足腰に力を込める。けれどダメだ。私の努力なんて根こそぎ蹂躙してしまえる巳雪さんの手コキによって、私の膝がガクンと崩れてしまった。

「あ~あ、お仕置き決定ですね」

 背後からの言葉。

 彼女の左腕が私の胴体を抱きしめ強引に立たされる。ガクガクと足腰が震えているのに羽交い絞めにされて倒れることもできない。彼女の大きな体に埋もれるみたいに抱きしめられ、そして本気の手コキが始まってしまった。

「ぎゃああああああッ!」

 手コキをされているのに断末魔の悲鳴があがる。

 明らかに手加減がなくなってしまった。力強く握られた肉棒が視認できないほどの速さでシコシコされていく。そんなに乱暴にされたら普通は痛みしか感じない。男の急所は敏感なんだ。それなのに巳雪さんが力強く手コキをすると、それは快感100%の地獄にしかならなかった。

「ひゃめでえええええええッ!」

 シコシコッ!

 ジュブウッ! ぐじゃあっ!

「ゆるじでえええッ! これムリですうううッ!」

 しこしこッ!

 グジュウッ! ジュバアッ!

「たじゅげでええええええええッ!」

 悲鳴をあげながら逃げようとする。

 それを左腕一本だけで羽交い絞めにされて拘束される。逃げられないことを分からされてシコシコされる。巳雪さんの右手が力強く私の肉棒を虐殺していった。

「これはお仕置きですよ、旦那様」

「ひぎいいいいいッ!」

「きちんと立てなかった旦那様が悪いです」

「た、たじゅげでえええええッ!」

「んふっ、続けますね?」

 地獄が続く。

 もうどうしようもない。

 私は背後から大きな女性に抱きしめられ、おっぱいに生き埋めにされながら、ずっと手コキで悶絶させられる。白目をむいて悲鳴だけが漏れていく。もうダメ。死ぬ。頸動脈を掻き切られた時にあがる血しぶきみたいな射精が、私の肉棒から噴き出した。

「ひいいいいいいいいいッ!」

 どっびゅううううううッ!

 びゅっびゅっどびゅうッ!

 それを巳雪さんは左手で受けていった。彼女の大きな手のひらに白い液体が溜まっていく。彼女の左手が精液でいっぱいになる。地面に垂れてしまう。その瞬間、

「はい、ストップ」

 ぎゅううううううッ!

「あっぎいいいいいッ!」

 巳雪さんの右手が私の肉棒の根本を握りしめた。

 それだけで射精中の精液がせき止められて射精がぴたっと止まってしまった。強制的に射精を奪われたのだ。それが分かった。

「射精途中で止められると、辛いですよね?」

「つ、つらいいいいいいッ!」

「死にそうですか?」

「し、死んじゃううううッ!」

「んふっ、かわいい。でも旦那様の精液は無駄にしたくないんです。ですから食事が終わるまで我慢してくださいね」

 悪魔のような笑顔を浮かべているのだろう。

 背後でその顔が見えなくてもそれが分かった。彼女が左手を私の顔の前に持ってくる。そして、くぱあっと手の平をひらいた。大量の精液がこべりついた左手が見えてくる。

「いじめちゃいますね?」

 ぐじゃああッ!

 ひらかれていた手の平がとじられる。拳骨をつくるように力強く握りしめられる。ぐじゃぐじゃと彼女の手のひらで私の遺伝子情報が殺されていくのが分かる。それを見せつけられただけで興奮してしまった。

「んふっ」

 私を発情させることにまんまと成功した巳雪さんが笑う。

 そのまま彼女が左手を自分の口元へと近づけていく。一瞬だった。あまりにも簡単に食事が終わる。背後で、ゴクンと喉が鳴る音が、すごく大きく聞こえた。

「はい、食事が終わりました」

 再び左手が私の眼前に近づけられる。

 とじられていた手のひらがひらかれる。そこには一滴の精子も残されていなかった。

「おいしかったです」

「あひい……ひいい……」

「旦那様の子種は本当に上質ですね」

「み、巳雪しゃんん」

「ふふっ、それじゃあまた相談しますね」

 彼女が私の耳元で、

「旦那様、精液絞りを続けさせてください」

「あひんッ!」

「さきほどみたいに、わたしのえげつない手コキで射精してもらいたいです」

「あひいッ! ひいいッ!」

「これは相談です。旦那様が応じてくれないと、これで終わりにしないといけません」

 悪魔だ。

 サキュバスが「相談」の形で命令してくる。

「ね、どうですか旦那様。わたしの相談に応じてください。お願いします」

 選択の余地などなかった。

 私の口から絶叫がほとばしった。

「してええええッ! してええええッ!」

「なにをです?」

「手ですうううッ! 巳雪さんの手ええええッ!」

「わたしの手がどうかしましたか?」

「手コキいいいいいッ! 手コキしてええええッ! 搾り取ってえええええッ! いじわるしないで射精させてくださいいいいいいいッ!」

 駄々をこねる子供みたいに懇願する。

 すぐに背後のサキュバスが笑った。

「相談、成立ですね」

 がしいいッ!

 獰猛な肉食動物みたいに彼女の右手が私の肉棒を握る。それだけで私の全てが握りしめられてしまったと、実感できた。

「今日は空っぽになるまで搾り取りますね」

「あひいッ! あひんッ!」

「ちゃんと相談したんですから、いいんですよね?」

「ひいいッ! ひいんッ!」

「旦那様の精液、ブっこ抜いてさしあげます」

 そして始まる。

 彼女のわがまま手コキが永遠と続く。射精して左手いっぱいに溜まると食事が始まり、そしてまた相談が始まるのだ。それが繰り返される。精液が出なくなっても終わらない。夜通し、巳雪さんから「相談」され、そして射精を繰り返していった。


つづく